【マッチレビュー】PSG対バイエルン・ミュンヘン 個のための組織か組織のための個か

 CL決勝ですよ!CL決勝!ということで、PSG対バイエルンのCL決勝です。長かった19/20シーズンもこの試合が最後になります(まぁ、来週にはコミュニティシールドがあるからファンにはオフシーズンなんてないんですけどね笑)。それはさておき、バイエルン史上最強の呼び声高いハンジ・フリック率いるバイエルンとこちらも過去最強(と個人的には思ってる)トゥヘル率いるPSGが激突する今回の決勝戦です。

パリ・サンジェルマン0-1バイエルン・ミュンヘン

【バイエルン】59’コマン

・スタメン

PSGは準決勝のRBライプツィヒ戦から1人変更してきました。アタランタ戦で負傷交代したナバスがスタメン復帰を果たしました。

 バイエルンも準決勝のリヨン戦からは1人の変更です。リヨン戦ではペリシッチがスタメン出場でしたがこの大一番でコマンを起用してきました。ちなみにコマンはPSGの下部組織出身でいわば古巣対決ですのでその辺りのメンタル的なところに期待したのでしょう。それから、リヨン戦で負傷交代したボアテングはスタメン出場を果たしています(負傷交代しますが)。

・前半-1 バイエルンのハイプレス

 CB→GKへのバックパスにはCBにプレスをかけるレヴァンドフスキがそのままGKまで追いかけます。それに連動してミュラーは残りのCBに、WGがSBにプレスに出ていき、パリの中盤に対してはバイエルンのボランチが出てきてサイドに追い詰めていきます。

 あとは、WGがSBへのコースを抑えながら、CBに寄せていき、レヴァンドフスキは少し低い位置でアンカーを抑えて、ミュラーは近い方のIHを抑えます。残りのIHが下りていく場合は同サイドのボランチがそのまま前にスライドしていきパリの中盤3枚に対して3人をぶつける形をとっていました。

 このあたりのハイプレスもあり、パリはボールを前進させるのにかなり苦戦していました。低い位置でプレスに屈して奪われショートカウンターでピンチに陥ったり、蹴りだすしかなく、そのボールをまたバイエルンに回収されるという流れでかなり自陣に押し込まれたのがこの試合のパリでした。

・前半-2 バイエルンのアキレス腱とPSGの狙い

 完全無欠に見えるバイエルンの守備ですが、かなりのハイプレスとハイラインを敷いているため、後方には広大なスペースが広がっています。特に、高い位置を取るSB裏は狙い目です。ディ・マリアのサイドは待ち構えるのが快速飛ばして守るアラバとデイビスですので難しいですが、エンバペのサイドは守るのはボアテングとキミッヒで、スピード面ではエンバペの後塵を拝します。後方からのロングボール1本でビックチャンスを作り得るエリアと言えます。パリの前半のチャンスのほとんどはこのエリアを使ったものでした。余談ですがバルサ戦の2失点もこのエリアを使われ手の失点でしたし、トゥヘルがこのアキレス腱を見逃すはずもなく狙っていたのでしょう。

 それから、ネイマールがライン間で受けてドリブルを開始してからのエンバペ、ディ・マリアとのスピードに乗った攻めも脅威でした。

・前半-3 PSGの前プレスとバイエルンの対処

 パリも前プレスを狙いますが、バイエルンほど激しいものではなく、ある程度ボールを持てないことを受け入れた感じでした。それでも抑えるべきところはしっかり押さえていました。特に、ネイマールはCBやGKに寄せる時は必ずと言っていい程チアゴへのコースを警戒していました。また、それに連動してディ・マリアはアラバを自由にさせないように前プレスをかけて、空くサイドにはエレーラがスライドして4-4-2のような形でした。この試合のエンバペは前残りではなく献身的にサイドの守備をこなしている印象で、ディ・マリアは与えられたタスクの影響もありますが、サイドの戻りが少し遅かったように感じました。

 また、ネイマールがチアゴへのコースを切りきれない時はマルキーニョスが後方から圧力をかけるシーンも印象的でした。また、マルキーニョスは前プレスを強める際にはサイドに飛び出しての守備にも加わっており、バイエルンはミュラー、パリはマルキーニョスが2人分の働きを見せていたといっても過言ではありませんでした。

 そんなパリの守備に対して、バイエルンはチアゴがひたすらに躍動していました。移動を重ねてパスを引き出し、プレッシャーをかけられてもワンタッチでつないだり、プレスに来る選手を1枚はがして展開したり、チアゴの貢献はかなり大きかったです。

 また、コマンとケーラーの1対1でコマンがかなり優位に立ち、ここからのチャンスも前半は目立ちました。

・後半-1 PSGのWG入れ替えとバイエルン先制

 パリは後半途中からディ・マリアを右、エンバペを左に置いてきました。左からの崩しが前半はいまひとつ機能していなかったのもあり、そこにテコ入れをしようとしての配置転換だったのでしょうか。前半からサイドのアップダウンの強度はディ・マリアより、エンバペでした。個人的にはケーラーが1対2の状況を作られてることもあったので、そこにエンバペを充てることで2対2にできると考えたのではと個人的には考えます。

 先制点はキミッヒを経由してニャブリまで渡り、ニャブリのマイナスの折り返しをミュラーが残すような形になり、それを受けたキミッヒのクロスに大外から入ってきたコマンがヘッドで決めて先制、これが決勝ゴールとなりました。このシーンの前段階のキミッヒにパスが通ったところでパレデスは動いていましたがディ・マリアが戻っていませんでした。たらればは厳禁ですがここでディ・マリアが戻っていればキミッヒに自由にクロスを上げられることはなかったかもしれません。

 パリも試合を通じてハイクオリティでしたが、90分間一変たりとも妥協を許さなかったバイエルンとのこのわずかな差が勝敗を分けてしまったのだと思ってしまいます。

・後半-2 もったいなかったPSG

 72分のシーンはじめ、後半も圧倒的な「個」でチャンスを作っていたパリでしたが、リードされて時間が無くなったことからの焦りからか、80分以降は少し残念でした。どこかこう攻め急いでいる印象で雑なプレーが目立っていました。ネイマールのドリブルにエンバペのスピードと一瞬でどうにかできる武器があっただけに焦らずしっかりと丁寧に崩していけてれば、最後に同点、逆転していた未来もあったのかなと考えてしまいました。

・後半-3 縁の下の力持ち

 この試合の走行距離1位はミュラーで10.97kmで2位はマルキーニョスで10.76kmでした。ミュラーは守備時は前プレスのタスクに加えて後方へのプレスバックからのボール奪取も披露し、攻撃時はコマンのサポートのために左サイドにも流れ、右サイドに流れてクロスも入れていました。

 マルキーニョスもアンカーでの守備に加えてチアゴやデイビスを抑えるために前やサイドに出張って守備もしつつ、攻撃時も必要なら前線に飛び込んでいました。

・雑感

 この試合はお互いを見せつけながらも自身に課せられたタスクは全うし、決して2+9などではなく11対11の戦いを披露していました。やはり、時代の流れとしては「勤勉さ>創造性」になっているのかなと痛感する1試合で、ハメスやエジルが輝けないのも納得するしかない感じでした。ネイマールやエンバペ、ミュラーやレヴァンドフスキ、コウチーニョといった圧倒的なで違いを生み出す選手ですら守備のタスクをこなすことは前提のような感じですし、パリの失点シーンもディ・マリアがそこを全うしきれなかったからとも捉えられる形での失点でした。

・あとがき

 これにて19/20シーズンの全試合が終了しましたね。1シーズンお付き合いいただきありがとうございました。戦術ブロガー1年生の拙いブログでしたが読んでくれてただけでもうれしい限りです。来シーズンはもっと質の良いものをお届けできるように頑張りますのでご期待ください。

 来週のコミュニティシールドはDAZNで放送予定なのでマッチレビューも書く予定です。

 スパスィーバ

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