【マッチレビュー】レンジャーズ対アーセナル「選手の仕上がりとビルドアップの配置」

アーセナルのプレシーズンはスコットランド遠征→フロリダカップ→ロンドントーナメントという日程になっています。

ハイバーニアン戦に続くスコットランド遠征の第2戦の相手はレンジャーズです。

ティアニーの所属していたセルティックのライバルでスコットランドの2強の一角、そして今はリヴァプールのレジェンドのスティーブン・ジェラードが指揮を執っているチームでもあります。

試合のハイライト
本記事の内容・前半のビルドアップの配置
・前半と後半でのビルドアップの変更点
・ウィロックの起用法はトップ下かボランチどちらがベストか

両チームのスタメン

両チームのスターティングメンバー
得点者アーセナル:ヌーノ・タヴァレス(22′)、エンケティア(81′)
レンジャーズ:Leon Balogun(14′)、Cedric Itten(75′)

前半の配置

前半のビルドアップ時の配置

昨シーズン終盤に披露した右SBのチェンバースがビルドアップ時は3バックの右に下がり、左SBのティアニーが高い位置に上がる左肩上がりの3-2-5をセドリックとタヴァレスの両SBの並びでも継続してきました。

エルネニーとトーマスの中盤2人は中盤にとどまり、FW-MF間でパスをさばきつつ被カウンター時はフィルター役になっていました。

エルネニーが時折最終ラインに降りる際はマリが左の大外にスライドする形で3バックを維持しようとしているように感じました。

前線はスミスロウとペペの連携による崩しは冴えていた点、超が付くほど攻撃的な立ち位置で攻撃参加をしていた左SBのタヴァレスの迫力は今後に向けてポジティブな点でした。

一方、気になったのはオーバメヤンとバログンの立ち位置です。

オーバメヤンがCFからポストプレーをするために降りてきてビルドアップに関与、バログンが左WGから裏を狙う形になっていましたが、オーバメヤンの持ち味とバログンの持ち味を考えたら、ここの役割は逆の方が良いように感じました。

HT後の配置

HT明けの選手の配置

HTにバログン→ラカゼット、タヴァレス→ティアニー、セドリック→ベジェリン、マリ→チェンバース、オコンクォ→ハインの5人交代を行ってきました。

HT明けのビルドアップ時の配置

HT明けはエルネニーがクロースロールで左SBの裏に降りてビルドアップに加わり、右SBのベジェリンは前半のセドリックと比較して高い位置を取るようになっていました。

また、ベジェリンは偽SBとして中央に絞るだけではなくワイドに開いた位置からのパス出しなども行いつつ押し込んだ時に高い位置に上がっていく役割でした。

64’~

64分に7人を交代し、これでスタメン全員がピッチから退く形になりました。

コラシナツとチェンバースの2CBナイルズとウィロックのダブルボランチエンケティアの左WGとこれはとりあえずいる選手を並べてみた感のぬぐえない選手の並びですが、面白いものも見れました。

ネルソンの動きの良さはハイバーニアン戦から目立っていましたが、この試合ではナイルズの成長がみられたのは良かったですね。

その一方で、ウィロックの起用法には賛否が分かれている印象です。

ウィロックの起用法について

ウィロックのこれまでの本職はトップ下かIHですが、この試合ではボランチで起用されています。

代わりに途中出場でトップ下に入ったのがウィリアンだったことで、起用法に関する外野の疑念が増した印象です。

ただ、ウィロックが今のアーセナルで自分の長所を出すなら4-3-3のIHがベストですが、4-2-3-1ならボランチの一角がベストだと思います。

ウィロックがこれまでアーセナルでトップ下として出場してきたときのシチュエーションはいくつかあります。

まず、19/20シーズンエジルと途中交代で60分ごろからの出場で、試合展開としては逃げ切るかプレミア特有のオープンな展開。

または、カップ戦で格下相手の場合。

オープンな展開ならばウィロックの推進力を活かせますし、格下相手ならウィロックの欠点が露呈することもありません。

ですが、20/21シーズンにリーグ戦でトップ下で起用された際にはライン間で待てずに低い位置まで下りてきてしまい、チーム全体のポジショニングもズレていた印象です。

20/21シーズン後半戦はローン先のニューカッスルではトップ下やIHでプレーしていましたが、ニューカッスルでは基本的に攻撃の場面はオープンな展開になりやすいので、これまたウィロックが活躍するための条件がそろっていました。

今のアーセナルはオープンな展開による殴り合いを望むような戦術は採用しておらず、トップ下に求められるのは狭いスペースでのテクニックとオフザボールのポジショニングです。

この2点に関してウィロックはスミスロウと比較した場合に見劣りします。

その一方で、ウィロックはゴール前に飛び出しての得点感覚ではスミスロウより優れていますし、ドリブルでの推進力は2人とも優れている印象です。

そのため、ウィロックの起用法としてはボランチの一角としてプレーし、ドリブルでの推進力を活かしながら、相手を押し込んだ場面ではゴールを狙って飛び出していく役割がマッチしているといえます。

ウィロックの起用法

もちろん、守備強度の向上やオフザボールでのポジショニングの改善が無ければスーパーサブの域を出れないのもまた事実ではありますが…

ゴールシーンについて

2失点ともCKからヘッドで決められての失点でした。

セットプレーからの失点が激減した昨シーズンの見る影もないような、誰が誰をマークするのかあいまいな守備の結果の2失点でした。

得点シーンは、まず1点目。

ホールディングからのロングフィードが1度は相手DFにカットされるもタヴァレスがそれを奪い返してエリア内に侵入、右足でのシュートで逆足も使えるという前評判通りのゴールを決めて見せました。

2点目はエンケティアがネガトラ時に良い反応を見せエリア内でボール奪取し、そこからゴールを決めました。

こちらは昨シーズンはエリア内でのチャンスでお粗末なシュートが見受けられていましたが、この場面では冷静に決め、昨シーズンからの成長を見せてくれました。

まとめ

スミスロウ、ペペ、タヴァレス、ラカゼット、ネルソン

今日ピッチに立った22人の中でもこの5人は動きにキレがありましたね。

スミスロウ、ペペは今季の攻撃の中心になれる存在ですし、ネルソンは今季はもっとチャンスを貰ってもいいでしょう。

オーバメヤンはスミスロウの突破からのシュートのこぼれ球を決めきれなかったシーンはいただけませんがそれでもチャンスに顔を出す頻度、外した後のリアクションに関しては昨シーズンよりいい方向に向かっているように感じたのは少なくともプラスに捉えることができます。

アーセナルはこの後フロリダでインテル、エヴァートンらとプレシーズントーナメントを戦った後に、スパーズ、チェルシーとのロンドントーナメントを経て開幕を迎えます。

余談

https://twitter.com/FabrizioRomano/status/1416384355551875074?s=20

アーセナルがベン・ホワイト獲得のために5000万ポンドの移籍金を支払うことで合意。

契約期間は2026年まで。

メディカルチェックや正式な発表はベン・ホワイトが休暇から帰ってきてからになる見通し。

また、ロコンが加入の正式発表はもう間もなく、ロカテッリの交渉は進んでいないとのことです。

ベン・ホワイトについては以前考察記事を書いたので良ければどうぞ。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

スパスィーバ

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kakuyasuphone-news.com/premier-league/

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