【アルテタ戦術振り返り】ジャカのクロースロール(左CB化)
皆さん大変お待たせいたしました!前回の更新から早いもので1週間以上たっていました。このご時世中々書くものも見当たらずあと、FIFA20のキャリアモードにはまっていてやる気が起きませんでした。そっちの詳細はツイートの方を見ていただければ大丈夫です。そんなこんなでこれ以上期間を空けるのはまずいと思い何か書こうと思ったわけですが、いかんせんネタがない!という事で「アルテタ戦術プレイバック」という感じでアルテタ監督がアーセナルにもたらした選手の戦術的な役割について復習してシーズン再開に備えていきましょう!
・本編
記念すべき第一回は就任初戦、アーセナルに帰還してからわずか数日で状況を改善すべく打った一手の1つである「ジャカのクロースロール」です!呼び方としてはクロースロールのほかにもエムレジャン化、左CB化などありますが、端的に換言すると、上がった左SBの裏のスペースに下りてきて疑似的な3バックを形成することです。
図のようにジャカが低い位置に下りてそこから高いキック精度の左足を活かしてビルドアップを組み立てる役割を担います。
まず、守備時の定石は2トップでのプレスですのでそこに3バック化することで、数的優位を形成し、ビルドアップ時の3バックの中央にダヴィド・ルイス、左にジャカ右に(年明け以降は)ムスタフィと、高い精度で縦パスや対角線のパスを出せる選手がいることで、相手のプレスが集中しにくくなるというメリットがあります。
エメリ政権ではビルドアップ時もダヴィド・ルイスとソクラティスの2CBのままビルドアップを試みていましたが、これだと相手のプレスに対して数的同数になってしまう上にソクラティスが足元に難があるためにボールを持ちたがらずダヴィド・ルイスとの距離も近くなってしまい前プレスの格好の的になっていました。それから、ジャカをアンカーに据えていましたがこれはジャカにとって難しいものでした。ボス(ヴェンゲル監督)も重用していたように素晴らしい選手なのは間違いありません。左足のキック精度はワールドクラスでしょう。ですが、中央での起用はアジリティやプレス耐性が低くプレスの狙い所になってしまい輝けません。ピッチ中央で攻撃の組み立てを担う選手で輝く選手と言えばデヨングやブスケツのように相手のプレスをいなす技術が必要です。
そんな状況でアルテタ監督が就任し、真っ先にそこの改善に着手しました。
サイドの低い位置でビルドアップを担当することで長所である左足の高いキック精度を遺憾なく発揮し、プレス耐性の低さが露呈し無いようなメカニズムを導入、これによりビルドアップで詰まりゴールまでの道筋が見えなかったエメリ、ユングベリ政権下とは見違えるように改善しました。
唯一残念なのはジャカ砲が炸裂する機会がないことくらいですかね。
そして、さんざんエメリの事を言いましたが決してエメリはただ無能な監督ではないという事を補足しときます。パリ、アーセナルでは残念な結果になりましたし、バルサの大逆転劇の時や、今シーズンのエジル外し、トレイラの攻撃的なポジションでの起用など迷采配も目立ちますが、セビージャやバレンシアでの功績が色褪せることはないでしょう。エメリのやるサッカーは7人で守り3人で攻めるのが基本コンセプトでボールを動かし相手を動かしロジカルで崩すタイプではないように感じます。ですので、パリやアーセナルのようにボールと主導権を握って相手を崩していくサッカーを目指すチームには合わなかったのでしょう。また、言語面での問題やチームの中心選手のマネジメントにも苦戦していたように映ります。ですから、ラ・リーガで中堅チームを率いればある程度の結果は出せる監督だと思います。
・お知らせ
この度、小津さんの主催する「#みんなでつくるプレミア通信簿」にてグーナーとして参加させていただくことになりました!公開はまだ先ですがぜひ楽しみにしていてください!
・あとがき
今回の記事はいかがだったでしょうか。この連載は何回続けるかは未定ですがしばらくこれをやっていく予定です。あとはDAZNRe-LIVEで面白そうな試合が有ったらクラッシックマッチレビューの方もやるかもしれません(この試合やってほしいみたいなオファーあったらよろこんでやります!)。
面白いと感じたら拡散してくれたり感想や批評等いただけるとうれしいのでどんどんお願いします!
エジルに見惚れてグーナーになった人。18/19シーズンから戦術ブログを開設してリーグ戦全試合のマッチレビューを投稿している戦術系グーナーです。
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