【マッチレビュー】アーセナル対ニューカッスル~アーセナル版ファンタスティック4(仮)躍動~
日曜日の25:30キックオフという事で翌日朝から1日バイトの予定でしたので見るか悩みましたがせっかくのウィンターブレイク明けなので期待値も上がりますしね?楽しみですしね?まぁ端的に言うと見ないって選択肢なんかなかったわけですよ。(案の定バイト中めっちゃ眠かったのは内緒ですが)というわけでそんなアーセナルの久し振りの大勝劇の分析をしていきましょう。
・試合概要
・得点
54分オーバメヤン1-0
57分ペペ2-0
90分エジル3-0
95分ラカゼット4-0
・途中交代
82分トレイラinセバージョスout 85分ラカゼットinエンケティアout 91分ウィロックinエジルout
74分ヘイデンinラザロout 75分リッチーinフェルナンデスout 83分シェアinクラークout
・セバージョスの役割
この試合も ジャカが3バックの一角になる形のビルドアップでその際はセバージョスが中央に位置取り後方はこのひし形を軸にビルドアップをしていく。ニューカッスルは5-4-1で引いて守るため、前からはめに来ることは多くなく、後方からセバージョスへのパスコースは容易に確保できた。また、最近ではジャカが高い位置に来る頻度も増えており、この試合ではさらに顕著だった。ジャカが高い位置にいる時はほかの誰かが3バックのどこかにおりている時か相手を押し込んでいる時のどちらかだ。前者は前の試合ならベジェリン右CB時、この試合ならセバージョスがCB間に降りた時だ。
このように、セバージョスが最終ラインまで降りてきて左右、特に右に斜めのパスを通していました。これが後方でのビルドアップ。そして、敵陣に侵入すると相手は5-4のブロックを築き守ろうとしてきます。そんな中アーセナルは押し込む際にはダブルボランチは横並びになり、そのサイドに両SBが上がってきます。
この時ジャカとセバージョスはそれぞれ素晴らしい左足と右足を持っており、押し込んだところからどう崩すかのところで一つ飛ばしのパスが活きてきました。特に、セバージョスがそれを狙っている印象が強かったです。
それから、セバージョスにはもう一つ重要なタスクがありました。それはエジルを探すことです。エジルはことボールの受け方においては天才的ですし、パスセンスも天下一品です。ですがそれゆえに、それに頼り過ぎるとエジルは降りてき過ぎてしまい、一番エジルが輝くバイタルエリアで力を発揮できなくなります。アルテタが監督になりビルドアップが整理されたことにより高い位置でボールを受けられるようになりました。しかし、試合を通じて基本は右のハーフスペースでのみの仕事になりがちなのと、ラカゼットが下りてきてポストプレーをしたりしてエジルが上手く前を向けるようになっていましたがそれだと今度は受け手が減ってしまいます。しかし、セバージョスがここに入ると後方からのビルドアップでしっかりエジルに届けるため、前線の人数は残せます。それにセバージョスは自分で持ち上がることもできますので、相手はエジルへのコースばかり気にしてはいられません。
セバージョスはトップ下に置くと受けたがって降りてくる場面が目立ちますが、その短所を上手く補いつつエジルも活かす見事な起用法だと言えます。しかし完全無欠な布陣かと言われたらそうではありません。セバージョスは献身的にプレスをかけられるため前からプレスをはめる際には一役買えるのですが、単純なボール奪取力などはトレイラには劣りますし、チームが押し込まれると厳しいです。ですので、押し込める相手ならセバージョスがファーストチョイスでもいいでしょうが、格上相手にはおそらくトレイラでしょう。
・前後半の違い
前半と後半では一見些細なことですがかなり重要な違いがあります。サカのポジショニングです。さらに正確に言うと、サカとオーバメヤンの位置関係です。オーバメヤンをサイドで起用するうえでサカの存在が重要なのは前回の記事で語ってるのでそちらを参照にしてください。
soccer-coffee20001113.hatenablog.com
ここからは前後半どう違うのかに触れていきます。
違う時間帯もありましたが概ねこのような立ち位置の時間帯が多かったです。前半でもチャンスのシーンでは後半と同じような立ち位置になっていました。前半の配置は何がまずいかといいますと、縦関係での連携も悪くはありませんが、結局それではオーバメヤンが仕掛け役をやることになってしまうことです。それが後半になると、サカとオーバメヤンの関係性は縦というより横になり、サカは縦や内側に仕掛け、オーバメヤンはエリア内に入っていくことができました。
・エジル復活の要因
バーンリー戦までの試合では基本右のハーフスペースやワイドレーンの低い位置(ブレイズ戦のみ左サイド)でWGやSBとトライアングルを作りながらゲームの組み立てにも注力していましたが、セバージョスが出場したことにより、ライン間での仕事に集中できるようになりました。それにより、今節ではキーパス4本に1ゴールとより得点に直結した働きができていました。セバージョスやエンケティアと言ったエジルとプレービジョンが共有できる選手が入った事もですが、エジル自身の変化ないしはアルテタからの指示によるエジルの動きの変化が大きいでしょう。
この試合でエジルはヒートマップで分かる通り攻撃時はライン間で縦横無尽に様々な場所に顔を出しています。また、自分でドリブルで運ぶシーンやターンでかわすシーンがかなり増えた印象でした。自分でも仕掛けると相手に印象付ければより長いパスは活きてきますからね。
また、同様にペペも今節では見違える姿を見せてくれました。守備にも献身的に走り、4点目のアシストをしたシーンのように的確な走り込みをしたりとアルテタが意識の改革をしたのでしょう。ここまで明らかに改善しているとなるとドバイでのキャンプは素晴らしいものだったのでしょう。
・課題
大勝劇なのは間違いありませんが課題もありました。アルミロン、マクシマンの両翼のドリブルからのロングカウンターには手を焼いていました。特にアーセナルの右サイド側つまりマクシマンには苦戦を強いられていました。対面したベジェリンは何度か縦に完璧に振り切られていました。あまり、ベジェリンを悪く言いたくありませんが、この出来だったらパレス戦でトレイラの協力があったとはいえ、ザハにほとんど仕事をさせなかったナイルズを見たかったです。ベジェリンは内外のオーバーラップとその走力は武器ですし、最近ではハーフスペースを駆け上がるシーンも多く精度が上がれば期待できます。
・おまけ(得点シーン解説)
ペペのクロスにオーバメヤンのヘッド。オーバメヤンは上手く相手に体を先にぶつけてからヘッドで決めました。
ショートコーナーの流れからサカが左サイドで受け、2人に囲まれるもなんと2人同時に置き去りにしてからペペへパス。これをペペが決め追加点。このドリブルはティアニーにもコラシナツにもないサカの武器です。
最終的に11人35本のパスをつないだ末のエジルのゴール。ドリブルで持ち上がりぺぺへのパスをした後エジルはよく走りこみました。また、ペペも相手がカットインからのシュートを想定していただろうとこで上手くラカゼットにパスを出しました。
ウィロックとぺぺのパス交換からぺぺがラカゼットのゴールをアシスト。この連携自然にやってますがウィロックのマーカーはどっちに行くか迷いますし良い連携でした。
以上今日の4ゴールの解説でした。アーセナル版ファンタスティック4のPOLA(それともNMAP?)そろい踏みは最高でしたね。
・最後に
シティのFFP違反による2年間CL出場停止は驚きでしたね。しかし、5位でもCL出れるなら一気に射程圏内になりますね。年明けてから常々今シーズン5位は気づいたら到達してるけど、4位になるとチェルシーの躓き方次第と思ってましたが、一気に希望が見えてきましたね。
ELのアーセナルの試合のマッチレビューはもちろんしますが、CLも1試合か2試合くらいやりたいなと思ってます。この記事を拡散してくれたらうれしいですし、感想はモチベーションに直結しますのでお待ちしてます。反論等も受けとめますのでお待ちしています。それではまた次回!
エジルに見惚れてグーナーになった人。18/19シーズンから戦術ブログを開設してリーグ戦全試合のマッチレビューを投稿している戦術系グーナーです。
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