【考察】ウーデゴール起用ポジション考察~エジルかカソルラか~
昨シーズン冬に半年のレンタルで背番号11を背負いアーセナルの後半戦の好調をスミスロウ、サカと共に支えたウーデゴールは夏に1度レアル・マドリーに帰還し、ジダンからアンチェロッティに代わったことで序列が変わり、ウーデゴールのマドリーでの未来も好転するかに思われ、6月時点画はアーセナル復帰は絶望的でした。
しかし、7月にアンチェロッティと話し合いが行われ、ウーデゴールのマドリーでの決意が揺らぎ、アーセナル復帰に一気に傾きました。
アーセナル移籍のウーデゴール、レアル・マドリーで成功つかむ決心を変えたのはアンチェロッティの言葉…西紙報道
そして、アーセナルは8月20日に移籍金3000万ポンド+ボーナスの完全移籍でウーデゴールを獲得することに成功しました。
そして、完全移籍での加入となった今夏からは背番号8を背負って本職のトップ下以外にも左IHなどでも起用されています。
ウーデゴールの起用ポジションの可能性には主に2パターンあり、トップ下or左ボランチ(IH)でこの2つの違いはプレーエリアにあります。
前者はライン間(DF-MF間)、後者はMFの手前が主なプレーエリアになるでしょう。
そして、2つのポジションでのプレーについて考察していきます。
もくじ
トップ下
攻撃面
昨シーズンの後半戦からそうですが、アーセナルでのウーデゴールは4-2-3-1のトップ下から右ハーフスペースを主戦場に左利きらしさ全開でゴールに向けた視野を確保しながらゲームメイクを得意としています。
一言で表すと、アルテタ期のエジルの役割です。
エジルとの相違点はカウンターを加速させる場面よりも落ち着いて周りの上りを待って使う場面が多い印象です。
また、昨シーズンと今シーズンの違いとして、昨シーズンは右ハーフスペースにとどまる場面が多かったですが、今シーズンは仕掛ける右WGの外を上がるランニングが増加した点が大きな成長です。
あれができると、相手が守備ブロックを組んでマークが明確になった際に、仕掛けるWGと外に流れるウーデゴールでかき回すことができるため、遅攻の際の選択肢が増えます。
守備面
ウーデゴールは守備においても特筆した能力を持っています。
CBからボランチへのコースを抑えた所からCBにプレッシャーをかけるのが今のアーセナルでのタスクですが、このCBにプレッシャーをかけるタイミング、スイッチの入れ方が素晴らしいです。
また、二度追い、三度追いができるというのも素晴らしい点です。
そして、そんなチームで先頭に立ってプレッシングをかけるウーデゴールだからこそ、周りを鼓舞した時の説得力も増しているというものです。
ボランチ(IH)
攻撃面
最終ラインと前線のリンクマンとしてのつなぎ役に加えて、自分で運んでMFのラインを越すこともウーデゴールならばできるでしょう。
イメージとしては何となくですが、コクランとダブルボランチを組むカソルラっぽさのあるイメージです。
また、ボール保持時2-3-5の形でも同じポジションにジャカが入る場合よりも高い位置で起点になることができるのもメリットに挙げられます。
例えば、今シーズンのバーンリー戦でアーセナルは4-3-3スタートでビルドアップ時はシティのような2-3-5になり、ウーデゴールは3の左でビルドアップに加わっていました。
ジャカが同じ役割をやる場合、ウーデゴールより下がり目の位置でどちらかというと3バックの左の立ち位置になり、それが昨シーズンから言われている「後ろが重い」という課題につながる懸念があります。
また、ウーデゴールがボランチの場合、ウーデゴールがボランチから前にスライドして、左WGのぺぺが外に張り、ティアニーが偽SBとして上がらない役割に入る可変も同時に用意できるのではないかという狙いもいあります。
それからトップ下のところで、カウンターの際に、トーンダウンして周りを待つことができると書きましたが、これはメリットとデメリットがあり、スミスロウもエジルと同じようにカウンターから運ぶときは一気に加速できるんですよ。
だからか、エジルとスミスロウはスプリントをかけるシルエットとかドリブルで一気に運ぶ時のシルエットが似てるんですよね。
一方、ウーデゴールは自分のドリブルはトーンダウンさせて周りを使うのが得意です。
そのため、カウンターの際は低い位置で起点になる側の選手だと考えています。
守備面
前プレスに連動したボランチの前へのスライドもチームとしてのプレッシングにおいて重要です。
そして、現状のアーセナルのボランチで、トーマスの相方にはこのタスクが任されます。
良い時のジャカはこのタスクをこなしてくれますが、ロコンガはこのスライドが緩くなるのが現状の課題です。
その一方、エルネニーは守備タスクはこなしてくれますが他の要素が物足りないため、レギュラーには物足りないです。
ナイルズは…いろいろとムラがありすぎます。
ウーデゴールならばこの守備をできるのではないかと考えています。
また、ウーデゴールの良さの1つである前プレスを活かすのならば、4-2-3-1ではなく、4-3-3でウーデゴールとスミスロウがIHコンビを組み、守備時はウーデゴールがIHから1列上がり守備時4-4-2に可変する形も可能でしょう。
おわりに
ちなみに、4-2-3-1ならトップ下か左ボランチで4-3-3なら右IHか左IHに置くことでどちらの役割も当てはめることができるので、本当に大事なのは初期配置のポジションよりもそこからどんな役割を与えられるかです。
やっぱり、トップ下で見たいって感じの人の方が多いんですかね。
たしかに、今のスミスロウ、ウーデゴール、サカの2列目を崩すのは惜しいですし、上手くいっているのなら買えない方がよいでしょう。
しかし、ジャカの穴をどうするかを考えた時に、ウーデゴールをボランチにスライドさせてぺぺを左WGで起用するのは結構理にかなっているかなと思い今回この記事を書きました。
後、前から言っているような気もしますが、私はウーデゴールにカソルラの影を重ねています。
スパスィーバ
エジルに見惚れてグーナーになった人。18/19シーズンから戦術ブログを開設してリーグ戦全試合のマッチレビューを投稿している戦術系グーナーです。