【マッチレビュー】アーセナル対レスター~機能したことしなかったこと~

2020年10月30日

 みなさんこんにちは。上位のライバルの多くが勝ち点を取りこぼしている状況で迎えた同じくCL圏を争うライバルであるレスターをエミレーツスタジアムに迎えての大一番です。

アンフィールドとエディハドスタジアムでの1戦を終えた状態で5節終了時点で3勝2敗、ライバルの多くが取りこぼしているハマーズ戦では勝ち切るなど上々の滑り出しを見せたアルテタアーセナルですが、上昇気流に乗りつつあるピッチ上とは裏腹にピッチ外では雑音がいささかうるさい状況です。

そんな状況を結果で黙らせるべくぜひとも勝ち点3を確保したいこの試合は果たしてどんな試合になるのでしょうか。

アーセナル0-1レスター

スタメン

 アーセナルはシティ戦からの変更点はウィリアンが負傷によりベンチ外、ペペはベンチスタートで代わりにラカゼットとトーマス・パーティがスタメンに入り、サカは1列上げてWGでの出場です。注目ポイントは何といってもトーマス・パーティが念願のプレミアリーグスタメンデビューでしょう。

対するレスターはヴィラ戦からの変更点はアジョセ・ペレスがベンチ外、イへアナチョがベンチスタートで代わりにフクスとバーンズがスタメン出場し、フォーメーションも4バックから3バックに変更してきました。負傷でここ数試合欠場続きだったアーセナルキラーのヴァーディはベンチスタートです。

前半-1 アーセナルの守備とレスターの崩し

 レスターは3-4-2-1のスタートですが、右シャドウのプラートは後方とのリンクマンとして中盤の低い位置まで下りていくため3-5-1-1の形でそこからバーンズもマディソンも高い位置で構えて待つタイプではないのでターゲット不在でビルドアップに苦戦、低い位置まで下りたプラートやティ―レマンスがボールを引き出したりサイドに流れた所からマディソンが仕掛けたりと散発的な攻撃に終始していました。

アーセナルの守備は両WGがCBからWBへのコースを抑えながら両サイドのCBを監視、ラカゼットは基本的にアンカーの位置にいたティーレマンスへのコースを抑えながら3バックのどこにでもプレスに行けるような感じでした。

少し高い位置にいた所から降りてくるプラートやメンディには対面のトーマスやセバージョスがついていく形をとっていました。

レスターはかなり後方に人数を割いていたことと、左CBにジャカが入ったことでアーセナルは後方の人数も担保されていることでCB陣は積極的にボールを奪いにいけている印象でした。

 また、仮に突破されてもサイドからの侵入に対してマガリャンイスが遊撃隊のようにサポートに行き、そこで攻撃をシャットアウトできるのは大きかったです。

前半-2 縦と対角線のパス

 まずはこの試合特に光っていたのは後方からの対角線のパスです。ビルドアップ時3バックの両端に入るルイスとジャカに加えて最終ライン中央のマガリャンイスとアンカーのトーマスからもロングレンジのパスがとにかくアーセナルの崩しにおいて大きな役割を担っていました。

そして、レスターは守備時は5-4-1前からプレスをかけるよりは後方で固めて守っていたためより一層後方の選手は自由に球出しができている印象でした。

前述の4人共素晴らしいパスを出しますし、ジャカが右足であれだけのフィードを蹴ったのは予想外でしたがそれ以上に大きな影響力を持っていたのはトーマスとダビド・ルイスから出される対角線のパスです。

それぞれベジェリンとティアニーに向けてパスを出し、パスを受けたWBが深くえぐってからのクロスは幾度となくチャンスを演出しました。

また、この対角線のパスが通りやすかった理由はレスターが前からの守備をしなかっただけではありません。

レスターは守備時5バックですので5レーンに人を置いただけではマンマークで対応可能ですのでここからさらに数的優位を作りだしたりマークにズレを作ったりする必要が出てきます。

そこでいい働きをしたのは両WGです。両WGがハーフスペースに侵入しWBをピン留めすることでその大外でパスを受ける両WBが良い形でボールを受けることができました。

 そして、対角線のパスと同じくらいチャンスの演出に役立っていたのは最終ラインから裏を狙う縦パスやライン間で受ける選手に入れる楔のパスです。

20分過ぎのシーンではジャカから斜めに流れて裏へ走るラカゼットへのスルーパスが通ったところからサカがラカゼットを追い越してパスを引き出してシュートまでつなげてました。

他のシーンではマガリャンイスからサカへの強烈な楔のパスをサカが上手くトラップしたシーンなどマガリャンイス、ジャカ、ダビド・ルイスそれぞれがチャンスを演出していました。

後半-1 アーセナルが後半沈黙した理由とは

 まず、ダビド・ルイスが後半開始早々に負傷交代したことや、後半途中にサカも負傷により後退を余儀なくされた(?)こともありますが、後半のアーセナルはそれだけでは片づけられない構造的な欠陥があったのも事実です。

 そもそも前半は曲がりなりにも機能していたのになぜ後半突如機能不全に陥ったかというと、1人前後半で明らかにタスクといる場所が変化した選手がいました、セバージョスです。

前半のセバージョスは珍しく空気だったのですが、セバージョスが高い位置にとどまることで左はサカ右はセバージョスが後ろからの楔のパスをハーフスペースで受けられる位置にいましたし、後ろも3バック化しててハーフスペースに楔を入れやすい配置になっていました。

 ですが、後半に入ってからアルテタの指示かセバージョス自身の判断か、右サイドの低い位置に降りてくるようになりました。

セバージョスが下りてくることによって前半の3バックはそれぞれ左にスライドして4バック化したことで様々な弊害が出てきました。

 1つ目は見ての通り4-1-5のような形になり中盤がスカスカになってしまいました。

これによって、高い位置で奪い返すのも困難になりますし、5バックに6人をぶつけていたため、大外でフリーになりやすかったですが後半は5対5でマンマーク気味に守ればいいので、思考が整理されたことも後半攻めあぐねた要因の1つだと思います。

2つ目は大外のレーンで縦に2人並んでしまっている点だ。

ただ、大外のレーンに並んでるのがいけないのではなく、例えばこの配置でセバージョスやジャカがボールを持つとします。

その時自分より前でショートパスをつなげるのは前方にいるそれぞれ右はペペ、左はティアニーですが、パスコースはその1本だけです。

また、仮にそこにパスを入れても相手からしたら5バックでマンマーク気味に待ち構えているところに飛び込む形になります。

先ほどアーセナルの守備のところで5バックだと後ろの人数がいるためガツガツ前に行きやすいと書きましたが今度は立場が逆転してその状況になるわけです。

その状況下で1人はがすのは困難ですし、そもそもサイドハーフのプレスバックも考慮したら1対2のような状況になります。

 仮にジャカとセバージョスが前に出せずCBに戻したとしてもこの構図だとサイドハーフがそのままジャカやセバージョスへのコースを切りながらCBにプレスをかけてきたらジリ貧です。

次は3つ目です。

 レスターは守備時は5-4-1のブロックを築いて守ります。

前半は3バックから楔のパスも出せていましたが後半はそれが見られなくなりました。

というのも後半は後ろが4枚になったことでレスターの中盤4枚にとっては自分がどこをケアすればいいかが明確になったことでパスコースをふさぐことが容易になりました。

2CBからジャカ、セバージョスにパスを出しても状況は同じで縦パスのコースは塞がれてるので戻すしかないような感じでした。

 また、後半は前半に比べてCB陣の持ち上がりも減少したように思います。

これは推測ですが後半は持ち上がりにより勇気が必要になってしまったのだと思います。

前半は3CBですので後ろに2人控えてますし、選手間の距離も近いのである程度のリカバリーは可能ですが、後半は2CBになった上にこのCB間の距離が開きすぎているため即座にリカバリーすることができないため、ロストした時のリスクは一気に高まります。

 引いた相手を崩すのにCBの持ち上がりは重要です。

なぜなら、CBが持ち上がるとどこかで相手は対処する必要があります。

そして、その対処のために前に出れば守備ブロックのどこかに歪みが生じ、その歪みでパスを受けて、その歪みに出てきた選手がいた所を次の選手が使ったりすることで連鎖的に守備ブロックを崩すことができるからです。

 それができなくなったこともアーセナルの後半の攻撃の停滞の1つの要因だと考えられます。

後半-2 真打登場

 ヴァーディ投入でレスターは3-5-1-1から3-4-2-1に変更しました。これでアーセナルの3バックに対して1トップ+2シャドウで3対3ですが、実際はそれ以上でした。

ヴァーディに対しては常に3バックのうち2人がついている状況で、さらにヴァーディがラインを徐々に押し下げている感じでした。

その後ろでバーンズとマディソンが自由を得ることに成功しました。前半、マディソンに対してはダビド・ルイスが強めに行っていましたが、前半はまずレスターの前線に人が少なかった上にターゲットマン不在なのも前に出てきやすい要因の一つでした。

ですが、ヴァーディ投入で5対5の構図になる上に最終ラインで駆け引きしているのがヴァーディとなればスペースは開けたくないでしょうね。

試合雑感

 さて、開始早々のゴールが解けされた判定に関しては誤審だと思います。ただ、この試合はそれだけを敗因には片づけられません。

手厳しい言い方をすると負けるべくして負けたとも言えます。もちろん、前半はチャンスを作れていました。

しかし決めきれませんでした。そうこうしているうちにアーセナルキラーのヴァーディが投入され、流れを引き寄せて結局は決勝点も決めて勝ち点3を掻っ攫っていきました。

勝敗とシュート数に何の関係もないなんてことはざらにあります。

そもそも、ヴァーディが途中から投入されるだろうというのは最初から分かっていたことでしょう。

 それから、ここまで基本的に上手く行っていたと評している前半についても1つ言うならば、崩しのほとんどが最終ラインからの対角線の長いパスや楔のパス1本で決定機まで言っている形で、ファイナルサードで初めて完結させるような攻撃が無かったことですね。

 そして、これが枯渇しているから「エジルが欲しい」という人がいるのです。

まとめ

前4枚での前プレスは継続

 どうやら、シティ戦に引き続き3トップにボランチの一角を加えた場絵プレスは継続路線。

チーム全体を押し上げ、前目にすることでセカンドボールを回収できていた印象。

後ろ4枚では機能不全に

4バックで組み立てた後半は明らかなまでの機能不全だった。アルテタなら次はやっらないだろう。

番外 セバージョスはどこに降りるべきだった?

 さて、ここでは「じゃあセバージョスはどこでプレーすればよかったのか」について考えていきます。

まずいえるのはこの試合のセバージョスが悪かった点は降りていく場所です。

もちろん、高い位置にとどまってくれる方がチームの構造上いいに決まってますが、それでも下りてきても機能する形が無いかと聞かれればあると思います。

 セバージョスは降りてくるなら最終ラインCBの横ではなく最終ラインの前、トーマスの横だと思います。

同じ後ろ5人でも4+1と3+2では大違いです。まず決定的な違いは4+1では1人から1本しか引けなかったパスコースが3+2では2本ずつ引けるため、ボールを持った際相手DFは常に選択を迫られることになります。

例えば上の図でムスタフィがボールを持ったとしますその時、メンディはセバージョスにつくかオーバメヤンへのコースを切るのかの選択を迫られることになります。

メンディがセバージョスを抑えに出てくればオーバメヤンに楔のパスが直接入りますし、オーバメヤンへのコースを警戒すればセバージョスは前を向いてボールを持てるようになります。

このように常に相手に2者択一以上を迫るためにも2本のパスコースを用意することは大事ですし、そのためにはビルドアップ時3バックは崩さないようにするべきだと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

スパスィーバ

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