【マッチレビュー】アーセナル対アストン・ヴィラ~良くも悪くもガナーズ~
みなさんおはこんばんおはこんばん。さて、実は毎回この冒頭のあいさつ何かくか思いつかないのでもういっそいきなり本編でいいのではとか思いながら書いています(笑)ということで早速見ていきましょう
アーセナル0-1アストン・ヴィラ(H)
【得点者】27’トレゼゲ(AVL)
・スタメン
アーセナルは直近のFA杯準決勝から6人を入れ替えてきました。ムスタフィが負傷したこともありホールディングの起用は事前に予想できていました。他のところも過密日程の疲労を考慮したターンオーバーでしょう。ただ、エンケティアの右WG起用はサプライズと言えるものでした。
・前半-1 アーセナルの左右非対称の配置
さて、アーセナルのボール保持時の配置を見ていきましょう。
まず、左ストッパーがボール保持時は左SBになる形はこれまで同様ですが、この試合ではセバージョスがコラシナツとルイスの間に降りてきて、最近は目にする機会の減っていたビルドアップ時左CB化をセバージョスがやっていました。おそらく守備時4-4-2になるアストン・ヴィラに対してビルドアップの第一段階で数的優位を確保するのが狙いでしょう。でうが、コラシナツの外へのスライドが遅い場面も多くセバージョスが結構指示を飛ばしていましたし、コラシナツのポジショニングも決して良くはなかったのでうまくいったとは言い難い形でした。それに加えてセバージョスがジャカほどの精度のある長いレンジのパスを持ち合わせていなかったことも100%機能したとは言えない理由でしょう。
サイドに目を向けてみると大外で幅を取るのは左ではサカがいてその後ろにコラシナツもいるのに対して右サイドではセドリック1人で幅を取る形になっていました。ですが、この日はとことんルイスのロングフィードが冴えていたのでそこからチャンスになっていました。大外のセドリックはブロックの外で受けられましたが、シンプルにクロスを入れるシーンがほとんどでここでサカのように1枚はがしてクロスといった動きができれば面白かったでしょうがさすがにそれを求めるのは酷というものでしょう。
11分にセドリックにトレイラからのパスが入ったところからの流れは左右の差がわかりやすく出ていたと思います。セドリックは相手の守備ブロックの外で受けますが、中には入れられずトレイラに戻します。そのあと逆サイドにボールが渡り、コラシナツがパスを受けた所でトレゼゲが動き、空いたスペースでサカがパスを受けてドリブルを開始し、ブロックの内部からクロスを上げました。最終的にエンケティアはこのクロスをきれいにシュートまで持ち込むことはできませんでしたが、クロスを受ける前のエリア内への入って行き方はかなり良かったと思います。
ちなみにこのシーンでもセバージョスがコラシナツにサイドで高い位置取るように指示してる様子でした。
・前半-2 アストン・ヴィラのビルドアップとアーセナルの守り方
アストン・ヴィラの2CBの監視はこの日もアーセナルはWGが担い、ラカゼットは少し下がった位置でアンカーを抑えていました。そこからさらに、降りてくる選手にはボランチがついていく形を採用しました。ヴィラは右はインサイドハーフのマクギーンが下りていくのですが、左ではフリハンはあまり下りてこず、代わりにWGのグリーリッシュがパスを引き出しに来ていました。トレイラもここはマンマーク気味について行ってましたが、時折エンケティアの横付近まで下りていく動きを見せるグリーリッシュに対してそこではマークを離さざるを得ず、そこでパスを受けて前を向くシーンがいくつかありました。
とはいえそれは仕方ないのかもしれません。仮に、降りていくグリーリッシュにどこまでもついて行ったとしましょう。そうすると、最初にトレイラのいた所ににぽっかりスペースができてしまいます。ある程度までは中央へのコースを封鎖することも兼ねながらグリーリッシュを見れますが度を超すとそこにスペースができてしまいます。WGはSBへのコースを消しながらのCBの監視ですので中のコースとSBへのコースを同時に完全封鎖するというのは難しいと思います。
それなら、ある程度で放して中央のコースを封鎖した状態でグリーリッシュとトレイラが対峙する方がいいでしょう。
アストン・ヴィラの先制点に関してですが、あのトレゼゲのダイレクトボレーは距離、角度的にもいくらエミマルティネスでもノーチャンスでした。Ckをける際にチームとしてニアに流れる動きを見せてそこにアーセナルがつられてきれいにフリーになっていました。これはしてやられたといったところでしょうか。
・後半 持たされたアーセナル
後半のアーセナルはボールを持たされてるという印象が強かったです。後半に限れば73%のボール保持率を記録しましたが、シュート数はヴィラと同じ4本で枠内シュートはアーセナルは0本(試合通じて0本)でした。完全にボールを 持たされた状態でした。さて、何が理由なのか、また、輝けなかった選手とはまらなかったアルテタの交代策に関して見ていきましょう。
ラカゼットが収めて展開した54分のチャンスのシーンです。オーバメヤンからの横パスを収めて外を駆け上がるエンケティアに展開、エンケティアが持ち上がりオーバメヤンにパスをし、オーバメヤンがシュートをした場面でした。アストン・ヴィラとしてはエンケティアのパスに少し触れてそらしたミングスと懸命にブロックをしたコンサの踏ん張りがあってこそ失点せずに乗り切れたシーンではありました。
ラカゼットは縦パスを収める時の屈強なCB人との競り合いの強さもですが FA杯シティ戦での先制点のシーンや今回のシーンのように横パスをワンタッチで落としてマークを外して一気に展開するのもうまいですよね。
さて、このシーンではアシスト未遂で、他にもCKで惜しいシーンもありましたが、90分通じて見たときこの日のエンケティアの出来には首をかしげざるを得ません。ただ、もう少し配置をいじったりすれば輝けたとも思います。
エンケティアがこの試合輝くために必要だったのはラカゼットとの位置関係とラカゼットの立ち位置です。
まず前者から。エンケティアはこの日右WGのポジションに入り、ラカゼットとの位置関係は横かせいぜい斜めでした。ですが、ここで縦関係になれれば違う結果になったのかなと思います。ラカゼットがライン間に降りてボールを受けたら中央のレーンにスペースが生まれます。そこに斜めに走りこめればサイドに振ったとこからのクロスやラカゼットがもし前を向いた際に出されるであろうパスに反応しやすくなりますし、よりエリア内で仕事がしやすくなると思います。
前述の通り4-4-2で中央を固めたアストン・ヴィラに対してアーセナルは大外ではボールを持てるが外から放り込むだけで攻撃が単調になっていました。というのも最終ラインで駆け引きをする選手はいてもライン間に受ける選手がいないため崩しの選択肢が外からのクロスのみになってしまいました。
ライン間で受ける選手がいれば相手は選択肢を最終ライン以外の選択肢をブロック内部に考慮する必要が出てくるためどこかにズレが生じてくるでしょう。実際最近のアーセナルの攻撃でうまくいっている時というのはラカゼットがライン間でボールを受けて展開している時ですので、本人には不本意かもしれませんがライン間で受けて展開する10番の役割を明確化すればほかの選手、今日ならオーバメヤンとエンケティアも動きやすいはずです。
エディに関してはこのリプ欄でも語っているのでそちらもどうぞ。
・あとがき
さて、結果に関して言うならば、もうFA杯で優勝するしか欧州への道はなくなったわけですが、FA杯さえ獲れば文句なしなわけですので、より内容に言及してみました。さてい、いかがだったでしょうか?今日物足りなかった勝ちに行くための交代カードの切り方はアルテタの伸びしろと考えればこれからの期待が増えますし、無限の可能性というやつです。後、願わくば、最終節ワトフォード戦は正直消化試合に近いものですのでエジルを最後に90分間見たいそれが切実な願いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
エジルに見惚れてグーナーになった人。18/19シーズンから戦術ブログを開設してリーグ戦全試合のマッチレビューを投稿している戦術系グーナーです。
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