【マッチレビュー】FA杯3回戦オックスフォード・ユナイテッド対アーセナル「主力の偉大さ」

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オックスフォード・0-3アーセナル

両チームのスタメン

両チームのスタメン+控え選手

アーセナルは前線の3人と左CBのガブリエウ以外の8人の選手を直近のニューカッスル戦から入れ替えるローテーションを行った。

ホームで迎え撃つ3部のオックスフォード両WGのみを直近のリーグ戦から入れ替えてきている

この試合に右WGでスタメン起用されたジョシュ・マーフィーはニューカッスルのジェイコブ・マーフィーと双子らしい。

60分までの膠着

60分までの配置

オックスフォードは3部で現在24チーム中15位だが、この試合ではプレミアリーグ首位のアーセナルに対してべた引きからの1発を狙うのではなくある程度高いライン設定で正面から挑んできた。

アーセナルのビルドアップ時の立ち位置のベースはいつも通りだが、選手が変わったことで質の低下が露呈した印象だ。

ビエイラあまりパスを引き出すために下りてこないことで右からの前進の選択肢がサカに頼り切りになるしかなく、左はこの試合IHで起用されたロコンガいいタイミングで降りてきて縦パスを引き出すことで前半からうまくボールに絡めていた。

また、右の前進が苦戦傾向に見えたのは左のガブリエウがしっかりとキャリーしてから縦パスを出せるのに対してホールディング相手を見ながらキャリーして縦パスを出すのが苦手で縦パスを出しても受け手の難易度が高い状況になっていることが多かった。

そして、チーム全体としてパスがズレる回数がいつもより格段に多いことでフィニッシュにたどり着く回数そのものが減少していたことが前半の停滞の理由だろう。

昨シーズンの代表ウィーク明けで敗戦を喫したクリスタル・パレス戦でもそうだったがいくら配置が整っていてもパスがズレて繋がらなければフィニッシュにたどり着けるわけもなかったのだ。

また、左サイドでも右サイドでもサイドのトライアングルの距離がレギュラー組よりも間延びして循環がほとんど見られなかったことでサイドからの攻撃が質的優位は保っているものの単調になっていた。

サンビ・ロコンガの成長と課題

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60分までの間本来のプレーを100%披露できた選手が多くない中でロコンガはアーセナル加入以降、最も成長を見せた試合といっても過言では無い

独力で前を向くことが苦手なロコンガがIHで起用されてレイオフから前向きで受け手の展開力を活かせるのはすでにできていたが、CBからのパスをボランチの後ろから降りてきて引き出して前向きの選手に預けられるようになったのは大きい。

そして、後半に入ると裏へのいい動き出しも披露しチャンスに絡めそうな雰囲気が出ていた。

あと、線の細さも以前より解消してきて競り合いもできるようになったことでプレミアで戦うためのスタートラインのスタートラインにようやく立てた印象だ。

しかし、守備の切り替えや強度、スプリントするべき場面(攻守ともに)でジョグしているといった課題も顕在でこちらを改善しなければプレータイムを伸ばすのは苦労するだろう。

特に、交代で入ったジャカの強度の高い守備が2点を生み出す起点になったのだからなおさらだ。

60分以降の得点ラッシュ

61分にティアニーとロコンガを下げてジンチェンコとジャカを投入

降りていくロコンガに対してのプレッシャーが緩かったのと同様に内側に絞ってパスを引き出すジンチェンコに対してもオックスフォードの守備はプレッシャーが緩くピッチに入ってすぐジンチェンコを起点にした前進の機会が増加した。

そして、ジャカのネガトラの強度の高い守備から高い位置でボールを奪い返すとマルティネッリがFKを獲得し、そのFKをビエイラが蹴りエルネニーが頭で合わせて先制に成功した。

2点目もビエイラが前からのプレスでコースを制限してからのジャカのインターセプトで最後はビエイラのスルーパスに抜け出したエンケティアがGKもかわして無人のゴールに流し込み追加点。

3点目はクリアボールをマルティネッリが落としてエンケティアが繋いだところから再びマルティネッリが受けてドリブルで運び最後はマルティネッリからのパスを受けたエンケティアが落ち着いてゴールに流し込み3対0として試合を決定づけた。

アーセナルの選手の立ち位置は前後半で大きく変わったわけでは無いが、ジャカとジンチェンコが入った後半は強度が上がり、なおかつ選手の距離感がよくなったことで得点量産につながった。

おわりに

75分に負傷交代のサカに代わってピッチに立ち4か月ぶりの復帰を飾ったスミスロウは3点目のシーンや、それ以外の場面でもオフザボールでの動きの良さを見せた他、ボランチの後ろから顔を出してレイオフでビルドアップに絡む形にも参加し、IH適性も見せつつ15分程度のプレータイムを終えた。

ベストコンディションというわけでは無いがフィットネスは間違いなく上向いているため、後半戦は貴重な戦力になってくれるだろう。

FA杯4回戦の相手はシティに決まっており、ここからの日程はリーグ戦2試合をスパーズ、ユナイテッドと戦った後にFA杯4回戦でシティと相まみえることになった。

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