【マッチレビュー】ニューカッスル対アーセナル~CBの運びって大事~
EL準決勝1st legは敗れたとはいえ、アウェイで1-2と2nd legに望みをつなぐ形で終えました。
2nd legに弾みをつけるためにもアーセナルはこの試合でニューカッスルにターンオーバーのメンバーで勝つという任務を遂行する必要があります。
一方のニューカッスルは一時期は降格圏のフラムの手が背中に届きそうなところまで来ましたが、直近5試合は同じボトムハーフのブライトンに完敗しますが、その後は2勝2分でしぶとく勝ち点を拾いフラムとの勝ち点差を9とし、比較的安全圏まで退避してきています。
そんな両チームのプレミアリーグ第34節ニューカッスル対アーセナルのマッチレビューです。
ニューカッスル0-2アーセナル
もくじ
両チームのスタメン
リヴァプール戦からは1人のスタメン変更をしてきました。
2月の負傷離脱まではチームをけん引する活躍を見せるも負傷離脱からの復帰後の3試合は途中出場にとどまっていたチーム内得点王のカラム・ウィルソンがここにきてスタメン復帰を果たしています。
ちなみに、冬にアーセナルからのローンで加入し、途中出場からの試合終盤のゴールでチームを残留安全圏まで引き戻した立役者であるジョー・ウィロックはローン規定によりこの試合は出場できません。
アーセナルはビジャレアル戦からは7人のスタメン変更を行いました。
大幅なローテーションは予想されていましたが、レノまで休ませること、逆にジャカは休ませないことは予想外でした。
そして、ダビド・ルイスが復帰できたことはマガリャンイスにとってもプラスに働くことでしょう。
2トップの脇のスペースの有効活用
ニューカッスルの守備は5-2-1-2のような形で2トップとトップ下の位置に入るアルミロンが前に出てくる形でスタートしますが、自陣への侵入を許すあたりから撤退守備に切り替えて5-3-2にシフトする形になっていました。
前プレスに奔走し、ダメだと分かれば即座に3センターでの守備に切り替えるアルミロンのタスクも運動量も多い守備でした。
2トップのプレスが緩いこともありこの試合のアーセナルは2トップの脇のスペースを活用し、そこからチャンスを作っていました。
2トップの脇を使うのは右はダビド・ルイス、左はジャカで、ルイスは低い位置で受けてから出し先を探りながらドリブルで持ち上がっていくのに対して、ジャカはパスを受ける時点で比較的高い位置にいたのは特徴的です。
この試合のジャカは長いパスより短いパスを用いていましたが、ロングパスで縦と斜めを振り分けていたこの試合のルイスはさすがの一言です。
1点目の起点のベジェリンの裏抜けへのパスや大外からの突破が効いてたマルティネッリに1発で届けるサイドチェンジはアーセナルが攻撃のリズムを作る上で欠かせないものになっていました。
右サイドからの崩し
この試合の右サイドからの崩しは試合前に予想していたほどひどいものではありませんでした。
ウィリアンは基本的に足元で受けてからアクションを起こすタイプの選手で、今季の前半戦はみんながみんなそうなったが故にチーム全体が停滞し、期待感のないボール保持に陥っていましたが、この試合ではそこはベジェリンが頑張ってくれていた印象です。
ウィリアンがパスを受けるのは大外で、その時にベジェリンがニアゾーンランでDFの裏を取り、パスを引き出したり、ウィリアンの外側を上がっていくシーンもありました。
どちらも、ウィリアンからのパスを引き出せればそこからチャンスにつながりますし、ベジェリンにパスが来ない場合でも、ベジェリンが走ることでニューカッスルの選手がマークについていき、ウィリアンがドリブルで運ぶコースが生まれたため、予想していたよりも右サイドの崩しに停滞感を感じませんでした。
また、ベジェリンの裏を狙う動きは、ダビド・ルイスからの高精度なロングボールがあったため、有効活用できたという側面もあると思います。
まとめ
エルネニーの見事なミドルとオーバメヤンのジャンピングボレーで2点を奪い、守備では感性だけでサッカーしてそうなサン=マクシマンに良いようにドリブルをされた面はありましたが、無事にクリーンシートを達成できたというのはミッドウィークに向けて弾みがつく内容でした。
しかし、ダビド・ルイスの負傷が痛いです。
今シーズン中の復帰をアーセナルは望んでいるとのことですが、ビジャレアル戦の復帰は不可能とみていいでしょう。
復帰していきなり好調をアピールしてくれていただけに残念ですし、できることなら契約延長して来季も残ってほしいですね。
しかし、スクランブルで出場したチェンバースは悪くない働きをしてくれました。
ビジャレアル戦2nd legに向けて
ベストメンバーを組むのは前提として、読めないのはトーマスの相方と右SBの人選です。
最近の流れのまま重要度の高い試合ではチェンバースを起用するのか、最近出場のないセドリックなのか。
個人的にはセドリックを起用してほしいところです。
クロスの精度や空中戦ではチェンバースが上ですが、チェンバースを見てていつも気になる非保持時のポジショニングに関してはセドリックの方が上です。
次に、トーマスの相方はエルネニーになるのかジャカになるのかです。
このままいけばジャカ左SBのトーマスとエルネニーのダブルボランチですが、点数が必要な試合でエルネニーは正直見たくありません。
ジャカをボランチに入れて左SBにセドリックで右SBにチェンバースという可能性もあります。
前線に関しては2列目は好調を維持しているこの3人で1トップにオーバメヤンを起用してくるのが妥当でしょう。
それでは、逆転でのファイナル進出を期待して応援しましょう!
スパスィーバ
エジルに見惚れてグーナーになった人。18/19シーズンから戦術ブログを開設してリーグ戦全試合のマッチレビューを投稿している戦術系グーナーです。