【マッチレビュー】FA杯4回戦マンチェスター・シティ対アーセナル「意味のある敗北」

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マンチェスター・シティ1-0アーセナル

両チームのスタメン

両チームのスタメン+控え選手

シティは先週行われた21節のウルヴス戦を3-0で勝利したメンバーから1人を変更

GKがエデルソンではなく2ndGKのオルテガに代わり、フィールドプレイヤーはスタメン変更なしとなっている。

アーセナルは先週行われた21節のユナイテッド戦を3-2の劇的な逆転勝利を飾ったメンバーから6人を変更した。

GKのターナーに加えて冨安、ホールディング、ティアニー、ビエイラが久しぶりのスタメン、トロサールはアーセナル加入後初スタメンとなり、控えのいるポジションのほとんどでローテーションを行った形だ。

試合の入り

前半のかみ合わせ

アーセナルは序盤からシティのボール保持にプレッシャーをかける。

シティはここ最近の試合と同様に右SBのリコ・ルイスがロドリの脇に絞る3-2-5がベースだ。

デブライネが降りてくるシーンではしっかりとトロサールの外にポジションを取りつつ、低い位置で少し内に絞っているのでマフレズが前向きに受けるためのパスコースも確保し、さすがのサッカーIQを披露している。

シティの3-2のビルドアップに対してアーセナルも3トップ+2IHの3-2で捕まえに行くが、サカ、ビエイラ、エンケティアはそれぞれマンマーク色が強いが、トロサールとジャカのタスクは少し複雑でボールが左サイドから中央にある時トロサールがストーンズにプレッシャーをかけてそれに合わせてジャカがリコ・ルイスにスライドし、ボールが右サイドにある時トロサールが内に絞りリコ・ルイスを監視できる位置に立ってジャカが少し下がっていた。

ここでしっかりと声を掛け合いマークの受け渡しのミスが無かったのはトロサールのサッカーIQの高さゆえだろう。

後ろの選手がかなり抑えられている状況でシティの前進オルテガからのロングフィードをハーランドに当てる形が目立った。

マッチアップするホールディングは単純な競り合いでは負けてはいなかったもののスピード勝負の場面になるとかなり分が悪くなり、あわやの場面もあった。

両チームこの試合がFA杯で、なおかつリーグ戦1位と2位でこの後直接対決を控えているということで消耗を抑えての内を隠しながらの戦いとなった。

シティもアーセナルもプレッシングや切り替えの強度を抑えての試合になり、前半は何度かあった決定機を除けば落ち着いた試合展開であった。

リーグ戦ならコースを潰したうえで高い位置で奪い返しにかかるアーセナルのネガトラも今日はパスコースを消して被カウンターのリスクを消すところまではやるがそこから執拗に奪い返しに行くというほどではなかったし、両SBは元からオーバーラップをする時と後ろで戻しのパスコースを作りつつ被カウンターに備える時があるがオーバーラップはほとんどなく両WGが1対2のままのことが多かった。

その中でもトロサールは何度もチャンスを作っていた。

後半の流れ

前半にイエローを貰ったホールディングを下げてサリバを投入、本来サリバは起用予定はなかっただろうが期せずしてハーランドに対してどれだけやれるか試す機会がやってきた。

また、肋骨に違和感を感じたトーマスがHTで退き代わりにロコンガが投入された。

後半序盤の配置

後半投入すぐはロコンガがプレスの狙いどころに設定されて危険なロストが何度かあり、その後もCBからのパスコースを作り直す動きが遅くCBからのパスコースが前半よりも1つ少なく、シティのプレスがはまりやすい時間帯が続いた。

また、ロコンガがシティの守備時4-4-2の2トップの視野の中ですぐ寄せられる位置でパスを引き出してはプレスを受けて危うくなる場面も多かった。

ジンチェンコ投入後

ジンチェンコ投入後ジンチェンコが内側でCBからのパスを引き出す逃げ道になりつつ、シティのプレッシャーを引き付けられるようになり、ロコンガがプレッシャーから解放されて良く見えることが増えてきた。

ジンチェンコがジャカ、マルティネッリとの連携での崩しを担い、ロコンガが低い位置からの出し手に専念することで前向きにボールを持った時のキックのレンジの広さとキック精度を活かせるようになり、弱点になるポジショニングと動き直しの遅さが露呈しにくくなった。

ロコンガは守備面での問題も顕在で失点シーンはアルバレスのあわやスーパーゴールのミドルがポストに当たってそのこぼれ球をグリーリッシュが回収、冨安とサカを引き付けてからのアケのゴールだったが、アルバレスがロコンガの死角からゆったりと現れてパスを引き出してシュートまで持ち込んだが、ロコンガがスライドできなかったところが起点になっている。

また、試合終了間際にも守備のスライドで連動できていないシーンがあったように、ポジショニング同様に加入後ずっと解決されない課題だ。

後半はサリバとガブリエウのコンビでハーランドの対応に当たったが、1人がしっかりとついてもう1人がカバーに回れば傷口は最小限に抑えられそうに見えた事はこの試合の大きな収穫だ。

おわりに

結果こそ敗戦だったが、内容に収穫もあり、主力も休ませられたことで得られたものも大きいだろう。

その一方でトーマスの負傷が気がかりだ。

エルネニーが今季絶望との報道があり、それと同時にカイセド獲得のうわさが出ている。

カイセドが加入すればこれ以上のことは無いが、トーマスの存在は優勝争いに向けて欠かせないので軽傷であることを祈るばかりだ。

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