【マッチレビュー】ボーンマス対アーセナル「狙いを持った配置」
ボーンマス0-4アーセナル
もくじ
両チームのスタメン
ジェズスWG起用の狙い
トロサールとマルティネッリの負傷離脱というアクシデントが発端だが、ネルソンがスカッドにもいるにも関わらず、前節のノースロンドン・ダービーから継続してエンケティアCF、ジェズス左WGを継続した。
その狙いが見事にはまったのが先制ゴールのシーンだ。
サカが押し下げてウーデゴールに戻すとエンケティアはウーデゴールから足元で貰う動き、ハヴァ―ツはCBのサバルニーとSBのアーロンズの間に走り込む動きでボーンマスDFラインを引き付け、手薄になった大外でジェズスがクロスに飛び込んで頭で狙ったシュートはポストに阻まれたが、そのこぼれ球にサカが詰めて先制に成功。
ノースロンドン・ダービーでもサカのクロスに大外でフリーになったジェズスが合わせるシーンがあったようにこの形を狙っての起用だろう。
DF側は基本的にゴールに近いところから抑えるのがセオリ―なので、そこに高さのあるハヴァ―ツとクロスを受ける時のDFの背後に回る動きとエリア内でCB背負って受けたところからの反転が上手いエンケティアが相手を引き付けてDFの背後に飛び込むのが上手いジェズスが大外から走り込む形はジェズスの得点数もCFで起用されるより増える可能性すら感じる。
GKを組み込んだ最終ラインのメリット
GKのCB化、ラヤがGKに抜擢されてから多く見られる光景だが、このボーンマス戦でも多く見られた。
ボーンマスが3トップでハメてくるのに対してアーセナルの可変3バックに+1できるラヤの存在は確かに大きい。
しかし、それ以上にラヤのCB化のメリットはラヤが4人目に収まることでライスとジンチェンコが降りるスペースを埋めることでこの2人が相手のFWのプレスの斜め後ろに立てるようになりスムーズなビルドアップができる回数が増えた。
結果、ライスとジンチェンコが相手のFW-MF間を楽にキャリーできたように見える。
この配置の1つ気になる点はガブリエウがこの配置になる時にサイドで開きすぎている点だ。
この試合ではそこで受けたとこからキャリーして前線に繋げていたが、前からプレスをハメてくるチームが相手だとここが狙いどころになる恐れがある。
ただ、昨シーズンもガブリエウはジンチェンコが内側に絞った時の立ち位置が中央に寄りすぎてマルティネッリへのパスコースが確保できない問題があったが少ししたら修正できたようにこの問題もアルテタが気付くか本人が気づくかいずれにせよ修正可能だろう。
おわりに
ラヤのCB化のシーン以外でもライスのポジショニングは良くなってて今日はソランケの斜め後ろに立てている頻度も増えていた。
ハヴァ―ツはプレー自体は元から良かったがPKで今シーズン初ゴールを記録して以降どこか余裕が生まれたように見える。
スミスロウは数字にこそつながらなかったがカラバオ杯に引き続き好パフォーマンスを持続し復活を予感させ、冨安、ジョルジーニョ投入後のビルドアップの安定感は群を抜いていた。
試合も圧勝、他にもポジティブな要素が多いゲームとなった。
唯一の懸念材料はサカの負傷交代だ。
代表ウィークにアキレス腱の問題を抱え、その後も出場を続けているが出場した直近の2試合はどちらも負傷交代と心配になる交代が続いている。
ミッドウィークのCLグループステージ第2節RCランス戦を挟みシティとのリーグ戦を迎える。
PSV戦は久しぶりのCLということでほぼフルメンバーで挑んだがランス戦はその後にシティ戦が控えていることを考えたらある程度のターンオーバーはしたいところだ。
エジルに見惚れてグーナーになった人。18/19シーズンから戦術ブログを開設してリーグ戦全試合のマッチレビューを投稿している戦術系グーナーです。