【マッチレビュー】アーセナル対ウルヴァーハンプトン「Thank you GRANIT XHAKA」
アーセナル5-0ウルヴァーハンプトン
もくじ
両チームのスタメン
ホーム、アーセナルは前節ノッティンガムに1-0で敗れたところからスタメン変更0人、キヴィオルとトーマスのSBも継続してきた。
そして、この試合がジャカに取ってアーセナルラストゲームとなるだろう。
アウェイ、ウルブスは前節エヴァートンに1-1で引き分けたところからスタメン6人を入れ替えてきた。
トーマス偽SBのもたらすメリット
前節のノッティンガム戦に続いてキヴィオルとトーマスのSBを継続してきた。
ビルドアップ時のトーマス偽SBでジョルジーニョの脇に入る3-2-5にも再びトライしている。
ノッティンガム戦との大きな違いはトーマス、ジョルジーニョがウルブスの中盤のラインの近くでプレーし、ウルブスの両IHを釣り出すことに成功したという点だ。
IHが釣り出されると、その背後にウーデゴールとジャカがライン間でパスを受けるスペースが生まれるが、中央のスペースは塞ぎたいウルブスはファン・ヒチャンはしっかりとそのスペースをケアするために内に絞る。
結果、そのさらに大外ががら空きになり、そこを活用したのがアーセナルの1点目と2点目だ。
1点目はトーマスがジョアン・ゴメスを釣り出し、ファン・ヒチャンが中に絞った外にパスを出し、サカと入れ替わり大外に流れていたジェズスが時間とスペースを提供された状態でウルブスの左SBのブエノとの1対1に挑み、かわし切らないまま押し下げてマイナス気味のクロスを入れてジャカが頭で合わせた。
2点目はジョルジーニョがウルブスのWGのファン・ヒチャンを食いつかせ、この時左IHのジョアン・ゴメスはウーデゴールに引っ張られて中央にピン留めされ、1点目の再現のようにジョルジーニョからサカへのパスが通るとサカがブエノをかわしたところからウーデゴールのニアゾーンラン、ヒールパスから相手のミスもありジャカの足元にボールが転がり込み、これを冷静に流し込んでジャカはアーセナルに来て初めて1試合2ゴールを記録することになった。
3-2-5ビルドアップの2の選手はいかに相手の中盤のラインを釣り出してライン間、大外で待つ選手にスペースと時間を提供できるかが重要になってくるが、ノッティンガム戦では位置取りが低かったことやライン間で待っててほしい選手まで下りてきてしまったことで機能していなかったが、このウルブス戦ではジョルジーニョとトーマスがしっかりとタスクを遂行してみせた。
Thank you Granit Xhaka
今日のジャカはアーセナル加入後初の1試合2ゴールとなったが、ゴールの内容が今シーズンのジャカを象徴するような素晴らしいものだった。
そして、それ以外のプレーでもビルドアップ時必要に応じてジョルジーニョの隣に顔を出してレイオフで落とす形、守備でも前からのプレスの時にウルブスの中盤の選手が浮かないように連動して潰しに行き、いつものようにアルテタから任されたタスクを全うした。
かつては左落ちで前を向いてボールを持てる立ち位置にいることが必須だったり周りのサポートの上で良さが出せる選手だったが、今ではジンチェンコの立ち位置に合わせて低い位置で内外使い分けて顔を出し、左からの崩しの局面ではニアゾーンランでマルティネッリをサポートし、右サイドからの崩しの局面ではマイナスのスペースで受け手になれる、周りの良さを引き出しながら自分も輝ける選手へと成長を遂げた。
今シーズンのジンチェンコの活躍もマルティネッリの活躍もジャカがいなければ為しえなかっただろう。
おわりに
これにて22/23シーズンは幕を閉じる。
シーズン開幕前の見立て以上の成績を残したのは間違いない。
その一方で課題も明確になった。
そして、チームのピッチ上、ピッチ外でのリーダーのジャカがアーセナルを去ることになるだろう。
この穴をいかに埋めて、さらに上積みを作れるかは今夏の補強とアルテタの選手起用の柔軟性にかかってくる。
来シーズンは7季ぶりのCLに復帰となり、プレミアとCLの二足の草鞋になり、よりハードな戦いになると思うが頑張ってほしい。
エジルに見惚れてグーナーになった人。18/19シーズンから戦術ブログを開設してリーグ戦全試合のマッチレビューを投稿している戦術系グーナーです。