【マッチレビュー】エヴァートン対アーセナル「斜め後ろに立つ重要性」
エヴァートン0-1アーセナル
もくじ
両チームのスタメン
上手く行った時間の共通点
代表ウィーク明けもライスのアンカーを継続することを選んだアルテタ。
しかし、アルテタもライスのポジショニングの問題には気づいている様子で前後半それぞれの序盤は比較的ポジショニングの我慢が効いていたのはアルテタからの指示があったからだろう。
特に、後半の序盤はチームとしての攻撃がスムーズで、この時間帯はライスとジンチェンコがベトの斜め後ろに立てていたことで、エヴァートンの守備陣形がライスとジンチェンコを起点にされることを嫌って中央に寄る分ガブリエウからヴィエイラ、トロサールへのパスが通りやすくなっていた印象だ。
一方でジンチェンコ、ライス共に低い位置に降り過ぎて最終ラインに吸収される時間帯もあった。
この試合でも何度かあった流れの中でホワイトがSBとして高い位置に上がり、サカが内に入るようなシーンではライスの列落ちはむしろ推奨される。
昨シーズンジョルジーニョが加入してすぐに披露した形だ。
この形なら、ライスがサリバとホワイトの間に入ることで2人のパスコースをつなげる役割を果たせる。
しかし、ホワイトが右インサイドバックとして低い位置に残っている状態でライスがここに降りると後ろが重くなりFW-MF間に人がいなくなり、前後が分断されることになる。
同様にジンチェンコも最終ラインに吸収されるポジショニングが目立ち、ガブリエウがそれに合わせて左に流れてバランスを取っていた。
ガブリエウは敵陣深くまでキャリーできるため、この位置でもできることはあるが、この配置だとガブリエウの背後をケアするのがジンチェンコになる。
ジンチェンコの足元のスキルの高さはベトの背後で受けてゲイェやオナナを釣り出すようなシーンでこそ発揮されるべきだと思う。
今シーズン初スタメンのヴィエイラは見事なパフォーマンスを披露した。
幻の先制点のアシストに始まり、オンザボールのクオリティの高さは当然だが、自分がロストした時や逆サイドでのロストの時のの切り替えの強度も高く、ウーデゴールや昨シーズンのジャカのようにネガトラ時の1stディフェンダーとしての役割を全うしていた。
ポジショニングの面でもライン間でボールを引き出す上手さの他に裏抜けも積極的に狙えていた点は昨シーズンからの大きな成長だ。
次にアーセナルでの公式戦デビューを飾ったラヤ。
目立ったピンチは無かったが、ハイボールの対応とビルドアップ時の安定感を見せた。
特に、相手が寄せてきている状況でバックパスを受けるシーンでラムズデールなら前に蹴り出す場面で冷静に横に繋いだりと前評判通りのクオリティを見せてくれた。
おわりに
ライスのポジショニングに改善傾向が見られたこと、ヴィエイラがレギュラーで使えるレベルにあることが分かったのが大きな収穫だ。
また、スクランブルで出場してもすんなり試合に入り、攻撃で違いを作れていたトロサールがインパクターの1番手なのは確定的だろう。
今週はミッドウィークにCLグループステージPSV戦、週末にはノースロンドン・ダービーを控えている。
単純なピッチ上の修正の他に、ラムズデールとラヤどちらを使うのか、ジョルジーニョ、スミスロウ、ネルソンの出番はいつ来るのかなどスカッドの運用にも注目が集まる。
エジルに見惚れてグーナーになった人。18/19シーズンから戦術ブログを開設してリーグ戦全試合のマッチレビューを投稿している戦術系グーナーです。