【マッチレビュー】アーセナル対チェルシー「アルテタはじゃんけんを、トゥヘルは後出しじゃんけんをした」

2021年8月24日

開幕戦で昇格組のブレントフォードに敗戦を喫し、その後にはオーバメヤン、ラカゼット、ウィリアン、ルナルソンのコロナ陽性も判明(オーバメヤンはすぐに陰性になり練習復帰)、さらには試合前日にはベン・ホワイトまでもがコロナ陽性という開幕から満身創痍の状況で迎えたビッグ・ロンドン・ダービー

「これはトーマスの分!」って言ってかましてやりたかったですね…

本記事の内容・アルテタの仕込んだ攻撃的な守備とは
・アルテタの修正策とそれに対するトゥヘルの修正策について
・セドリックに課されたマルチタスクとは

アーセナル0-2チェルシー

試合ハイライト

両チームのスタメン

両チームのスタメン+控え選手(赤矢印は途中交代、青矢印は途中出場)

アーセナル
ブレントフォード戦からのスタメン変更
ホワイト、チェンバース、バログン

ホールディング、セドリック、サカ

アーセナルは3人のスタメン変更を行いました。

前述の通り、ホワイトコロナ陽性のため、このビッグマッチを欠場、トーマス、ガブリエウもいまだ離脱中、ウーデゴールはビザの支給の関係でこの試合には登録が間に合わなかったようです。

オーバメヤンベンチ入りを果たしています。

チェルシー
クリスタルパレス戦からのスタメン変更
チャロバー、プリシッチ、ヴェルナー

ジェームズ、ハヴァーツ、ルカク

チェルシーは開幕節でインヴィンシブルズのキャプテンも務めたヴィエラ率いるクリスタル・パレスに対して、チームとしての格の違い、監督の力量差を見せつけて完勝、そこから3人のスタメンを変更してきました。

プリシッチコロナ陽性のため欠場し、シャドーにはハヴァーツが入っています。

そして、CFには9750万ポンドの移籍金を引っ提げてチェルシーに復帰したルカクが入っています。

アーセナルの攻撃的守備

アーセナルの前プレス

アルテタのアーセナルはトゥヘル率いるチェルシーに対して、この試合はスタートから「負けない」闘いではなく、「勝ちに行く」戦いを挑みました。

3-4-3(5-4-1)で固めて守りワンチャンスをものにして1-0の勝利を挙げた昨シーズン後半戦の対戦とは違い、前からプレスをはめに行きます。

3バックには3トップ数的同数でプレスをはめ、GKまで戻された場合にはマルティネッリがそのまま追う形で押し込みにかかります。

WBに対してはSBが縦スライドすることで対応、2ボランチに対してはスミスロウがボールサイドのボランチをマンマークすることで同サイド圧縮していきました。

ハヴァ―ツとマウントの2シャドーに対してはロコンガ、ジャカの2ボランチルカクに対してはマリがマンマーク気味に対応します。

奪いきるところまではいきませんが、開始から10分ほどはしっかり機能していたように見えます。

ルカクで作る

チェルシーの先制点

14分

コバチッチがマルティネッリのプレスをはがしてルカクに縦パスを通すと、ルカクがキープ、その落としをコバチッチが前向きで受けた所からの右サイドへの展開

この時、ハヴァ―ツの斜めの動き出しティアニーは内側に寄っており、大外のジェームズはフリーでした。

ジェームズのグラウンダーの折り返しに最後はルカクがマリを振り払い流し込みました。

マリがルカクを見る以上、ティアニーは1対2を強いられ、あの場面でハヴァ―ツを放せばフリーのハヴァ―ツにパスが通っていたことでしょう。

苦しい左サイドの守り

ティアニーのところをハヴァ―ツ、ジェームズの2人で動くことで、ティアニーは難しい対応を迫られます。

ジャカが左に降りて5バック化する場合、バイタルエリアがスカスカになり、ルカクで時間を作れるチェルシー相手に中央のこのスペースを開ければ、ボランチの2人がさらに高い位置で前向きにボールを持てるため、おいそれとジャカは中央の守備を放棄できなかった印象です。

アルテタの修正、トゥヘルの修正

前半20分以降増えたプレスの形

試合開始からの前プレスの形は左右どちらに圧縮する場合でも、スミスロウがボランチへのコースを切りながら追い詰めるため、左に右に走り回るため、消耗が激しくなります。

そこで、前半20分以降に増えた形は。スミスロウがボランチの一角を抑え、空いてるボランチには右ならロコンガ、左ならジャカが縦スライドして捕まえに行き、中盤逆三角形になる形です。

この形はスミスロウの消耗を抑えられ、一見前から全部プレスがはまったような状況になりますが、スミスロウとボランチのプレスの背後にはスペースが生まれる上に1人でカバーするため、降りてパスを引き出すシャドーの選手を抑える術が無いという問題点がありました。

チェルシーのプレス回避方法

また、ボランチが縦スライドしない形に対しても、トゥヘルはプレス回避方法を伝授。

前からのプレスががっちりはまっているところに同じようにボールサイドのシャドーが下りてきてパスを受けてから前を向いてドリブルで持ち上がります。

チェルシーのボランチよりも手前に降りてくるため、アーセナルのボランチはそこまでついて行けずにマークを放してしまいました。

仮にマークを放さなかった場合にはルカクが下りてそのスペースを使うか、WBが中に入るか逆サイドのシャドーが流れてきてライン間を有効活用するだろうということは容易に想像できます。

また、WBに対して、SBが縦にスライドするため、その背後にスペースが生まれます。

このスペースにシャドーが走り込んで、CBを釣り出して仕掛けるパターンも披露。

釣り出されたところでの1対1はホールディングもマリも得意とするところではないため、ドリブルでのエリア内への侵入を許すシーンもありました。

セドリックのマルチロール

アーセナルはこの試合、主に2つのビルドアップの型を披露しました。

1つ目は右SBのセドリックがビルドアップ時に3バックの右に入る昨シーズンラスト2試合で披露した3-2-5の形。

ビルドアップ1

9分のシーンでは右の低い位置から大外のぺぺに一度出して戻ってきたところで、内側に入って行くペペ、外に流れるスミスロウを匂わせよ子のロコンガに出し、ロコンガのサイドチェンジからティアニーでチャンスになりました。

PSMでもセドリックはボール保持時右SBの役割をやるシーンが目立っていました。

2つ目はジャカが左にクロースロールで降りてアンカー気味になるロコンガと最終ライン3人でひし形を形成する3-1-5-1の形。

ビルドアップ2

アルテタはジャカがクロースロールで左に降りて、セドリックが高い位置を取る3-1-5-1の形も用意していました。

この形は、スミスロウがより中央に流れ、そこから左サイドにも流れることができる配置です。

68分のシーンのようにセドリックはクロスの質はチェンバースに劣りますが、チョイスはセンスがあります。

また、周りに合わせるのも得意なため、この配置の場合、ペペが孤立しにくくなるというメリットもありました。

後半

アルテタが試合開始から敷いてきた守備の形は前から全部捕まえに行く形で、これ以上前がかりになる守備の選択肢はないように思います。

ですが、前後半で変わった部分をあげるとすればプレスに行く際の意識でしょう。

前半は「蹴らせて回収する」ためにプレスをかけていたため、少し緩さがありましたが、後半開始から10分、15分ほどは「高い位置で奪いきる」ためにプレスをかけているように見え、それが61分のような、会場の盛り上がりにもつながったように感じます。

オーバメヤンについて

後半途中出場のオーバメヤンに関してはこのツイートの通りで、今季は復活に期待してもいいでしょう。

おわりに

試合見ながらの感想とか

開幕2連敗スタート、無得点4失点といきなり暗雲立ち込めていますが、子のチェルシー戦はブレントフォード戦よりは仕上がっていました。

アルテタの仕込んだ1st プランは良かったですし、選手もやれることはやっていましたが、トゥヘルの修正と選手の判断がそれを上回りました。

次節はシティ戦、厳しい試合になることが予想されますが、頑張ってほしいものです。

あと、右SBの補強は必須で、そのためにも売却も必須です。

誰を残して誰を売るかですが、CBもこなせるチェンバース、右SBとして複数の役割をそつなくこなせるセドリックは残しておくべきでしょう。

スパスィーバ

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