アーセナル21/22シーズン総括【前編】「負けに不思議の負け無し」

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21/22シーズンのアーセナルについて振り返って行くのだが、想像以上に長くなってしまったので、前・後編に分けさせてもらう。

前編では今シーズンの基本的な成績と移籍市場について振り返り、今シーズンの歩みをたどっていき、後編では今シーズン用いた戦術の解説をやって行く予定だ。

21/22シーズン成績・基本情報

リーグ戦成績リーグ戦順位:5位(38試合22勝3分13敗 勝ち点69)
61得点:48失点 得失点差+13
チーム内得点王:ブカヨ・サカ(11ゴール)
チーム内アシスト王:ブカヨ・サカ、ラカゼット(7アシスト)
カップ戦成績カラバオ杯:ベスト4
FA杯:3回戦敗退

今シーズンのアーセナルはサカ(11G7A)、スミスロウ(10G2A)、マルティネッリ(6G6A)、ウーデゴール(7G4A)と4人の23歳以下の選手が得点関与数2桁を記録し、欧州5大リーグで最多の数字を記録した。

さらに、ラカゼットも4G7Aで得点関与数11を記録し、チームで5人が2桁の得点関与数を記録し、特定の誰かではなくチーム全体でゴール数を伸ばすことに成功している。

移籍市場振り返り

今シーズンの主な選手の出入り2021年夏加入:ヌーノ・タヴァレス(8M€)、サンビ・ロコンガ(17.5M€)、ベン・ホワイト(58M€)、ウーデゴール(35M€)、ラムズデール(28M€)、冨安健洋(18.6M€)
2021年夏退団(20/21シーズンからのレンタル終了組は除く):ダビド・ルイス(契約満了)、ウィリアン(契約解除)、トレイラ(ローン)、サリバ(ローン)、ゲンドゥージ(ローン)、ウィロック(30M€)、ベジェリン(ローン)、ネルソン(ローン)、ルナルソン(ローン)
2022年冬加入:なし
2022年冬退団:ナイルズ(ローン)、バログン(ローン)、コラシナツ(契約解除)、パブロ・マリ(ローン)、チェンバース(移籍金非公表)、オーバメヤン(契約解除)

昨夏は23歳以下の選手のみを獲得でスカッドの若返りを試みると同時に余剰戦力を放出しつつ、昨シーズン後半ニューカッスルにレンタルで加入し大活躍だったウィロック3000万ユーロの移籍金でニューカッスルに完全移籍となった。

昨冬はヴラホヴィッチ、アルトゥール、ギマランイス獲得の噂はあったが、いずれも実現せず獲得は0に終わっている。

放出オーバメヤンコラシナツがそれぞれ双方合意の契約解除によりフリーで退団しオーバはバルセロナ、コラシナツはマルセイユへと旅立った。

バログンミドルズブラでの武者修行に送り出し、ナイルズローマへのローン、2022年夏に契約満了を迎えるチェンバースを移籍金非公表の完全移籍でアストン・ヴィラに放出した。

補強についてはロコンガ、タヴァレスが思いのほかフィットしなかった点を差し引いてもそれ以外の選手は即戦力としてチームに欠かせない存在になったことを考えたら及第点以上の評価はできるだろう。

放出については高給取りのベテランが多く買い手がつきにくいことを差し引いても双方合意の契約解除からのフリー移籍が多すぎる。

結果、ゴネればアーセナルからはフリーで選手を取れるのでは?という前例ができてしまい、ベティスもベジェリン獲得のためにゴネ始める始末だ。

今後のためにもせめて少額でもいいから移籍金を取ってほしかったものだ。

一方、この選手放出したらだめでしょという選手がいなかった点は評価できる。

サリバは残すのもありだったが、もう1年フランスで主力として戦ったことで成長した側面もあるし、他の選手については残っても出番はなかっただろう。

21/22シーズンの歩み

アーセナルの21/22シーズンは地獄の3連敗からスタートした。

補強も間に合わず、オリンピック前の負傷でガブリエウ離脱、さらにはPSMで無双していたトーマスは怪我させられて直前での離脱、同じくPSMで覚醒の兆しもあったエンケティアも負傷離脱で踏んだり蹴ったりな状態で開幕を迎えると昇格組のブレントフォード相手に不覚を取るとその後はチェルシー、シティと昨シーズンのCLファイナリストたちに(順当に)蹂躙された。

チェルシー戦アルテタの用意した策が機能序盤は5分5分の戦いを演じた時間もあったが、トゥヘルの的確な修正やマリがルカクに子ども扱いされたこともあり時間を追うごとに差は明確なものになり敗戦。

シティ戦アルテタはしっかりとプランを立てて挑んだが、不当な判定明確な実力、選手層の差の前になすすべなく敗北、開幕3試合で0得点9失点の3連敗で過去最悪なスタートを切ることになった。

しかし、4節からはGKがレノから新加入のラムズデールに変更、ガブリエウの復帰ホワイトと冨安の加入で充実したバックラインを揃えるとノースロンドン・ダービーの完勝を含むリーグ戦8試合無敗(6勝2分)で息を吹き返す。

その後、リヴァプールに敗れるとニューカッスル戦の勝利を挟んでチーム状況最悪なユナイテッドとエヴァートン相手にまさかの逆転負けによる2連敗を喫することになる。

この2試合はスムーズに先制するととたんにボールを持つことを恐れ、まるで別チームのように引きこもってしまうと相手の攻撃に耐えられずに逆転を許してしまった。

連敗後は下位相手に再び完勝で連勝街道を歩む。

ノースロンドンダービーで事故的な接触から負傷離脱していたジャカが復帰したことが大きかった。

そして迎えた元旦のシティ戦

前半はペップの顔色が悪くなるレベルでアーセナルのペースで試合が進み、アーセナルのリードでHTを迎える。

しかし、後半アーセナルのわずかな綻びを突いたシティの崩しと、そこに加えて審判のミスなどもあり同点を許し、勝ち越しのチャンスを逃し、1人退場し後半ATにロドリの決勝ゴールを許し、敗戦となった。

そこから1月は立て続けにカップ戦で敗退するとバーンリーのニック・ポープの牙城を崩せずスコアレスドローで終え、ついには1月は未勝利に終わってしまう。

2月に入ると、ウルヴス戦での辛勝を皮切りに3月までの2か月間でリーグ戦はリヴァプール戦こそ敗れるもそれ以外の6試合で6勝を記録、この時点で4位に位置し、3位にも手が届きそうな勝ち点差になっていた。

3月末の代表ウィーク明け、ティアニーが膝の負傷で今シーズン絶望となった中で迎えたクリスタル・パレス戦は今シーズン最悪のコンディションで止める蹴るすらままならないまま敗戦、さらにトーマスも負傷交代。

1月のリヴァプール戦に強行出場した結果、4月になっても冨安不在が続き、ティアニー、トーマス、冨安というビルドアップ時の並びが1列丸々不在という緊急事態に陥り、そのままブライトン、サウサンプトンにも敗れ3連敗で3位には手が届かなくなり4位すら危うい状況になる。

そこで、ラカゼットに代わってサウサンプトン戦からCFで起用されていたエンケティアチェルシー戦で覚醒、2ゴールを決めて勝利に貢献すると続くユナイテッド戦、ウェストハム戦ではゴールこそないものの見事なプレーを披露し、リーズ戦では再び2ゴールを決め、4月から5月にかけてのチームの4連勝中に4ゴールをマークしチームを再び4位確定ほぼ目の前、3位も狙える位置に押し上げた。

勝てば4位以上確定、引き分けでも残り2試合で1勝すれば4位確定という状態で迎えた1月の延期分のノースロンドン・ダービー

しかし、ここで屈辱の完敗を喫すると悪い流れのままニューカッスルにも敗れて2連敗、自力での4位確定が消えてしまった。

最終節でエヴァートンにアーセナルが勝利しつつノリッジがスパーズに勝利するというウルトラCに賭けるしかない状況に追い込まれる。

アーセナルは最終節でエヴァートンに5-1で勝利を収めるもノリッジはスパーズに0-5で敗れ、アーセナルの5位フィニッシュが確定した。

そもそも、最終節であの状態のノリッジがスパーズに勝つなんて今年の高松宮記念の3連単を当てるより難しかっただろう。

それよりも37節でスパーズと対戦したバーンリーに可能性を感じていたし、バーンリーは死力を尽くしてやれることをやったが、痛恨のハンドからのPK献上、その1点を守り切ったスパーズが勝利している。

あのハンド昨シーズンのアーセナル戦でも似たようなあたり方してその時は見逃されてたんですけどね…

と、そんなスパーズ対バーンリーの感想はここら辺にしときましょう。

今シーズンのアーセナルは文字通りジェットコースターのようで、シーズンのほとんどの時期を連勝(無敗継続)か連敗で過ごしていた。

例外でリヴァプール戦だけは勝利に挟まれた敗戦になっている。

もう1つ特徴的なのはほとんどの試合で負けに不思議の負け無しだったという点だ。

プロ野球の故野村克也監督は「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」と述べている。

負けるときは負けるべくして負けているのだ。

しかし、サッカーというスポーツはどれだけ優れた策を用意してどれだけいい崩しでゴールに迫ったとしても相手GKのスーパーセーブに阻まれてカウンター1本で沈むことが多々ある以上、不思議の負けというのも一定数存在するのだが、今シーズンのアーセナルにはほとんどそれが無かった

前半はシティ相手に優位に立ってリードして折り返すことのできたシティ戦でも後半はシティに流れが渡り、審判がちゃんとした審判だったとしても逆転負けしていただろうというイメージができることを考えたら不思議の負けとは言えない。

唯一、33節のサウサンプトン戦、アルテタの策も機能し、選手のプレーも良かったが、最後の最後のところでサウサンプトンのGKフォースターのビッグセーブに阻まれ、失点もCKからのこぼれ球を後ろ向きで強引に蹴ったボールが上手い具合に飛んで、その折り返しを押し込まれて失点し敗れたこの1試合だけは不思議の負けだったと言える。

他の試合はアルテタの策がずれていたり、選手の質で後れを取ったり、選手のコンディションが悪くていつも通りのプレーが全くできていなかったり、純粋に相手が上回っていたり、リードした後のメンタリティで弱さを露呈して後手に回ったり、負けるべくして負けた試合という印象だ。

おわりに

想定より長くなったので、前編としてシーズンの歩みを振り返った所で締めようと思う。

次回は今シーズンの戦術について踏み込んだ内容の記事を書いていくつもりだ。

来週中には更新するのでそれまでお待ちください。

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