【考察】オーバメヤンの左WG起用を止めるべき?

2021年2月8日

 あの負け方をしてA代表ウィーク突入で虚無のような2週間かもしれないグーナーの皆さんこんにちは。

しかし、捉え方によってはこの2週間新たな戦術の浸透を図り次節のリーズ戦で進化したアーセナルを見れるかもしれないとここは前向きに考えましょう。

 今回はオーバメヤンの左WG起用を継続するべきかを考えていきます。

✅本記事の内容

✅左WG起用の理想と現実

理想と現実ののプレーエリアの差から見る左WG起用の現実

✅サカのプレーエリア

サカのプレーエリアから見るオーバメヤン左WG起用

✅オーバメヤンCF起用案

オーバメヤンCF起用の4-2-3-1案

 

左WG起用の理想と現実

オーバメヤン左WG起用の理想PAの横幅より内側で多くの時間プレーすること
オーバメヤン左WG起用の理想形

  オーバメヤンを左WG起用でオーバメヤンが活躍するための条件は、PAの横幅より内側で多くの時間を過ごすことです。

昨シーズンのFA杯準決勝のシティ戦の先制点はペペのクロスにウォーカーの背後から飛び込んでのゴールでしたし、その前のルイスのスルーパスに抜け出したシーンはじめ、中央のレーンでチャンスの場面に顔を出していたのが印象的でした。

そして、チャンスへの顔の出し方も、シュートシーンがほとんどでした。

オーバメヤン左WG起用の現実PAの横幅の内側より大外のレーンでのプレー時間が伸びている
オーバメヤン左WG起用の現実

 そしてこちらが現実です。

プレーエリアが理想形のPAの横枠より内側ではなく、むしろ大外のレーンにいる時間が増えてしまっています。

結果として本来フィニッシャーのはずのオーバメヤンがチャンスメイクする側に回ってしまっているのが現在の大きな問題で、その結果が今季のシュート数の少なさ、ひいてはゴールの少なさにつながっています。

シュート数の話が出ましたが、19/20プレミアリーグでのオーバメヤンの1試合あたりシュート数は1.9本でこれは昨季のチームトップの数字でした。

対して、20/21プレミアリーグでの1試合あたりシュート数は1.1本(チームトップはサカの1.5本)です。

チームとしてのシュート数の減少も問題ですが、それ以上にオーバメヤンが少ないシュートシーンになおさら顔を出せていないことが問題です。

なぜなら、昨季のアーセナルのゴール数はゴール期待値を上回っていたが、今季はゴール期待値通りのゴール数になっていました

このことからもオーバメヤンの決定力の高さは窺い知れます。

さて、シュート数のスタッツは低下しましたが、その一方で上昇したスタッツがあります。それが1試合あたりのキーパス数です。

こちらは、19/20プレミアリーグでは0.7本(チームトップはエジルの2.2本でした)だったものが20/21プレミアリーグでは1.4本を記録しており、今季のチームトップの数字となっております。

本来フィニッシャーであるべきはずのオーバメヤンが一番キーパスを出していることからもオーバメヤンの左WG起用が理想とは違うところにいるのはわかります。

オーバメヤンはサイドでボールを持っても緩急を駆使したドリブルで相手DFを翻弄し、クロスを入れてチャンスを演出することができますが、本来フィニッシャーの選手がここにいるとなるとエリア内はどうなるか?そう、人がいないんです。

サカのプレーエリア

 次に周りの選手のプレーエリアです。

特に、オーバメヤンがサイドに流れる時間が増えた弊害を受けるのがブカヨ・サカです。

わかりやすいのが先のヴィラ戦で、前半はオーバメヤンがサイドに流れたことで縦に仕掛けるスペースがつぶされている状況でした。

その影響もあってかパスを受けて前を向いても中の選手にシンプルに戻すだけでブロックの中に切り込めていませんでした。

 ヴィラ戦の前半にサカのニアゾーンランからの折り返しで惜しいシーンがありました。

いい形でしたが、大外からパスを出したのはオーバメヤンで、エリア内にサカの折り返しに走りこんでいたのはラカゼットとベジェリンだけで、もう少しエリア内に人数が欲しかったところです。

 それに対して、オーバメヤンが2トップ気味に中に絞っていたため、前方にスペースが開けたこともあり、より自由にプレーできていた印象です。

オーバメヤンCF起用案

オーバメヤンCF起用案オーバメヤンCF起用の4-2-3-1案

 ここで提案したいのはオーバメヤンCFの4-2-3-1案です。

初期配置こそ4-2-3-1ですが、そこから攻撃時と守備時での使い分けや様々な可変も可能な布陣になっています。

・攻撃時の可変

ジャカがクロースロールで3バック化し、左SHのサカとトップ下のラカゼットがそれぞれ左右のライン間のハーフスペースで後方からの楔のパスを受けて左のサカなら大外を走るティアニーや、中央で最終ラインと駆け引きをするオーバメヤンへのラストパスを狙うこともできます。

 右はラカゼットが楔のパスを受けてためを作り、中盤から外に流れるベジェリンがオーバーラップしてもいいですし、ペペが外から斜めに入り込むことも可能です。

この布陣ならばペペが大外に張るしかない状況で孤立するようなことも減ってくると思います。

また、ラカゼットが相手を背負ってボールを収めても落とす選手がいなくてそのままつぶされてしまうという問題もこの布陣ならトーマスやベジェリンが落としのパスを受けに行くことで解決可能だと思います。

・守備時の可変

 前から守備に行く際には両WG(SH)はCBからSBへのコースを切るコースカットプレスをして、オーバメヤンとラカゼットが守備時にはボランチへのコースを抑えてCBに圧力をかけて高い位置で奪うかアバウトなボールを蹴らせる戦術が取れます。

この時、相手が4-3-3ならば、アンカーとIH1人はオーバメヤンとラカゼットで抑えて、もう1人のIHには同サイドのボランチが降りていく形で対応可能です。

(やっていることはバイエルンの守備戦術を踏襲した形なんですけどね…)

 先ほどは前からの守備の形でこちらは引いて守る際の形です。

基本的には、4-4-2で守るのがいいでしょう。そのほうがカウンターにも移行しやすいですし、可変に対応するサカやオーバメヤンの負担も大きくなりますし。

ただ、4-4-2ではきつい相手も出てきます。(5レーンをちゃんと使うマンチェスター・シティとか)

そこでこの慣れ親しんだ5-4-1(5-2-3)です。サカが1列下がり守備時にはWBオーバメヤンは左にスライドして左SHに、トップ下だったラカゼットは1列上げて守備時にCFとしての役割に入る形が作れます。

この形ならべた引きの5-4-1のブロックで固めることも、相手が攻めあぐねて後ろに戻したらそこで5-2-3に変化してCBに自由に蹴らせないように前プレスに移行することも可能になります。

 今回はここまでです。

インターナショナルマッチウィーク明けにどんな変化があるのか楽しみに待つとしましょう!

ここまで読んでいただきありがとうございました。

スパシーバ

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