【マッチレビュー】FA杯4回戦アーセナル対ボーンマス~ヤンガナの躍動~
みなさんおはこんばんにちわ、こーひーです。今日はFA杯4回戦ボーンマス戦の分析をしていきましょう。
・試合概要
・得点
5分サカ1-0
26分エンケティア2-0
94分2-1サリッジ
・途中交代
62分ホールディングinムスタフィout 69分セバージョスinペペout 92分ナイルズinウィロックout
76分C.ウィルソンinH.ウィルソンout フランシスinシンプソンout 89分サリッジinソランケout
・ビルドアップの引き出し
この試合ではジャカが左CBの位置に落ちてビルドアップに加わる見慣れた形に加えて、サカが低い位置に位置取りして右肩上がりの3-3-4になる形と使い分けていました。この配置のメリットは単純に引き出しが増え、相手がどこについていくのかで迷いを生じさせられる点です。直近の数試合のアーセナルのビルドアップが少し詰まっていたのは可変の引き出しが少ないゆえに相手もどう守ればが明確になってきて前からプレスをかけやすくなっていたという側面もあります。もう一つの理由はこの形を採用すれば右SBが外のレーンに位置取りしやすくなります。ジャカが下りる形だと普段はナイルズが絞って3-2のビルドアップをしていました。しかし、ベジェリンの長所はスピードを生かしたオーバーラップとシンプルなカバー範囲の広さにあると思います。ですので、サカが後ろのビルドアップに加わると3-2+1のビルドアップの形で必要以上にパスがらみの能力は求められません。
また、この日は最終ラインからの対角線のパスとハーフスペースへ降りてきた選手への縦パスが有効的でした。この日のボーンマスはゲンドゥージへのパスコースをかなり意図的に封じ、4人でゲンドゥージを囲むような形でスライドしていました。ジャカの縦パスや対角線へのパスは以前(アルテタ就任直後)から見られていたのですが、ムスタフィもブレイズ戦同様の縦パスに加え対角線の長いパスも出せていました。空中戦も強いし、毎試合このようなパフォーマンスなら文句なしのレギュラーなんですけどね(あとはチェルシー戦みたいなやらかしをなくしてくれればですが)。ここに出場停止からダビドルイスが戻ってくれば最終ラインからの長短のパスはかなり活かせる…と思った矢先のムスタフィの負傷…大きなけがじゃないことを祈るばかりです。
・ヤングガナーズの躍動
この日トップ下に起用されたウィロックはエジルの代役になりえることを証明しました。ヒートマップを見てわかるように普段のエジルと同じように右ハーフスペースでアタッキングサードで攻撃を加速させる役割でした。先制点の起点のシーンもそうですし、他のシーンでも受けたと同時のターンで相手を置き去りにするプレーはウィロックの大きな武器になるでしょう。また、守備時のタスクもインターセプト3回タックル2回と優秀にこなしていました。後述のセバージョスとの大きな差はポジショニングでしょう。ヒートマップで分かるようにエジル同様高い位置に残ることでパスコースをつぶさず、後方のビルドアップを助けていました。
2点目のシーンも素晴らしい連携でした。ムスタフィが3バック化の右から持ち上がり、CBを引き連れ降りてきたエンケティアが落とし、ウィロックが大外を駆けあがっていたサカにサイドチェンジ、サカのクロスをエンケティアが押し込んでゴール。
この時ウィロックの視野の広さとマルティネッリが最終ラインを押し下げてマイナスへのコースを確保する動きもですが、注目すべきはエンケティアのエリア内への侵入の動きです。降りてきてポストプレーをした際CBの1人がつり出され、もう1人はそのスペースを埋めるため中に絞ります。そしてエンケティアからウィロック→サカとボールが渡る中でDFの視野は左サイドに移ります。その中エンケティアは再び動き出し、相手の背中側からエリア内に侵入しほとんどフリーでゴールを決めています。
・アルテタの試合の終わらせ方
セバージョス投入直後はセバージョストップ下ウィロック右の4-2-3-1でしたが、80分前後から中盤3センターの5-3-2のような形になっていました。
今朝の試合、80分前後から、532っぽくなってたよね?
ジャカを左CB、セバージョスとウィロックをCH、マルティネッリがエンケティアと2トップ。
今後、終盤リード時にエジルを下げつつ、スタミナ切れをカバーするアイデアとして確立していくかも?
— polestar (@lovefootball216) 2020年1月28日
自分もセバージョスが下りてきすぎててなんだよと思ったものの、守備時のポジショニングも明らかに低く、ジャカも最終ラインにいたため、そういうことかと少し後に気付きました。
投入直後は、セバージョスがトップ下でウィロックが右だったとは思いますけどね。
— polestar (@lovefootball216) 2020年1月28日
問題ないです!
見直すようでしたら、アルテタが手で5って指示してるのが映ったタイミングを意識すると良いかもです。
ボーンマスが5枚にしたのを指してるのかと思ってましたが、もしかするとそのタイミングでアーセナルが5バックに変更したのかもしれないです。
— polestar (@lovefootball216) 2020年1月28日
見直してみるとたしかにアルテタが手で5と指示したあたりからアーセナルも5バックに変化していました。最初見ているときはこのサインの後からボーンマスが3-5-2のようになっていたのでその指示かと思いましたが、自チームへのフォーメーションの変化の指示の可能性もあります。
自分で見ている時はセバージョスの下りてき過ぎの手癖の問題による偶発的なものかと思いましたが、たしかにそれにしては降りてき過ぎでしたし、アルテタの指示だとしたら納得できます。
・最後に
久しぶりの勝利でしたし、若手の躍動、新たな戦術の引き出しとかなりポジティブな面の多い試合となりました。最近のアーセナルは試合を優位に進めていてもペースを終盤に握れず追いつかれてしまう試合が多かったので、試合終盤の5-3-2はかなり有効だと思います。
そして、記事には書ききれませんでしたがサカの1G1Aの活躍はセンセーショナルでしたし、なによりSBとしての成長が著しいです。最初は守備能力やポジショニングに難ありな感じでしたが今ではポジショニングもいいですし、守備時のリスク管理で不安なところはありますが、対人でも改善してきていますし、クルザワを獲得する必要性を感じさせないパフォーマンスを披露しています。
そして、試合をコントロールできている時間が徐々に長くなっているのもポジティブな材料です。
・追記:トップ下セバージョスの強みと課題
セバージョスは足元の技術やパスセンスは素晴らしいものを持っています。現に久しぶりの出場となったこの試合でもサカに2本ほれぼれする様なスルーパスを通していました。
一方、ボールを受けに降りてき過ぎる傾向があります。これにより、ビルドアップ時に前線の枚数不足を招きます。
あとがき
テストの日程も終わりついに春休みに突入した中の人。そして、プレミアリーグは変則的なウィンターブレイクがあるので、その期間に考察記事みたいなのを書く予定でいます。とりあえず、タイトルは…まぁ、まだ内緒にしておきましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございました。皆さんの拡散が力ですし、引RTで褒められたりするとめっちゃうれしいです。「良いな」とか「参考になった」または、「〇〇はこうじゃないか」といった意見もあればどしどしお願いします。では、次はバーンリー戦のマッチレビューを楽しみにしていてください。
エジルに見惚れてグーナーになった人。18/19シーズンから戦術ブログを開設してリーグ戦全試合のマッチレビューを投稿している戦術系グーナーです。
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