【考察】20/21シーズン総括~今シーズンの出来や如何に~
いまさらですが、20/21シーズンの振り返りをしていきたいと思います。
はい、スタート!
もくじ
20/21シーズンの主な成績
プレミアリーグ開幕に先立って行われたFA杯王者のアーセナルとリーグ王者リヴァプールが激突するコミュニティシールドはPK戦の末にアーセナルが勝利し今季最初のタイトルを掲げました。
なので無冠じゃないです。ここテストに出ますよ(笑)
しかし、FA杯はセインツに敗北し前回王者が4回戦で姿を消すことになりました。
CL出場の要だったELはGS全勝で決勝ラウンドに進みました。
決勝ラウンドはベンフィカ、オリンピアコス、スラヴィア・プラハを破り準決勝進出。
特にラウンド32のベンフィカ戦は1st legドローで2nd legは一時はリードを許し敗退の危機に瀕しますが見事な逆転勝利を飾りました。
迎えた準決勝ではかつての指揮官、EL番長ウナイ・エメリ率いるビジャレアルと激突、2試合通じてリードを1度も奪うこともなく敗れる結果になりました。
リーグ戦もクリスマス以降の成績なら3位に位置するのですが秋から冬にかけての未勝利期間が響き8位フィニッシュとなり25年ぶりに欧州への切符を逃す結果になってしまいました。
シーズンの振り返り
開幕直後は昨シーズン終盤に採用していた3-4-3を継続、ウィリアン、マガリャンイスと新加入選手が主力の座をつかみました(トーマスは移籍市場最終日の加入なので開幕数試合はアーセナルにいないです)。
また、エメリから構想外を言い渡されベジクタシュにレンタル移籍していたエルネニーが復帰後チーム内に居場所を確立したことはサプライズでした。
GKを含めたビルドアップで相手の前プレスを誘い出してそのプレスをはがして一気にチャンスにつなげる形もこのころは健在で開幕節のフラム戦や3節リヴァプール戦でもこの形からゴールが生まれました。
得点力の欠如などもあり10節のウルヴス戦から4バックに変更、トップ下には最初はウィロック、その後はラカゼットが入っていましたが、この間リーグ戦は未勝利に終わっています。
ウィロックはトップ下としてはポジショニングに難があり、ラカゼットは両SBが高い位置を取りWGが中に入ってくるとライン間からさらに降りてきてしまい本来の良さが生かせない状況でした。
さらに、このころはクロスを上げることが生きがいみたいな試合内容でしたし、ボールを握った時も前線の動き出しに乏しく「絶望的」という言葉が似合う時期でした。
ちなみに、スミスロウは開幕前に肩を負傷し出遅れてELから徐々に復帰し結果を残していた時期です。
その後、3-4-3に戻して2試合消化し(1分1敗)迎えたボクシングデーのチェルシー戦でESRとマルティネッリが今季リーグ戦初スタメンを飾り、再び4-2-3-1に戻すと、マルティネッリESRサカの2列目がチームの活力を取り戻しました。
特に、中盤にスミスロウが加わることでボールを受けるための動き出しが増えてチームの流動性が増しました。
その後、1月にウーデゴールをレアル・マドリーからレンタルで獲得し、2列目は左からESRウーデゴールサカの並びが定着し勝ち星を積み上げられるようになりました。
少し前のリーズ戦で頭突きをして退場になりアーセナルでのキャリアが終わったかにすら思われたぺぺですが、ティアニー離脱時に左WGとして起用されると突破力を発揮し、右足の質も向上させてシーズン終了するころには右WGとしても主力を張れるレベルに成長、アルテタの信頼を実力で取り返すことに成功しました。
DFラインに目を向けると前半戦はMVP級の活躍を披露していたマガリャンイスがコロナ陽性に伴い離脱、その間に左CBは怪我から復帰したパブロ・マリが一気に主力の座をつかみました。
また、ウルブズ戦では不運な退場もあったダビド・ルイスですが、ボール保持時のキャリーとフィードの質の高さにおいてCB陣の中でも頭一つ抜きんでており、今季も十分な貢献を見せてくれました。
それだけに今季終盤は負傷離脱→復帰戦で負傷し再離脱の流れで終盤の大事な試合で起用できなかったのが残念です。
ティアニーは出場すれば左の大外ですばらしい存在感を発揮しましたが、今シーズン2度少し長めの離脱があり、1度目はセドリックが左SBに回り穴埋めをし、2度目はジャカが左SBに入りビルドアップ時左CBになる形を採用し、何とか乗り切ろうとしました(結果はさておき)。
今季のベストゲーム
皆さん、「今シーズンのアーセナルのベストゲームは?」と聞かれたらどの試合を思い浮かべるでしょうか。
ボクシングデーのチェルシー戦、大勝したリーズ戦、逆転勝利のELラウンド32ベンフィカ戦2nd leg、大勝したEL準々決勝スラヴィア・プラハ戦2nd leg、逆転勝利のNLDといろいろ候補が上がるでしょう。
私はやはり逆転勝利のNLDを選びたいですね。
オーバメヤンの遅刻はありましたが、崩しの場面でも守備でもチームとして機能していましたし、なによりもノースロンドン・ダービー勝利という面が感情的には大きいです。
そして、個人的には隠れた(別に隠れてないかもしれませんが)ベストゲームとして37節のクリスタル・パレス戦を推したいです。
この試合、良かった点としてはペペが結果を出したこともそうですが、なによりも「ビルドアップ時3バックの右に入る右SBのチェンバース」、「アルテタの試合中の修正が機能して生まれた勝ち越し」の2点です。
まず、チェンバースですがウェストハム戦がそうだったようにクロスの質は抜群ですが、全体的にSBとして高い位置を取るべきところでのポジショニングが低く、ここは改善が必要だなと感じていました。
ですが、元がCBなこともあり弾き返す力もあり、対人守備も強いことから、DFラインの強度を維持できます。
パレス戦のチェンバースはボール保持時に高い位置に上がるのではなく3バックの右としてビルドアップに参加していました。
これによりボール保持時3-2-5の形が整備されバランスの取れた形になったことが評価できます。
次に、アルテタの修正が機能した点ですが、ウーデゴール、ジャカ、マルティネッリを投入した直後は4-2-3-1から4-3-3にシステムを変更して右SBチェンバースが高い位置を取るようになりましたが、これによりビルドアップの人数が足りずに前進できなくなりウーデゴールとスミスロウが低い位置に降りてきていた印象でした。
ですが、その後チェンバースが上がらない3-2-4-1に変化してからはボールも回るようになったと思います。
この変化はアルテタの意図は最初から3-2-4-1だったのが上手く情報が伝わらなかったパターンか、もしくはアルテタは最初は4-3-3にするつもりだったが機能していないことに気づいて3-2-4-1に修正させたのかはわかりませんがどちらにせよアルテタの修正が逆転の呼び水になったのだと言えるでしょう。
今季のMVP
年間通しての活躍ならサカが順当に選ばれるべきですし、実際にアーセナルの今季のMVPです。
しかし、スミスロウがいなければ後半戦の勝ち点はありませんでした。
なので、スミスロウを個人的なMVPに選びたいと思います。
個人的には開幕前の肩の負傷さえなければシーズンを通してレギュラーで見たかった選手です。
スミスロウが入ったことでボール保持時にライン間に動きが生まれ、チーム全体が息を吹き返しました。
スミスロウが出るまでのアーセナルのポゼッションは「静」、スミスロウが出場している時は「動」の印象があります。
この影響もあってサカやペペもスミスロウがいるとプレーしやすそうに見えました。
まとめ
今季は浮き沈みの激しいシーズンでしたね。
あとは何回審判やVARに泣かされたことか…
「もしも」が禁句とされる勝負の世界ですが、まぁ「もしも」って言いたくもなりますよね。
来シーズンはリーグ戦に専念できる状況で、売却がスムーズにいけばスリムなスカッドになるでしょう。
夏の補強を経て来シーズンはいよいよアルテタもいい訳ができなくなるシーズンになると思います。
外野を黙らせるのには結果が必要で、求められるのはTop4フィニッシュ。
来季はそれを達成してくれればまずは満足です。
スパスィーバ
エジルに見惚れてグーナーになった人。18/19シーズンから戦術ブログを開設してリーグ戦全試合のマッチレビューを投稿している戦術系グーナーです。