【マッチレビュー】トッテナム対アーセナル~North London is RED.への道のりは遠く…
みなさんこんにちは。
今回は絶対に落とせないNorthLondonDerbyです。
プライドに賭けて絶対負けられない相手ですし、ここから上位進出を目指す上でも勝ち点3が必要な試合です。
トッテナム2-0アーセナル
もくじ
両チームのスタメン
スパーズは前節チェルシー戦から2人変更。
ロドン、エンドンベレに代わりアルデルヴァイレルトとロチェルソがスタメンに名を連ねています。
ELは大幅なローテーションを実施、3戦連続でスタメンに名を連ねているのはソン、ホイビュアのみで、ロチェルソはELとNLDの2戦連続スタメンです。
対するアーセナルは、前節ウルブズ戦からは3人の変更。
ルイス、セバージョス、ウィロックに代わりホールディング、トーマス、ラカゼットがスタメンに名を連ねています。
ELはアーセナルも大幅なローテーションを実施、3戦連続スタメンの選手はおらず、2戦連続スタメンもラカゼットだけです。
両チームの二次配置
アーセナルのボール保持時
アーセナルのボール保持時の型はELで上手くいったラカゼットのトップ下を導入したことで、ウルブズ戦と比較して、中にパスを入れられるようになり、多少の改善は見られました(問題点についてはこの後)。
また、ジャカがSB裏に降りるクロースロールで3バック化する形を試合開始から用いていましたが、時間経過とともに2-2のビルドアップに変わっていってしまったのは気になるところ。
スパーズの守備は前からガツガツ来るわけではなく、4-4-2でセットして構える守備で、アーセナルが最終ラインでボールを持つときは中央を封鎖する位置取りをして、SBにパスが入ったり、敵陣に侵入したくらいから2トップがプレスに行き始めていました。
スパーズのボール保持時
スパーズのボール保持時は基本2CBとその周辺にサポートに行くホイビュアがスタートになっていました。
特に、ホイビュアは降りていくコースやタイミングが的確でした。
アーセナルの守備はオーバメヤンがCB間を遮断して同サイドに追い詰める意図のものでしたが、ホイビュアがタイミングよく下りてくことで追い詰められた先で上手く回せている印象でしたし、さらにロチェルソも動き回ってパスを引き出せている印象でした。
失点シーンの分析
先制点はベジェリンのクロスをクリアした所からスタートしたロングカウンターでした。
ケインが収めてソンに展開、ドリブルで持ち込んでゴラッソ。
ケインが収めた所でトーマスも奪いきれず、ソンへのパスを許したのもまずかったですが、やはり一番はソンとベジェリンのところでしょう。
ケインが収めてトーマスをかわした辺りでベジェリンがソンを放して少しケインに寄っていました。
そのタイミングでソンへの長いパスが通り、ホールディングが釣りだされてオーバーラップしてきたレギロン含めて1対2の構図になり数的不利になっていました。
この一連の流れの中でベジェリンが犯したミスは2つです。
まず、ケインが持ったとこで少しスピード落としてソンのマークを少し外した点です。
あそこでソンとスピードを落とさず並走していればソンとレギロンの2人に対してホールディングとベジェリン2人で対応できていたと思います。
2つ目は、最後、ホールディングの背中側を戻りすぎた点です。
ベジェリンは内側に絞って戻り、入れ替わるようにホールディングが外に出てソンに対応していましたが、レギロンがオーバーラップしたことでそちらも気になりソンにカットインを許したとこからのゴラッソでした。
このシーンでベジェリンはソンのカットインのコースをふさぐ立ち位置でとどまって、ホールディングが縦をケアする形を取れていれば、あるいは違う結果が待っていたかもしれません。
とはいえ、これに関してはベジェリンだけの問題ではありません。
ウルブズ戦、ヴィラ戦でもCBが釣りだされてSBと入れ替わったところをやられる形は繰り返してる以上チームの構造上の問題だと思いますし、てこ入れは必要でしょう。
2失点目はベジェリンのクロスが合わず奪われたところからのロングカウンターで失点してしまいました。
直前のプレーでトーマスが負傷し、ピッチを出ようとしたところをアルテタが戻そうとしたというアクシデントもありました。
確かにトーマスもピッチを出るのではなく、そのままピッチ上に残って座り込んだりなにかしらするべきだったのかもしれません。
話を戻すと、押し込んだ状態で奪われて2CBしか後ろに残っていない状況であの失い方をすればモウリーニョスパーズの十八番のロングカウンターが刺さるのは必然でしょう。
後、もう1つ付け加えるとベジェリンのクロスのチョイスにも少し疑問が残ります。
2失点目の起点になったシーンも、ベジェリンのクロスでした…
この日のベジェリンの攻撃面ではクロスを上げる前段階までは良かったと思います。
特に、トーマスやラカゼットのパスに対する反応は良かったです。
ただ、クロスは質、アイディアともに物足りなさがありました。
特に気になったのが2失点目の起点になってしまったシーンです。
このシーン、オーバメヤンはおそらくDFとGKの間に入れるクロスにオーリエの背後からワンタッチで合わせるようなクロスをイメージして動いていたと思いますが、ベジェリンが出したのはオーバメヤンが下がって受けるようなクロスでした。
結局、オーリエがカットしたわけですが…
仮に、DFとGKの間に入れるようなクロスを入れていたらどうだっただろうか?
通れば決定的なシーンになるのは間違いないですし、オーリエがカットしたとしてもCKかスローインに逃げるか後ろ向きの状態でボールを持つのですぐカウンターに移行はできなかったと思われます。
大事なのはバランス
アーセナルは後半はより一層押し込みましたが、スパーズのブロックを崩せていたかとなると話は変わります。
というのも、WGとSBが大外で縦関係になってしまい、ハーフスペースで受ける選手がいないということが起きていたため、スパーズ側も対応が容易になっていたからです。
こうなるとCBを釣りだしたりはできず、スパーズが固めているところにクロスを放り込むしかなくなります。
しかし、ずっとハーフスペースが使えなかったわけではなく、サカやラカゼットがライン間でパスを引き出せているシーンもありましたし、ライン間で受けたラカゼットが良いパスを出すシーンもありました。
逆にラカゼットがさらに低い位置まで下りるシーンもあったのは今後の改善点でしょう。
つまり、大事なのは、だれがどこで受けるのかの役割の整理と、全体のバランスです。
クロスの入れ方の是非を問う
ここからは少し番外編的な話でクロスについて書きます。
まず、筆者のスタンスを明らかにすると、クロスの本数よりも内容をどうにかしろ派の人間です。
ウルブズ戦のアーセナル全体や、この試合のベジェリンのように合わせる選手もいない(または競り勝てない)のにただ無策に放り込むクロスには反対だ。
得点の匂いは感じないし、この試合のように被カウンターからの失点のリスクだって大きい。
逆に、ウルブズ戦のサカのクロスのようにニアゾーンランからのマイナスのクロスなど、入れ方に工夫が見られるクロスに関しては良いと思う。
マイナスの折り返しは相手DFは視野をリセットされるため、競り合いで強くなくても決められる可能性も高まるだろう。
あとは、ティアニーやウィリアンのようにピンポイントで合わせられるクロスの場合も一定以上の期待を抱いていいと思う。
クロスを有効活用するためにも、大外で張る選手とニアゾーンランをする選手の役割を明確にする必要があるだろう。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
スパシーバ
エジルに見惚れてグーナーになった人。18/19シーズンから戦術ブログを開設してリーグ戦全試合のマッチレビューを投稿している戦術系グーナーです。