【マッチレビュー】アーセナル対バーンリー~上向いた内容とそれをぶち壊した男
みなさんこんにちは。
ここからはファンも選手も地獄の12月から1月頭にかけての過密日程、今節はそのスタートとなるバーンリー戦です。
ELは6戦全勝でGS突破を決めたこの勢いでプレミアのここまでの悪い流れを払しょくしたいところ。
アーセナル0-1バーンリー
もくじ
両チームのスタメン
アーセナルは前節のスパーズ戦からのスタメン変更は1人のみです。
前節負傷交代のトーマスに代わってエルネニーがスタメン復帰を果たしています。
対するバーンリーは前節のエヴァートン戦からの変更は無しです。
両チームの二次配置
アーセナルのボール保持時
アーセナルのボール保持時は2CB+ボランチで3バック化するビルドアップ。
ジャカがクロースロールで左SB裏に降りて3バックを形成し、バーンリーの2トップに対して数的優位を確保した。
エルネニーは2トップの間に立ったりジャカが中盤の列に残る時は最終ラインまで下りたりしてこちらもビルドアップを手助けした。
前線は、幅取り役で左はティアニー右はウィリアンが大外に張っていた。
その内側のハーフスペースでは左はサカのポジショニングがティアニーと外外になっていたスパーズ戦から改善されていた。
右は外にウィリアン、右のハーフスペースにラカゼットでベジェリンが少し低い位置にいるのだが、ラカゼットへの楔のパスのコースが後ろから引けている時は良かったがベジェリンのポジショニングが曖昧だったのは気がかりであった。
バーンリーの守備は前からのプレスの形があるわけではないが、うしろで構える4-4-2のブロックは光るものがあった。
良くも悪くも古典的なイングランドのスタイルだ。
バーンリーのボール保持時
バーンリーの戦い方は7位に食い込む躍進を遂げた17/18シーズンから一貫しており、一言で表すならば「キック・アンド・ラッシュ」です。
ショートパスのビルドアップではなく最後尾からのロングボールで前進を試みています。
とはいえ、雑に蹴るのではなく、クリス・ウッドをターゲットにし、そこで納めれば前向きに2列目の選手が受けられるし、競り合ってこぼれればセカンドボールの回収を目指すというものです。
敵陣に侵入してからは大外からクロスを入れるのがメイン戦術でした。
ハーフスペースに走り込んだりとかはなくシンプルに放り込むクロスです。
13分、ポープからのロングボールをウッドが競り合いジェイ・ロドリゲスが拾ってキープ、ロートンからのクロスにエリア内に走り込んだシーンはバーンリーの前半1番のチャンスだったと言える。
バーンリーのやりたいことが詰まった一連の攻撃だと感じました。
(マガリャンイスのラインコントロールにベジェリンがしっかりついていけてればオフサイドで何もならなかったんですが…)
左サイドと右サイドのクオリティの差
左サイドはサカがしっかりとハーフスペースでボールを引き出せるようになり、攻撃が活性化、そこにオーバメヤンも流れてきてサカ、ティアニー、オーバメヤンのエリアからチャンスを創出していました。
この試合も崩しにおいて一番可能性を感じさせてくれるのはサカでした。
ボールを引き出す動きやボールを持ってからの仕掛けに加えて、オフザボールの動きでもティアニーをよく助けていました。
11分のシーンでは右SHのブレイディをはがしてそのままドリブルで仕掛けると右SBのロートンを釣りだしたところで大外でフリーのオーバメヤンにパス、そこから深くえぐってのクロスからウィリアンの落とし→ラカゼットのシュートからの流れはうまく崩せていました。
一方、右サイドはやや…いや、結構物足りなさが残る出来でした。
そして今回も結局問題なのはベジェリンのポジショニングでした。
左サイドはサカ、オーバメヤン、ティアニーの3人が絡んだ崩しができていました。
一方、右サイドは2人での連携(ウィリアン-ベジェリンかウィリアン-ラカゼット)がせいぜいで、ウィリアンが大外で1対2のような形になるシーンもいくつかありました。
押し込んだところではラカゼットは本職がストライカーなこともあってエリア内でクロスを待つ側の選手になります。
そうすると、右の大外でウィリアンがボールを持った時右のハーフスペースが空いてしまいます。
この点では左はオーバメヤンがエリア内に入っても大外ティアニーとハーフスペースはサカで役割分担がしっかりしていました。
ここはベジェリンが走り込んでパスを引き出したりしてほしいのですが、少し下がった位置で動かないため、ウィリアンが単騎で仕掛けてクロスを入れるか下がり目のベジェリンに戻すしかなかったのは苦しいところでした。
次節への展望
次節はベジェリンが累積で出場停止ということで右SBはセドリックかメイトランド=ナイルズということになります。
個人的にはセドリック・ソアレスを推したいですね。
ELでいいプレーをしているセドリックを起用しないというのはチーム内の健全な競争の観点からよくないと思うのはもちろんですが、それ以上にセドリックは誰とでもうまくプレーできます。
守備も堅実で、クロスの精度もよく内外の走り分けができる選手ですので、うしろでバランスを取りつつ攻撃参加もできると考えます。
次節は4-2-3-1からこんな感じに可変する布陣が見てみたいところです。
それから、ライン間で受けるセンスに関してはサカに近いものがあるスミス・ロウの起用もありかもしれません。
次節は好調のセインツが相手ということで難しい試合になることは間違いないでしょう。
スパシーバ
エジルに見惚れてグーナーになった人。18/19シーズンから戦術ブログを開設してリーグ戦全試合のマッチレビューを投稿している戦術系グーナーです。