21/22シーズンvsアーセナルベストイレブン
5月23日に行われた最終節を持って21/22シーズンプレミアリーグの全日程が終了しアーセナルの今シーズンは4位フィニッシュを目の前にして最後の最後で指の隙間からすり抜けるように5位フィニッシュとなった。
今シーズンも様々なチームと戦い、さまざまな選手と対面してきた。
そんな数多くの選手の中からベストイレブンを選出し、今シーズンの振り返りの1つとしていこう。
もくじ
vsアーセナルベストイレブン
今シーズンはこちらで募集させてもらい、FW・MF・DFそれぞれ得票数の多かった選手を選出し、1票も集まらなかったCBのみこちらから推薦枠として選出させてもらった。
数多くの投票ありがとうございました。
最多得票はククレジャの33票で2位のジョタの25票に8票差をつけての堂々の1位となっている。
3位は15票を獲得したロドリ、こちらはプレー以外の要素も含んでいそうだ。
それでは、各ポジションの総評とと投票結果、選出選手について詳しく書いていこう。
FW部門(CF/WG)
ディオゴ・ジョタ(リヴァプール)【得票数第2位】
ジョタは今シーズンのアーセナル戦にはカラバオ杯含めた全4試合に出場し、その中でリヴァプールが記録した8ゴール中4ゴールを決め、アーセナルキラーぶりを発揮している。
カラバオ杯2nd レグでの冨安をかわして決めたゴールとカウンターでアーノルドのフィード1本で抜け出し、最後はループで決めたゴールの計2ゴールのパフォーマンスも圧巻だったが、それ以上にプレミアリーグ27節の先制ゴールだろう。
絶妙なポジショニングから抜け出して最後は角度のないニアの狭い所を打ち抜いたゴールだった。
前半は一進一退の攻防が続き、後半はパスミスからの決定機を決めきれなかった後に、ジョタのこのゴールが生まれ、そのまま流れを引き戻せないまま追加点も許してしまった試合だ。
クリスティアーノ・ロナウド(マンチェスター・ユナイテッド)
説明不要の史上最高のストライカーの1人だ。
対アーセナルのリーグ戦2試合に出場しユナイテッドの全4ゴール中3ゴールは彼の決めたものだった。
14節の対戦時は12節にワトフォード相手に大敗を喫してスールシャール解任、マイケル・キャリック暫定監督に率いられチームの状況、試合内容は良いとは言えない中でも2ゴールを記録し、ユナイテッドを勝利に導いた。
34節の時のユナイテッドのチーム状況は控えめに言って最悪だ。
3月以降のリーグ戦6試合で2勝1分3敗、そしてその2勝はロナウドのハットトリックによるものだった。
シーズン途中に就任したラングニックの求心力は地に堕ち、チームはバラバラ、そんな中で迎えたアーセナル戦も試合としてはアーセナルが見事に勝利を飾ったのだが、その中でも一瞬の隙をついてガブリエウを出し抜いて決めたゴール、そのほかにもポストプレーで起点になり、キーパスも2本記録、決定機も2度迎えるなど文字通り孤軍奮闘のプレーだった。
ソン・フンミン(トッテナム)
昨シーズンほどではないが今シーズンもやってくれたなという印象だ。
アジア人初のプレミアリーグ得点王に輝いたが、彼にはアカデミー賞を目指すことをお勧めするよ。
6節の対戦時はWGとしては冨安に見事に封じ込められまともな仕事はできなかったがそれでも79分にはレギロンからの折り返しを押し込み意地の1ゴールを記録。
5月13日に行われた22節の延期分の試合では狡猾なプレーとアカデミー賞級の演技でホールディングを退場に追い込むと後半開始早々にダメ押しの3点目を決め、アーセナルの手中に収まりつつあったCL圏をかすめ取って行った。
昨シーズンのゴラッソほどの派手さはなかったが、今シーズンも2試合で2ゴールを決めている。
FW部門投票結果
1位(25票) ジョタ(リヴァプール)
2位(6票) ソンフンミン(トッテナム)
3位タイ(4票) ロナウド(マンチェスター・ユナイテッド)
トロサール(ブライトン)
リシャルリソン(エヴァートン)
ロナウドと並んで4票の投票があったのはブライトンのトロサールとエヴァートンのリシャルリソンだ。
この2人もアーセナルとグーナーを絶望に叩き落すゴールを決めたが、2試合通してのパフォーマンスを加味して今回はロナウドを選出させてもらった。
MF部門
ロドリ(マンチェスター・シティ)【得票数3位】
ロドリは今シーズンのアーセナル戦2試合にアンカーとボランチとして出場し2ゴールを記録した。
2節の対戦時はアーセナルが踏んだり蹴ったりな状況もありシティの大勝に終わったが、元旦の21節は前半はアーセナルのペースで試合が進み、リードした状態で折り返す。
しかし、後半に入るとシティも流れを取り戻し、54分に疑惑のPK献上からの同点、そして畳みかけるようにガブリエウの退場で一気に試合はシティのペースに。
それでも耐えたアーセナルだが、後半ATにロドリに決勝ゴールを決められて今シーズンもシティ相手にシーズンダブルを食らうことになった。
あの忌々しいゴールとパフォーマンスが忘れられないが、ボランチとしてのプレーも素晴らしく、ボール保持時はビルドアップの中心となり、守備時はフィルター役としてカードが出るすれすれのプレーでアーセナルの攻撃の芽を摘み続けたのもまた事実だ。
コナー・ギャラガー(クリスタル・パレス)
今シーズンはチェルシーからのローンでクリスタル・パレスに加入しているギャラガーはアーセナル戦2試合どちらも90分フル出場を果たしている。
ゴールやアシストと言った数字は残していないが守備時の、特に前プレスの旗頭としてアーセナルを苦しめ1勝1分に繋いだ立役者だ。
2試合通して地上でのデュエル23回で10回勝利、空中戦も4回で3回勝利、タックル数も2試合合計7回を記録している。
活躍した選手だなとの印象はあったが、ここまで票が集まるとは思っていなかったので、今回の投票の中で1番のサプライズと言えるだろう。
ブルーノ・ギマランイス(ニューカッスル)
冬にリヨンからニューカッスルに加入したため、アーセナル戦の出場は37節の1試合のみだが、その1試合のインパクトが大きかった。
また、アーセナルもギマランイス獲得を狙っていたが、結局実現せず、ニューカッスルに行ったというのもダメージが大きい。
巧みなポジションの取り直しでウーデゴールのプレスを外して前線へのパスを供給するそのプレーぶりはアーセナルがアンカーに求めるプレーそのものだった。
そして、ダメ押しに1ゴール決めたことで文字通りアーセナルの希望を叩き潰したところまでがセットとなっている。
MF部門投票結果
1位(15票) ロドリ(マンチェスター・シティ)
2位(12票) ギマランイス(ニューカッスル)
3位(5票) コナー・ギャラガー(クリスタル・パレス)
DF部門
ククレジャ(ブライトン)【得票数1位】
アーセナル戦2試合でそれぞれ左WBと左CBとしてフル出場を果たし、ブライトンの1勝1分、2試合通してのクリーンシート達成に大きく貢献した。
第7節では左WBとしてスタメン出場を果たし、加入後のリーグ戦3連勝を飾り、対面したWGのことごとくを封じてきた冨安にプレミアリーグの厳しさを最初に教えたのがククレジャだった。
はいそこ、ククレジャもプレミア1年目だろとか言わない。
地上デュエル6回中5回勝利、空中戦2回中2回勝利と冨安とのマッチアップで優位に立つとドリブル成功1回、キーパス4本、クロス成功2本を記録し、アーセナルの右サイドに脅威を与え続けた。
また、守備ではタックル4回を記録していることも見逃せない。
主戦場を4バックの左SBと3バックの左CBに移した後半戦、32節のアーセナル戦ではククレジャは3-5-2の左CBとしてスタメン出場を果たすと、今度はサカに全く仕事をさせなかった。
この時のアーセナルの1番のストロングポイントは間違いなくサカが対面するSBとのマッチアップにおける質的優位だったが、それを封じられたこともあり、試合はブライトンの勝利に終わっている。
地上デュエル7回中4回、空中戦5回中4回で勝利、さらにはクリア2回シュートブロック2回インターセプト2回タックル3回を記録しアーセナルの右サイドからの攻撃を封殺した。
今シーズン、冨安を苦しめたアタッカー、サカを苦しめたディフェンダーはそれぞれ数えられる程度しか存在しないが、そのどちらにも名乗りを上げることができる選手は今シーズンのプレミアリーグでククレジャだけだっただろう。
スペンス(ノッティンガム・フォレスト)
スペンスの所属するノッティンガム・フォレストはEFLチャンピオンシップ(イングランド2部)に位置するため、アーセナルとの対戦はFA杯3回戦の1回のみだったが、そこでスペンスが見せたパフォーマンスは見事なもので、試合後に多くのグーナーが彼の獲得を望むようなものだった。
3バックの右WBとしてフル出場を果たすと攻守で対面したマルティネッリとタヴァレス、ティアニーを苦しめた。
地上デュエル14回中12回で勝利、インターセプト4回とタックル2回を記録し、マルティネッリはこの試合ドリブル成功0回、シュートもブロックされた1本、クロス1本のみとほとんど仕事をさせてもらえなかった。
また、ドリブル7回中6回を成功させており。攻撃でも脅威となっていた。
ジョエル・マティプ(リヴァプール)【推薦選出】
ここまでのDF部門で選出したSB(WB)の選手と違い、リヴァプールの右SBのアーノルドはマルティネッリにドリブルでの仕掛けでいいようにやられていたが、それを致命傷にさせなかったのが、ここで選出したマティプだ。
マルティネッリがアーノルドをかわしても素早いカバーリングとプレッシャーで決定的な仕事をする手前で阻止していた。
マルティネッリはこの試合でドリブル3回中3回を成功させ、ゴールに迫ろうとしていたが、枠外シュート1本、キーパス1本のみに終わったのはマティプのカバーリングの速さゆえだろう。
ダン・バーン(ブライトン→ニューカッスル)【推薦選出】
ダン・バーンは今シーズン、前半戦はブライトンの一因としてアーセナル戦のクリーンシートに貢献すると冬にニューカッスルに1300万ポンドの移籍金で加入すると、こちらでもアーセナル戦でのクリーンシート達成に大きく貢献した。
ブライトンでもニューカッスルでも2メートル越えの身長とフィジカルを活かし、文字通り壁となってアーセナルの攻撃を跳ね返し、空中でも地上でも高いデュエル勝率を誇ったのだった。
DF部門投票結果
1位(33票) ククレジャ(ブライトン)
2位(5票) スペンス(ノッティンガム・フォレスト)
3位(1票) ミッチェル(クリスタル・パレス)
CBに1票も入らなかったこととククレジャ、ミッチェルとサカに仕事をさせなかったSBに票が入っていることは今シーズンのアーセナルのスタイルと苦戦した相手を象徴しているようにも感じる。
GK部門
フォースター(サウサンプトン)
アーセナルが3-0で勝利を収めた16節のアーセナル対サウサンプトンではフォースターは負傷離脱中で、カバジェロがゴールマウスを守っていたため、フォースターが出場したアーセナル戦は33節の1試合のみであった。
この試合、アーセナルが圧倒的にボールを保持して攻め込み23本のシュートを放ったが得点を奪うことができなかった。
アーセナルの枠内シュートが6本にとどまったことも問題だが、それでもサカの至近距離からのシュートやこぼれ球に詰めたスミスロウのシュートなどエリア内からのシュートを4本止めているため、フォースターが見事だったという他にない。
GK部門投票結果
1位(6票) フォースター(サウサンプトン)
2位(3票) ニック・ポープ(バーンリー)
おわりに
順当に選ばれたなという選手や、この選手は忘れたくても忘れられないという選手が選ばれた一方で、サプライズのように選ばれた選手もいた今回のベストイレブン、自分1人で選ぶのとは違う楽しみや見方ができたので来シーズン以降もやりたいと思う。
また、このベストイレブンから見えるアーセナルの課題だが、ここに名を連ねているソンやジョタに加えて今回は選ばれなかったがケインなど、アーセナルはリピーターによくやられる印象があるので、ここはぜひ改善して欲しい。
最後に、おまけ感覚で審判についても募集したら、マイク・ディーンやポーソン、アトウェルといった名前が挙がったがそれらを抑えて6票でトップに立ったのがポール・ティアニーだった。
名前が挙がった審判はみな判定の基準ががばがばだったり、明確な誤審があったが、その中でもポール・ティアニーはノースロンドンダービーでそれをやったのだから心証は悪いだろう。
逆に、今シーズン最も素晴らしかった審判は?と聞かれたら真っ先にアンソニー・テイラーの名前を挙げたい。
今シーズン、アンソニー・テイラーが担当したアーセナルの試合はアーセナルが見事に3勝を挙げており、相性がいいこともそうだが、アーセナルと無関係の試合でもアンソニー・テイラーのジャッジは安定してて安心して見ていられる印象がある。
エジルに見惚れてグーナーになった人。18/19シーズンから戦術ブログを開設してリーグ戦全試合のマッチレビューを投稿している戦術系グーナーです。