【マッチレビュー】チェルシー対アーセナル~Rondon is Red!
今シーズンも気づけば残すところ数試合、欧州への道は絶望的ということでテンション上がらないかなと思いましたが、結局のところビッグロンドン・ダービーということでテンション上げて平日朝4時に起きていました(笑)
プレミアリーグ第36節チェルシー対アーセナル、ビッグロンドン・ダービーのマッチレビューです。
チェルシー0-1アーセナル
もくじ
両チームのスタメン
後半ATに逆転ゴールを決めて勝利を挙げた前節のシティ戦からは6人のスタメン変更をしてきました。
ローテーションの質がやばいですね☆
シティ戦に出たメンバーと入れ替わりでアーセナル戦スタメンのメンバーどっちが序列上かわからないくらい豪華な選手層してますね、これ。
前節WBA戦からは5人のスタメン変更を行ってきました。
マリとマガリャンイスは同時起用はおそらく初です。
そして、ティアニーが左CBに入る変則3バックは昨シーズンにも導入していましたが、本職CBを3人起用する3バックはアルテタ政権ではおそらく初の出来事です。
そして、サカはこの試合では右WBを務めます。
アーセナルの前プレス~狙い目はどこか
アーセナルのプレスの狙いは左サイドの追い詰めることでした。
オーバメヤンはチアゴシウバの右寄りに立ちアスピリクエタへのパスコースを警戒していました。
そして、チェルシーの中盤に対してアーセナルは右はスミスロウがボランチのギルモアを抑え、エルネニーがジョルジーニョをマーク、ウーデゴールはジョルジーニョへのコースを消しながらズマにプレッシャーをかけに行きました。
トーマスはスミスロウや前に出たエルネニーの背後のスペースをカバーしています。
1人でそれは危なくない?と思いますが、3トップに対してはそれぞれ3バックがマークについていたため4対3の数的優位で守れる状況は作れていました。
ただ、スミスロウの立ち位置からわかるように右サイドに展開されると、アスピリクエタが比較的自由に持ち上がれたため、アスピリクエタにアーセナル陣内まで持ち上がられてピンチになるシーンもありました。
チェルシーの前プレスとアーセナルの回避方法
チェルシーの守備は3-4-3から3トップは3バックに対して、ボランチへのコースを抑えながら外に追い出すようにプレッシャーをかける動きをしていたのが特徴的です。
そして、WGが前にスライドするとボランチが前にスライドしてアーセナルのボランチを抑えていました。
このプレスで徹底的に外に追い出してサイドで奪うというコンセプトで守っているように感じましたね。
それに対して、アーセナルはスミスロウとウーデゴールがWBの背後に降りてボールを引き出していました。
右はサカが高い位置を取り、ウーデゴールが外に流れると入れ替わりで中に入って行き、左はオーバメヤンが流れてきてポストプレーをいつもよりこなすことでそれぞれスミスロウとウーデゴールは前を向いてボールを持つことができていました。
ただ、シャドウの選手がここまで下りてくるため、前線に残る選手は減りますし、サイドからの前進はある程度できましたが、ファイナルサードでの仕上げにたどりつける回数はあまりなかったことを考えるとトゥヘルの術中と言うしかないという感じです。
スミスロウのプレッシングからの先制ゴール
先制点のシーンはまず、ズマ→ギルモアのコースを切る立ち位置にウーデゴール、ジョルジーニョ→ギルモアを抑える位置にエルネニーが立ち、前方向へのパスコースを封じた状態で、ズマからのパスがジョルジーニョに出されました。
ズマが出す瞬間にはジョルジーニョからのコースは抑えられていましたがジョルジーニョがパスを受けられるスペースはありました。
しかし、パスの移動中にスミスロウがジョルジーニョにプレッシャーをかけ、焦ったジョルジーニョは無人のゴールにパスを出してしまいました。
ケパが掻き出すもこぼれ球をオーバメヤン→スミスロウとつなぎゴールを決め、先制することに成功しました。
ボールの移動中にジョルジーニョの焦りを生むようなプレッシングを行ったスミスロウと、そもそもあの状況で前へのパスコースを封じていたチームとしてのプレスの設計の勝利と言えましょう。
後半のトゥヘルの修正
後半頭にギルモアを下げてハドソン=オドイを投入、メイソン・マウントをボランチの位置に下げました。
この修正でアーセナルのプレスがずらされます。
前半はギルモアを抑えていたスミスロウですが、後半に入るとボールサイドにいるジョルジーニョは前半同様、エルネニーの監視下にありましたが、マウントはズマの前か外側に立っていました。
そのため、左サイドに追い詰める守備をする上でスミスロウはタスクを見失っている印象でした。
そして、左サイドではチルウェルは前半より高い位置を取りサカを押し下げ、その背後にマウントが下りていきますが、ウーデゴールがズマにプレッシャーをかけるとマウントがパスを受けて独力で持ち上がることができます。
逆に、マウントを気にかけた場合はズマが自力で運ぶことができるため、アーセナルは前半と比較してラインを下げざるを得なくなっていました。
また、オドイの投入で前半は整理されていたアーセナルのバックラインの守備の基準もズレた印象です。
前半は5人がそれぞれ目の前の選手のマークの担当で解決していましたが、後半に入ると右WGに入ったオドイが外側に流れることでティアニーは1人で2人を見るような形になりました。
さらに、ハフェルツも左に流れてくる頻度が増えていたため、マガリャンイスを含めた場合でも2対3で数的不利の状況になっています。
マリが見れば?と思うかもしれませんがそれだと中央を開けることになるのでリスクが見合いません。
結果として、ハフェルツがエリア内で倒されかけたシーンのようにリース・ジェームスが大外で自由を得たり、リース・ジェームスとオドイが入れ替わるように抜け出すことで右サイドからの決定機が後半は多かったように思います。
まとめ
内容でいえば、トゥヘルチェルシーは決して悪いものではありませんでした。
しかし、アルテタアーセナルは自身のプランを遂行し勝ち点3をもぎ取ることに成功しました。
勝ちは勝ちです。
虎の子の1点を守り切り見事に03/04シーズン、インビンジブルズ以来となるチェルシー相手のシーズンダブルを成し遂げました。
バス留め戦術にとやかく言う人もいるでしょうが、相手を分析し、力量差を考えて最も勝てる確率の高い選択肢を選んだがゆえの結果です。
もちろん、下位相手に同じ戦法を取るのはそれが最も勝利の確率が高い訳ではないので止めた方が良いですけどね(笑)
今シーズンも残り2試合、きっちり勝ち切って最低限気持ち翌シーズンを終わりたいですね。
そして、他チームの動向次第では欧州への切符が転がり込んでくることもあり得るので期待しながら待つとしましょう。
次節はクリスタル・パレス戦です。
あれ?明らかにこちらが各上なはずなのにここ数年悪い思いでしか思い出せない相手ですね。
そんな悪い思い出の払しょくのためにも次節は勝利したいところです。
スパスィーバ
エジルに見惚れてグーナーになった人。18/19シーズンから戦術ブログを開設してリーグ戦全試合のマッチレビューを投稿している戦術系グーナーです。