【マッチレビュー】アーセナル対エヴァートン~上向いた内容と変わらないVAR~
スーパーリーグ構想でサッカー界全体が激動だった1週間も過ぎ去り再び日常が帰ってきました。
プレミアリーグ第33節アーセナル対エヴァートン、エミレーツスタジアムでの1戦です。
この試合の直前にスタジアムの前で行われたデモの映像はなかなかにすごかったですね。
あれくらい現地に行って熱狂するのに憧れてます。
では、マッチレビュー行きますか
アーセナル0-1エヴァートン
もくじ
両チームのスタメン
フラム戦から中1週間で行われた今日のエヴァートン戦はスタメンを6人入れ替えてきました。
次のELビジャレアル戦も中5日と間隔が空く上に相手は1つ上の8位につけるエヴァートンということもあり主力を投入してきました。
レノは問題なくスタメン復帰し、マリも現状でマガリャンイスとの併用でマガリャンイスが今は絶対的な存在ではないことがうかがえます。
そして、チェンバースが現状の右SBで1番手か2番手かという状況で右SB3人の中では序列が高そうです。
けが人に関してはフラム戦で負傷交代したラカゼットは今回のエヴァートン戦こそ欠場しますがそれほど重症でもない様子で一安心です。
スパーズ戦から中6日で行われた今回の試合、スタメンは3人を入れ替えてきました。
全体的に攻撃的な布陣になったのが特徴的です。
アンドレ・ゴメス、カルバート=ルーウィンが負傷離脱から戻ってきたというのが大きいでしょう。
一方、アランとともに中盤を締めていて序盤では話題にもなっていたドゥクレは負傷離脱中で多少の強度の低下が懸念される布陣ですがどう出るのか要注目でした。
両チームの二次配置
アーセナルのボール保持時
アーセナルのビルドアップは3-1-6(厳密には3-1-2-4?)の形を継続しています。
しかし、この試合で目立ったのはセバージョスとスミスロウの動きです。
以前の数試合はセバージョスは大外に張っている時間が多かったですが、この試合ではペペの内側に立ち位置を取るシーンが目立ちました。
同様に、それまでは内側のレーンでトライアングルの一角に入るシーンが多かったスミスロウは相手のブロックの外に降りてきてパスを引き出すシーンが目立ちました。
そして、2人とも、縦の動き出しも目立ち、この2人の流動性がチーム全体にもプラスに作用していました。
エヴァートンの守備はカルバート=ルーウィンとハメスの2トップの4-4-2がメインでしたが、リシャーリソンとシグルズソンはリシャーリソンが前目に出るのに対してシグルズソンは少し後ろ重心にも見えました。
しかし、エヴァートンのアンドレ・ゴメスとアランはスミスロウとセバージョスにどこまでついていくかの判断に迷いがあった印象です。
そのため、セバージョスの縦の動きについて行かずにパスが通ったり、逆に外に降りていく動きについていき縦パスのコースが生まれていました。
エヴァートンのボール保持時
エヴァートンのボール保持時は明確な可変の形があるわけではありませんが、よく見られた形としてはアンドレ・ゴメスが最終ラインに降りて3バック化する動きでした。
それから、ゲームメイクはハメスを中心に回っていました。
サイドでも中央でもエヴァートンがポゼッションから攻める形の中ではかなりの頻度でハメスがボールに絡んでいました。
ジャカの左SBの穴
失点そのものはレノのオウンゴールという記録になりましたが、そもそもジャカの軽率な対応にも原因はありました。
とはいえ、これまでの数試合は表面化しなかったもののジャカの左SBの脆さの詰まったシーンでもありました。
・対面のWGが快足のリシャーリソン
この2つの条件がそろい、リシャーリソンとジャカの1対1で簡単にかわされたのが失点の原因と言えます。
おそらく、アルテタもこの弱点は覚悟のうえでジャカを左SBに置いていたでしょう。
多用されたサイドチェンジ
この試合のセバージョスは動き出しもですが、サイドチェンジの多用が目立ちました。
逆サイドのスミスロウも本数はセバージョスほどではありませんが似た傾向にあります。
エヴァートンの選手は帰陣が速いことに加え、SBの守備のベクトルがかなり前に強く、ファイナルサードに侵入しても押し戻されるシーンがありました。
そこで、仕切り直しも兼ねてサイドチェンジが増えたのでしょう。
同サイドで強引に押し通そうとして、不用意なロストをせずにじっくり攻めるという点ではこのサイドチェンジの多用は評価できます。
ただ、このサイドチェンジにはいくつか足りないものがあった印象です。
それはサイドチェンジのパススピードと方向です。
この試合のサイドチェンジの多くは横か少し後ろ気味へのパスでエヴァートンの守備ブロックの前を行き来するため、守備ブロックのスライドが追い付いてしまっていました。
これが同サイド圧縮の背後、少しでも前進できる方向にパスを出せていれば、守備ブロックを揺さぶったり、ズレを生み出すことができます。
この試合でサイドチェンジが最もうまくいったのはおそらく59分のサカからの戻しを受けたスミスロウのサイドチェンジです。
このシーンでは相手の守備ブロックの前ではなく背後まで通せたことで、ペペが良い形でクロスを入れるところにつながりました。
また、このレベルではジャカ、ペペのレベルのパススピードでないと相手を揺さぶれないように感じました。
ELビジャレアル戦に向けて
この試合でジャカの左SBが露呈し、なおかつビジャレアルの右サイドにはチュクウェゼがいることを考えたら、ジャカをボランチに戻してセドリックを左SBに起用するというのは十分に考えられます。
それから、ペペがここ数試合コンディションが良いこと、さらにセドリックも幅を取った所からの貢献というよりはハーフスペースで連携する方が左では向いていることを考えたらペペも継続してスタメン起用は十分にあり得るでしょう。
1トップの方はラカゼット、オーバメヤンの回復度合いに左右されるとしか言えませんが、この2人が無理ならエンケティアでしょう。
結果こそ残せませんでしたが、動き出しの面で光る部分のあったエンケティアには期待したいところです。
まとめ
そろそろVARの嫌がらせには飽きましたね。
フラム戦より内容の改善が見られて、結果さえついてくれば選手の自信につながったのにというところでこの敗戦は手痛いです。
ですが、これで正真正銘、リーグ戦の望みは絶たれた状況ですので、ここからはELに軸足を完全において戦うのもありですし、もう開き直るしかない状況ということで、選手の爆発力にも期待したいところです。
スパスィーバ
エジルに見惚れてグーナーになった人。18/19シーズンから戦術ブログを開設してリーグ戦全試合のマッチレビューを投稿している戦術系グーナーです。