【マッチレビュー】アーセナル対ウェストハム~昨季とは一味違うことを見せたアルテタのチーム~

2021年2月13日

皆さんこんにちは。

今回はホーム開幕戦、前節に続いてロンドンダービーとなっております。

モイモイことデイヴィッド・モイーズ率いるウェスト・ハムとの対戦です。

 そういえばアルテタは選手時代にエバートンでモイーズの指導を受けてましたね。ということはこれも一種の師弟対決となりますね(笑)

アーセナル(H)2-1ウェストハム

【アーセナル】26’ラカゼット 85’エンケティア

【ウェストハム】45’アントニオ

・スタメン

メンバー

 アーセナルは当初のスタメンでは左CBはティアニーでしたが試合前の練習で負傷したようで急遽コラシナツが起用されました。

ティアニーのけがはそこまで重いものではないようですが、替えの利かない選手ですし心配です。

後は開幕節ではエルネニーがスタメンだった右のボランチはセバージョスがスタメン出場をしました。

 対するウェストハムは予想外の5-4-1の布陣を敷いてきました。

これは予想外でした。果たしてどのような意図があるのでしょうか…?

・前半-1 ご注文はミラーゲームですか?

図-1

 本来SBのクレスウェルを左CBに起用してまるでアルテタアーセナルのような布陣を敷いたモイーズで、初期配置のみを見ればミラーゲームをご所望に見えますが、アーセナルは攻撃時はだいぶ形を変えるのでシンプルなミラーゲームとはいきません。

ですが、アルテタアーセナルの今の布陣の強みはポジションを入れ替えながらも5レーンに人を配置し理詰めで崩せることです(例えば、左でオーバ、左WB、左CBで相手のCB、SBに対して数的有利で崩したり)。

それに対してモイーズは5レーンに1人ずつ人を置きウェストハムの最終ラインで5対5の形にしようとしているように感じました。

ここの意図が強く出たマッチアップは赤丸で囲ったところ、特にウィリアンとクレスウェルのところだと思います。

下りていくウィリアンに対してクレスウェルはかなりがつがつついていく印象でした。

仮に4バックだとここでついていきすぎるとスペースが生まれてそこを使われるリスクがありますが、5バックだとそこを人数でカバーできるメリットがあります。

 アーセナルとは違いあくまでも5-4-1でまずは引いて守るといった形が優先事項で前から連動してプレスをかけるといったシーンはあまりありませんでした。

1トップのアントニオがある程度は追いますが、そこに味方が続くというよりはその後ろは5-4で固めて守っていて、ボランチにブロックの前でボールが入ると近い選手が縦パスは出させないようなプレッシャーのかけ方をしていました。

図-2

 ボール保持時のハマーズはこれまたアーセナルの模倣のような形でした。

左CBのクレスウェルが左SBになる形でWBのマスアクは内側に入る場合とクレスウェルと縦関係になる場合の2パターンがありました。

前線は頻繁にアントニオが流れてきてフォルナルスもそこに連動する形で走りこんでロングボールにはいい反応を見せていました。

 クレスウェルのボールタッチ数、パス本数は逆サイドのディオプの倍近い数字を記録していたことからも左から崩したいという意図は感じられました。

とはいえ、やはり一番脅威なのは後方からのロングボールにシンプルにアントニオやフォルナルスが走りこんだりする形ですね。

解説の粕谷さんも言っていましたがこの手の肉弾戦に持ち込まれるのはアーセナルにとっては嫌ですからね。

・前半-2 崩すなら左から?

図-3

 アーセナルも崩しの中心は左サイドでした。サカ、コラシナツ、オーバメヤンの3人左の大外とハーフスペースでトライアングルを形成し、3対2に近い状況を作っていました

3人がフレデリクスとディオプの両脇に並ぶ形もありましたが、やはり一番機能した形は先制点のシーンのような三角形になりオーバメヤンが内側に絞り、コラシナツが大外高い位置を取りサカはライン間で受けられるようにこの2人の少し手前にいる形です。

 また、このシーンでは最後ラカゼットがヘッドで決めていますが、ウィリアンが相手DF2人を引き連れてラインを押し下げたことでマイナスにスペースがエアポケット的に生まれてそこで押し込むことができました。

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図-4

 その直前にはジャカからコラシナツにパスが通り、すぐにライン間のラカゼットにパスを出してラカゼットが裏へ走るサカへのパスを通し決定機になりかけたシーンです。

こちらはオーバメヤンが中央にいてラカゼットが流れてライン間で受けた形ですが、選手が変わっても三角形を形成してライン間で受ける選手、大外で幅を取る選手、裏を狙う選手と役割分担ができているのは、人に依存するのではなくチームの戦術として、確立できていることの証明だと思います。

・前半-3 やっぱりアントニオ

図-5

 ハマーズの同点弾はアントニオでした。

結局誰が来てもハマーズと言ったらアントニオ的なところありますよね(笑)

と、そんなことは置いといてこのシーン、確かにホールディングがアントニオに前に入られたのは痛恨でしたし、ジャカとコラシナツでドリブルしてくるボーウェンとその後ろ上がってくるフレデリクスに対して2対2の構図でしたが、ずるずる下がってしまい、最後はボーウェン→フレデリクスで抜け出してフレデリクスの折り返しをアントニオに押し込まれました。

ここの対応の是非についてもそうですが、こ子に至る過程にも少し目を向けてみましょう。

ファビアンスキが大きく蹴りだしたボールが左サイドに流れたのをフォルナルスが拾い、そこからマスアク経由でソーチェクが右に展開、ボーウェンが持ち上がり最後はフレデリクス→アントニオでした。

 この形はモイーズの設計した物とは思いませんが(偶発的な要素が大きいので)、それによって起きた現象はアーセナルがFA杯シティ戦、コミュニティシールドのリヴァプール戦、前節のフルハム戦で決めたゴールと似ていて前プレスの後ろのスペースを一気に前進してからのサイドチェンジで手薄なところを突いてそのままゴールにチームで押し寄せて決めたゴールでした。

 そう考えると、仕方ないというか、必然の失点だったのかもしれません。

・後半-1 ハマーズの修正

 後半に入ると徐々にハマーズのペースに移っていきます。前半から後半で変わったことと言えばチーム全体のプレスの練度が上がったように感じました。

前プレスにボールサイドのシャドウが動くようにもなりましたが、5-4のブロックの前はあまり変わっていません。

5-4の間を前半より狭めたことにより、前半はライン間で受けて前を向いたり展開していたサカ、ラカゼット、ウィリアンの自由が奪われたことにより攻めあぐねるようになりました。

特に、サカがブロックの外に追い出されたときは左からの崩しが迫力不足感がありました。

・後半-2 求めていたアーセナルのボランチ像

図-6

  このまま攻めきれないまま引き分けになるのかともやもやしていましたが84分、その時は訪れました。

セバージョスがパスを出して裏へ動くと、サカがアウトサイド裏へ抜けるセバージョスにパスを出して、セバージョスがこれを折り返し、エディーがこれを押し込んで値千金の勝ち越し弾を奪取しました。

1点目同様サカのパスに抜け出した選手の折り返しを決めた形ですが、このシーンでよかったのはボランチが抜け出して得点に絡んだという点です。

前線でオーバとエディーが相手の最終ラインと駆け引きをする中、セバージョスに誰がついていくかあいまいなまま裏へ抜け出されてしまったハマーズでした。

 そして、このシーンのようにパスを出して、受け手を追い越して飛び出せるボランチはまさにアーセナルが求めていた選手です。

 前回の記事のツイートのリプ欄でフォロワーさんと話したときにもこのようなことを言いました。

今回はゴールではなくアシストですが、求めていた動きはまさにあんな感じのものでした。

https://www.arsenal.com/fixture/arsenal/2020-Sep-19/west-ham-united#!chalkboard

 また、エルネニーも前節でもいい働きをしていましたが、セバージョスにはかなわないなというのが率直なところです。

エルネニーと違い、セバージョスはピッチのどこにでも顔を出せる存在ですし、プレスをかけられて前を向いて受けられなかった時でも個人の技術で1枚はがして前を向けるという替えの利かない強みがあります。

・あとがき

 ここまで読んでいただきありがとうございます。

今回は試合内容に加えて少し離れた事も書きましたがいかがだったでしょうか。

苦しみながらも勝ち点3を確保できたのは大きいですね。こ

んな感じの試合で勝ちきれなかったのが昨季で下から今期はやはり期待できますね。

拡散、感想等はお待ちしています!

 苦しみながらも開幕2連勝を飾り、次節はリヴァプール戦です。

(…あれ?なんか既視感が)

そういえば去年も開幕2連勝を飾り3節でリヴァプール戦を迎えていましたね(笑)とはいえリヴァプール戦では直近2試合で勝利していますし、内容も右肩上がりですので期待しましょう!

スパスィーバ

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kakuyasuphone-news.com/premier-league/

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