【マッチレビュー】ニューカッスル対アーセナル「いかにタスクを明確にするか」
ニューカッスル0-2アーセナル
もくじ
両チームのスタメン
ホーム、ニューカッスルは前節セインツに3-1で勝利したところからスタメン1人を変更してきた。
これまでCFで併用してきたイサクとカラム・ウィルソンを同時起用、その影響でゴードンがベンチスタートとなっている。
アウェイ、アーセナルは前節チェルシーに3-1で勝利したところからスタメンを1人変更してセントジェームズパークに乗り込む。
左WGはトロサールからマルティネッリに戻った一方でアンカーと右CBはジョルジーニョとキヴィオルで継続する形だ。
自由にしてはいけない選手
アーセナルは両WGが両SBに対応する4-4-2の前からのプレスでニューカッスルにプレッシャーをかけるが、前半はギマランイスに苦しめられた印象だ。
ウーデゴールはギマランイスを抑える立ち位置からCBへプレスに行くが、この時ギマランイスもポジションを取り直してCBからのパスを引き出してウーデゴールのプレスを空転させる。
ジャカやジョルジーニョの縦スライドもあるが、ジャカとジョルジーニョもそれぞれジョエリントンとウィロックの両IHのケアがあり、スライドがワンテンポ遅れてしまう。
前半のニューカッスルのチャンスの多くはウーデゴールの死角で受けたギマランイスが起点になっていた。
また、ギマランイスの動きでアーセナルの守備陣がずらされて楔のパスが入るシーンも多かったように見える。
この日のニューカッスルは縦パスやカラム・ウィルソンがロングボールをレイオフで落とす形からスピーディーにアーセナルゴールに迫るが、そこはラムズデールが鬼気迫るパフォーマンスでシャットアウトしてみせた。
HT明けのアーセナルは前からのプレスの形に修正を加えてきた。
前半は高い位置を取るトリッピアーと左インサイドバックとして後ろに残るダン・バーンに合わせてサカは高い位置、マルティネッリが比較的下がり目だったが、後半はサカ、ジェズス、マルティネッリの3トップがそのまま前プレスに参加しウーデゴールはギマランイスのマークとして残るようになった。
これにより、ジャカ、ジョルジーニョもニューカッスルの2IHに集中しやすくなったことで前半のような楔のパスは通りにくくなった印象だ。
それでも、3トップの能力を生かした縦に速い攻撃に苦戦を強いられたが、後半もラムズデールがスーパーセーブ連発でクリーンシートを達成することができた。
また、ここ何試合かで守備の軽率さが目立つジンチェンコをこの試合では早めに下げてティアニーを投入、マーフィーやその後出てくるアルミロンとのマッチアップが致命傷になるのを防ぎ、さらにはティアニーの守備から追加点も生まれた。
インテンシティの高いエリアと低いエリア
ニューカッスルの試合の入りの強度の高さにアーセナルは面食らうことになった。
3トップの強度の高いプレスと両SBの相手に前を向かせない守備は強度がかなり高かった一方で、ジンチェンコとジョルジーニョの2ボランチの位置に対してニューカッスルの3センターがスライドする形になっていたが、どう寄せるカマでは決まっておらずジョルジーニョとジンチェンコが前を向く時間を与えてしまっていた。
また、ニューカッスルの2IHが前がかりになっていたところをアーセナルも縦パスが通りやすくなっていた。
ニューカッスルの守備の中でもやることが明確なエリアでの強度が高い一方で何をすべきかで個人の判断が占める比率が高いエリアでは強度が少し落ちていた印象だ。
おわりに
試合はFKの流れからのウーデゴールのスーパーミドルとカウンターから敵陣深くまでドリブルで運んだマルティネッリの速いクロスが誘発したオウンゴールの2点で勝利することに成功した。
前節チェルシー戦とは打って変わって高い強度で殴り合い見事に勝利を収めている。
アーセナルは残すはブライトン、ノッティンガム、ウルヴスの3試合となった。
アーセナルはとにかくやれることをやるだけだ。
そして、その上でエヴァートンとブレントフォードがやってくれることを期待したい。
エジルに見惚れてグーナーになった人。18/19シーズンから戦術ブログを開設してリーグ戦全試合のマッチレビューを投稿している戦術系グーナーです。