【マッチレビュー】コミュニティ・シールドアーセナル対マンチェスター・シティ「昨シーズンとは違うプレシーズンの仕上げ方」

2023年8月8日

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アーセナル1(4)-(1)1マンチェスター・シティ

両チームのスタメン

シティの偽CB封印の理由

シティは十八番の偽CBのストーンズが1列上がって3-2-5化は封印して4バックのままビルドアップを始める。

昨シーズンの対戦でもそうだったが、シティはアーセナルとの対戦では偽CBを封印する傾向にある。

偽CBからの3-2は3トップ+2IHで前からのプレスにはまりやすい配置になる。

偽CBを封印してSBが低い位置で張ることでWGをピン留め、2CB+2DHの4人でアーセナルのCF+2IHの3人に対して数的優位の確保が狙いに見える。

これだけならアーセナルはこの試合でも見せていたようにハヴァ―ツがサイドを限定するようにボールホルダーのCBに圧力をかけて2IHが2DHを、WGがSBを抑えることで選択肢を奪いアバウトに蹴らせることができる。

シティはここにGKのオルテガを加えた3バックの前に両SBと2DHの4枚が並ぶ形を敷いてきた。

ハヴァ―ツはGKに奪いには行かず変わらずにサイドを限定する立ち位置を徹底し、DHへのパスが出されたらウーデゴールとライスがスライドする形でプレッシャーをかけるが、CBに落とされたところからの前進を許していた印象だ。

昨シーズンのアーセナルなら、ハヴァ―ツがGKに奪いに行く素振りを見せてWGかIHが1列前にスライドして後ろからSBがスライドしてSBに寄せて前からのプレスで制圧しきる勢いだったがこの試合では深追いはせずに4-4-2に移行しながら撤退しつつ危険なエリアは抑えていた。

昨シーズンの対戦では前からのプレスで制圧するもアバウトなロングボール1本から盤面をひっくり返されて失点していることからリスクを必要以上に追わない戦い方を模索しているのだろう。

ハヴァ―ツCFぶっつけ本番フィットの訳

ここまでのプレシーズンマッチでは一貫してIHで起用され続けてきたハヴァ―ツのアーセナル公式戦デビューはCFとなった。

ぶっつけ本番ながらCFでハヴァ―ツは見事なパフォーマンスを披露した。

ゴール前での物足りなさを差し引いてもジェズスと同等のクオリティでCBからの楔のパスを引き出すための下りて顔を出す動きに加えてラムズデールからのロングボールをCBを背負った状態で納めるポストプレー性能はラムズデールのロングフィードに新たな選択肢をもたらしてくれそうだ。

おわりに

今シーズン初タイトルを掲げたアーセナル。

個人としてのクオリティは光るものが多いがチームとしての完成度は昨シーズンのプレシーズン終了時点と比べると見劣りし、連携やマークの受け渡しのズレが見受けられた。

しかし、今年のプレシーズンでは多くのパターンを試しており、シーズンの経過とともに使えるプラン使えないプランの取捨選択をローテーションの中で行い、練度も上げていくシティのようなチーム作りになるだろう。

控えから出てきたヴィエイラとスミス＝ロウも昨シーズンと違い途中から試合に入ってクオリティを発揮していることもプラスになってくる。

昨シーズンはいかに最高到達点を維持し、目減りを減らすかの戦いだったが今シーズンは最高到達点に達するまでにいかに取りこぼさないかが優勝に向けて重要になる。

お知らせ

今シーズンはツイキャスで「リアルタイムマッチレビュー」と称して見ながら配信で分析していきます。

マッチレビューでは1つか2つ、その試合の戦術的なトピックを分析していく予定です。