【マッチレビュー】アーセナル対ノリッジ~冨安のアーセナルデビュー~

9月の代表ウィークが終わり、プレミアリーグが再開、移籍市場最終日にアーセナルに加入した冨安のデビューも期待されますが、それ以上に開幕3連敗を喫しているものの、ガブリエウ、ホワイト、トーマスの屋台骨3人が帰ってきたということでこのノリッジ戦が実質的な開幕戦となっております。

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本記事の内容・ボランチが1列スライドするアーセナルの前プレス
・ホワイトが冨安にパス出さなかったことの本質
・サカを右で使うべき理由

アーセナル1-0ノリッジ

試合のハイライト

両チームのスタメン

両チームのスタメン+交代選手

アーセナル
シティ戦からのスタメン変更
レノ、セドリック、チェンバース、ホールディング、コラシナツ、ジャカ、スミスロウ

ラムズデール、冨安、ホワイト、ガブリエウ、ロコンガ、ナイルズ、ペペ

大敗を喫した前節のシティ戦から7人のスタメン変更

GKラムズデールがチョイスされました。

最終ラインはホワイトとガブリエウがそれぞれコロナと負傷から復帰冨安は代表ウィーク明けで練習は1日しか共にしていない中でのスタメンデビュー

中盤は出場停止のジャカに代わりロコンガが出場、トーマスのスタメン復帰も噂されましたが、退団騒動もあったナイルズが選ばれています。

代表ウィークを体調不良で離脱したスミスロウはベンチスタートで2列目は左からサカウーデゴールペペの並びになっています。

ノリッジギブソン、ギルモア、キャントウェル、ラシカ

オモバミデレ、ルップ、ダウエル、ツォリス

プッキのPKで今季初ゴールを挙げるもレスターに1-2で敗れた前節からは4人のスタメン変更

特に驚きなのはノリッジのアカデミー育ちでブエンディアが退団した後の攻撃の軸として期待浚えているであろうキャントウェルがベンチスタートになった点ですね。

機能した守備と辞めた理由

アーセナルの前プレス

開幕3試合からそうですが、アーセナルの前プレスは一貫してGK含めたビルドアップに対しても前からのプレスを継続、また、相手のアンカーのルップに対してはボランチが前にスライドする形を採用しています。

2節のチェルシー戦ではボランチや降りるシャドーに対するジャカとロコンガのスライドが緩く、崩される一因になっていましたが、この試合ではメイトランド=ナイルズがこのスライドを序盤はサボることなく行っていました。

ノリッジは4-1-2-3からビルドアップ時はCBが開いて間にGKが入り、アンカー含めてひし形になるため、アーセナルはオーバメヤンとウーデゴールは守備時は2トップになり両CBにプレッシャーをかけていきます。

この時、CBへの寄せ方はアンカーへのパスコースを抑えながら前に出るのが特徴的です。

こうなるとアンカーは一時的に浮く形になり、GKから直接パスを引き出して前を向ければ前進が可能ですが、ここにメイトランド=ナイルズがスライドしてプレッシャーをかけることで中央からの前進の選択肢を奪い、あわよくば前からのプレスでボールを奪いきり決定機にもつなげられます。

ノリッジのプレス回避

20分過ぎあたりからアーセナルの前からの圧力が緩くなり、ノリッジがボールを持つ時間が増えてきます。

それまでは1アンカーがGK含む3バックの前に降りるひし形だったのが、途中からはIHのメルがアンカーのルップの隣に降りて五角形を形成することで、前にスライドするメイトランド=ナイルズがどちらにマークにつけばいいかわからなくなる状態になりスライドが緩くなった印象です。

その後、オーバメヤンとウーデゴールが前プレスのスタート時はGKからのボランチへのパスコースを警戒しつつ、GKからCBに繋いだらCBにプレッシャーをかけ、メイトランド=ナイルズはボールサイドのボランチを抑える同サイド圧縮の形になりました。

最初の前プレスよりも1テンポ遅れるため、高い位置で奪える頻度は下がりましたが、最も危険な中央からの前進を防げたという点ではこの変更でよかったと考えています。

ボール保持時2-3-5の片鱗

アーセナルのビルドアップ

ノリッジは4-1-4-1で守ってくるのに対して、アーセナルは復帰したガブリエウとホワイトの持ち運びからのパスを有効活用できた印象です。

ボール保持時は冨安が上がらずに左肩上がりの3-2-5になるパターンとボランチが左にスライドして冨安が1列上がり2-3-5のようになるパターンを用意していました。前線は大外にスペースに走り込むパターンと足元で受けて仕掛けるパターンを持っているペペとティアニーハーフスペースにはライン間で受けて前を向いて起点になれるウーデゴールとサカが構えていました。

特に、ウーデゴールとサカがライン間で起点になれるためオーバメヤンがラカゼットのように降りてこずにCBとの駆け引きに専念できていたのは今日のシステムの良かった点です。

ウーデゴールは左利きで右サイドに置かれるため、ゴールに向けた視野の中でパスの選択肢を多く持っていました。

ペペが外で受けたらその外を走る動きも見せていましたし、冨安も右サイドの高い位置でのサポートをこなしていました。

一方、サカは左利きで左サイドに置かれるため、ゴールに向けた視野を取りにくく、パスの出し先も外を上がるティアニーに限定されやすかったため、自分にできる仕事はこなしていましたが、この位置ではどうしても物足りなさの残るプレーになっていました。

むしろ、サカは流れの中で右サイドにいるときの方が生き生きとプレーしています。

先制点も流れの中でサカが右に残り、サカからその外を上がったペペに繋ぎ、ペペのシュートのこぼれ球をオーバメヤンが押し込んだものでした。

ホワイトが冨安にパスを出さない?

冨安にパスが出ないシーン

試合中、全くホワイトが冨安にパスを出さなかったわけではありません。

パスを出さないシーンには共通点があり、それは理にかなっていることで、これでホワイトが批判されるのはお門違いにもほどがあります。

ホワイトが冨安にパスを出さなかったシーンでは代替上の図のような位置関係で、この時にホワイトは中央のロコンガ経由で逆サイドを目指すかビルドアップを仕切りなおす、または、自分で運んで縦パスを狙う。

この2パターンの選択がメインで、冨安にパスを出すのは安全なパスに見えてリスクしかない選択になります。

まず、相手のブロックの手前でホワイトから冨安に繋いでもあの立ち位置では、前へのパスコースが作りにくいです。

もしこの状況でパスを出したら

1トップのプッキはホワイトにプレッシャーをかけた所からそのまま冨安からホワイトへの戻しのパスコースを抑えられます。

ペペにはSBのウィリアムズがマークについていますし、ウーデゴールにもIHのマクリーンがついています。

WGのツォリスは直接プレッシャーをかけることが可能ですし、この位置から逆サイドまでの展開は困難になるため、アンカーのルップが前にスライドしてロコンガを抑える可能性も考えられます。

こうなれば、パスコースが無く、プレスにはまった状態になり、冨安はかなり追い詰められた状況に陥るでしょう。

そして、昨シーズンも運べる状況でCB安易に低い位置のSBにパスを出した結果、プレスにはまりに行ったり、そこまでいかずとも相手の守備ブロックの手前をずっと回すしかない状況が何度もありました。

その点、ホワイトは前にスペースがあれば自分で運べますし、縦パスやサイドチェンジもできます。

そのため、この試合でホワイトが冨安にパスを出さなかったシーンではホワイトが悪いのではなく、その状況では冨安にパスを出すよりも効果的な選択肢があっただけのことです。

6分のシーン

その一方、6分の冨安の裏への抜け出しのシーンをはじめ、冨安にパスを出すのがベストと判断した瞬間ではホワイトは冨安に良いパスを供給、自身の持ち味も発揮していました。

冨安はSBですが、ビルドアップ時は後ろで組み立てに貢献するタイプだと思っていましたが、高い位置での判断も現状の右SBでベストかもしれません(対抗馬は終盤に完璧なオーバーラップを披露したセドリック)。

あと、このシーンSBを内側にピン留めして冨安の裏抜けをサポートしたペペのポジショニングも見事でしたね。

サカは右で使うべき

この試合のサカはキーパス4本や、ティアニーにスペースとボールを提供する仕事、ライン間で起点になることはできました。

しかし、左利きの左WGということで、ハーフスペースやPA角でボールを持った時、縦しか選択肢が無いため、相手も守りやすそうに見えました。

サカ自身も縦に突破するか、外のティアニーに預けるかしか選択肢が無く、プレーが窮屈そうな印象です。

一方、流れの中で右サイドに流れた時には左足の惜しいシュートもありましたし、ドリブルで仕掛ける時の選択肢も豊富でした。

後半、スミスロウを投入してからは左ハーフスペースをサカ、右ハーフスペースをスミスロウが取っていましたが、ここは逆の方が良いでしょう。

余談ですが、サカのトップ下案は昨シーズンの開幕前にも妄想してます(笑)

アーセナルの二次配置の最適解

この図のような形が今のアーセナルのベストなビルドアップ時の配置ではないでしょうか。

さらに、ここからホワイトが真ん中で1列上がるか冨安が右で1列上がり、2-3-5への可変も可能なシステムになっています。

あと、ウーデゴールのボランチはカソルラ味があっていいなと思います(笑)

おわりに

シュート30本を記録したアーセナルですが、前半のウーデゴールのパスからのオーバメヤンの裏抜けからのループ、後半はカウンターからのスミスロウのシュート、その後押し込みましたが、ペペのシュートもノリッジのGKクルルのファインセーブに阻まれました。

1対0の勝利とはなりましたが、もう少し点差が開いてもおかしくなかったのは事実です。

それから、ラムズデール。

ビルドアップの技術的な安定感も素晴らしいですが、それ以上に相手に寄せられても動じないメンタルが素晴らしいですね。

その一方、課題もまだまだあります。

特に解決すべきはっビルドアップ時の右SBの立ち位置です。

現状、ビルドアップ時+3バックのようにも見えるのですが、それが右に寄っているため、右SBの選手が友好的な立ち位置にいるとは言えない状況で、これは昨シーズン右SBがチェンバースの時から解決していないため、ここにテコ入れができればより効率的に前線にボールを供給できるようになるでしょう。

あとは前述の通り、サカとスミスロウの立ち位置の入れ替えも欠かせないと思います。

次節はバーンリー戦ということで、クリス・ウッド対策はどうするのか、冨安をCBにしてホワイトをSBにするのか、それとも別の案を考えるのか、これが要注目です。

スパスィーバ

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