【マッチレビュー】アーセナル対クリスタル・パレス「幅の基準点」

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アーセナル4-1クリスタル・パレス

両チームのスタメン

両チームのスタメン+控え選手

アーセナル前節フラム3-0で快勝したところからスタメン1人を変更してきた。

ミッドウィークのELスポルティング戦に先発した冨安とサリバがそれぞれ前半に負傷交代、サリバは数週間の離脱で済む見通しだが冨安は今季絶望との話もある。

そんな中でホールディングがスタメン起用され、ベンチにはユースのウォルターズがリーグ戦では初召集となった。

クリスタル・パレスミッドウィークに行われた8節の延期分でブライトンに0-1で敗れたところからスタメンを3人変更してきた。

さらに、年明け以降1勝も挙げられていない状況でこの試合の数日前にヴィエラを監督から解任しこの試合はU23の監督であるパトリック・マッカーシーが指揮を執る。

また、アーセナルからローンで加入しているロコンガはローン規定によりベンチ外となっている。

代役の仕事

前プレス時のホールディングの役割

サリバと冨安の離脱により久しぶりのリーグ戦スタメンの機会を得たホールディング。

アーセナル前からのプレスはパレスの後ろからのビルドアップに対して同サイド圧縮を起点に内から外に追い出す形がベースになっており、この試合のホールディングに期待される役割はパレスの後ろの選手がアバウトに蹴ったボールに対してエドゥアールとのデュエルで勝利して高い位置で潰し切ることだった。

スピード不足が欠点で昨シーズンのノーロンではソンフンミンに良いようにやられたホールディングだったが、この試合では高さと強さ勝負になり、タックル2回、デュエル5回(4回勝利)、空中戦10回(7回勝利)を記録して見事に期待された仕事をこなしてくれた。

広いスペースをカバーするスピード勝負の場面では分が悪く後手を踏むシーンもあったがガブリエウのカバーもあり事なきを得た。

オーバーラップし放題のからくり

アーセナルのビルドアップ

クリスタル・パレス守備時4-2-3-1でシュルップがトーマスをマーク両WGもSBをマークするために内に絞ることで守備ブロックがかなり中央に圧縮される形になった。

対するアーセナルのビルドアップは3-2-5の配置からパレスのWGが内に絞る分サカとマルティネッリの手前のスペースでフリーになりやすいところにジャカとウーデゴールが流れてきてサイドからの崩しの起点になる動きを見せていた。

パレスのダブルボランチもここを自由にさせないようにマンマークでついて行く動きを見せる、そうなるとダブルボランチの間隔が開き、今度はそこにトロサールがタイミングよく下りてきて顔を出してCBからのパスを引き出して中央からの崩しの起点になっていた。

結果、この試合を通してパレスのダブルボランチは終始2対3を強いられているような状況になっていた。

最小限の幅

この試合の両WG,特にサカはファイナルサードに侵入してからはペナ幅まで絞るように動く頻度が多かった。

そうすると当然SBはサカをフリーにするわけには行かず内側に寄り、ザハもサカに対して1対2を徹底するために内に寄ることで外が空きやすくなっていた。

左でも同じようにマルティネッリが中に侵入し幅の基準を狭くしていたように見える。

サカが中に絞ることでパレスの守備ブロックも内側に圧縮され、その外をホワイトがこの試合では積極的にオーバーラップを仕掛けて多くのチャンスを演出した。

また、サカの中に絞る動きはサカ自身にとっても前半のゴールのシーンのようにプラスに働いている印象だ。

優勝への秘策

トーマス右SB

試合終盤にホワイトを下げてジョルジーニョを投入、アンカーにジョルジーニョが入りトーマスが右SBのポジションに移動した。

アトレティコ時代にも経験があるとはいえ、普段は本職以外のポジションへのコンバートをほとんど行わないアルテタだけに驚きが走った。

冨安の怪我が想定より重く、シーズン絶望の可能性もある状況で、サリバも数週間の離脱、サリバが復帰したとしてホワイトにフル稼働を求めると大事な試合でクオリティを落とす可能性があり、そこでトーマスの右SB起用と考えられる。

おわりに

序盤から攻め立てながらも最初は得点を奪い切れずにいたが、先制点を奪ってからは追加点も重ねて終わってみれば4-1で快勝を飾った。

ジャカとマルティネッリのゴールにサカの2ゴール、前節に続いて早めの時間帯からのローテーションとやることやって快勝して良い雰囲気で代表ウィークに入れそうだ。

あとは代表ウィークにコンディションを落とさないことを祈るばかりだ。

そして、今シーズンも残り10試合と否が応でも優勝までのカウントダウンが始まる。

暫定だがシティとの勝ち点差は8で仮にシティにシーズンダブル食らったとしても他を取りこぼさなければ優勝できるうが、「ここ落としても残り全部勝てば」で昨シーズン痛い目を見ていることからもシティ戦は是が非でもエディハドスタジアムから勝ち点を持ち帰りたいところだ。

それでは次回は代表ウィーク明けになる。

ここからは個人的な話だが、4月から社会人になるがこのレビューは書き続けるつもりなのでよろしくお願いします。

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