【マッチレビュー】アーセナル対バーンリー「1つ出来たらまた1つ」

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アーセナル0-0バーンリー

本記事の内容・FWより前に降りてこないメリット
・動き直しの少ないデメリット
・運ぶ時の体の向きと視野の取り方

試合のハイライト

両チームのスタメン

両チームのスタメン+控え選手

アーセナル
シティ戦からのスタメン変更
冨安、トーマス、ジャカ

ホールディング、ロコンガ、スミスロウ

惜敗の前節シティ戦からは3人のスタメン変更

そこからFA杯やカラバオ杯はあったがリーグ戦はスパーズ戦が延期になったこともあり実に3週間ぶりとなっている。

その間にAFCONに行ったトーマスは期間を果たしたが、カラバオ杯2nd legでイエロー2枚で退場となりこの試合は出場停止、ジャカもカラバオ杯1st legで1発退場したことで出場停止だ。

また、冨安はカラバオ杯2nd legの強行出場が祟って数週間の離脱となり、今月末の代表戦も辞退している。

一方、鼠径部の負傷でプレータイムを制限されていたスミスロウがリーグ戦では久しぶりのスタメン出場を果たしている。

バーンリー
リーズ戦からのスタメン変更
ヘネシー、ロートン、ジャック・コーク、グズムンドソン、クリス・ウッド

ポープ、ピーテルス、ブラウンヒル、J.ロドリゲス、ヴィドラ

こちらは前節リーズ戦から5人のスタメン変更だ。

レスター戦、ワトフォード戦が延期になっておりこちらも3週間ぶりのリーグ戦だ。

この冬にチームのトップスコアラーのクリス・ウッドが残留を争うライバルのニューカッスルに移籍した上に、チーム2位の6ゴールを記録していたコルネAFCONで不在という苦しい状況でこの試合の2トップを務めた2人はどちらもこの試合が今季3試合目のスタメン出場という状況となっている。

ロコンガの立ち位置とビルドアップ

左サイドの旋回

カラバオ杯準決勝リヴァプール戦2nd legに引き続き、1アンカーのポジションに入ったロコンガはリヴァプール戦同様に、相手のFWより前に降りないことを意識したポジショニングをしていたことにより、バーンリーの2トップはかなり内側に寄った立ち位置になっていた。

また、CBに寄せる時もロコンガへのパスコースを消しながら前に出て、それに応じてウェストウッドが1列上がってロコンガを捕まえに来る動きも目立っていた。

バーンリーがロコンガを警戒することで、2トップの両脇を使いやすい構図になり、左サイドではガブリエウが効果的に持ち上がった所から、ティアニー、マルティネッリ、スミスロウの旋回でバーンリーの守備をズラしてライン間と裏の選択肢からチャンスを多く作れていた印象だ。

一方、右サイドはCBのホールディングよりも右SBのホワイトが運ぶ場面が多く、そうなると前線はウーデゴールとサカの2人で崩すことになり、左サイドと比べて崩しの難易度が上がっていた。

その中でも、サカがホホワイトからのパスを足元で受けると同時にピーテルスを置き去りにしてチャンスを作るシーンなどもあり、サカが独力でバーンリーの守備陣を押し下げてチャンスにつなげるシーンが数多くあった。

強引なサイドチェンジ

両SBが低い位置から起点になる形も多く、この形ではティアニーからサカ、ホワイトからマルティネッリの長いサイドチェンジが目立った。

サイドチェンジは通るが、滞空時間の長いパスのため、パスを受けた時には相手が近くまで寄っているという場面が目立ち、サカもマルティネッリも仕掛けて相手を押し下げることはできたが、理想はもう少しスペースのある状態でスピードに乗って仕掛けたかったのではないかと感じる。

この形で気になったのは、ボールが相手のFWよりも前にある時はロコンガ自身へのパスコースが消されていても囮として機能し、サイドへのスペース提供になっていたが、ボールがFWのラインを越えてもパスコースを作り直さないとそこにいる意味がなくなってしまう。

2トップの脇を持ちあがるのに合わせて、ロコンガがFW-MF間でボールホルダーに寄せるFWの斜め後ろに立つことができれば、強引なサイドチェンジだけではなく、SBからロコンガを経由することも可能になる。

SBからロコンガを経由するメリットはボールの移動を速くできるほかに、両サイドからの裏、ライン間とSBからサイドチェンジを狙うよりも選択肢が豊富になることで、守備側は狙いを絞れなくなるというメリットもある。

単調な3-1-6

また、60分ごろからはより相手を押し込んで3-1-6のような形になることも増えたが、そうなるとより一層、ロコンガへのパスコースが消されていると攻撃が単調になっていたように感じた。

後半のチャンスの多くは押し込み切る前に長いパスを出して大外からえぐるような形が多かったことは押し込んでからの選択肢の少なさの裏返しのように感じる。

ホールディングの課題

ガブリエウとホールディングのキャリー時の違い

左サイドに比べて右サイドの前進が上手くいかなかったのはホールディングが運べない分、ホワイトがキャリーすることで前線に避ける人数が減ったことも原因に考えられる。

ホールディングは全くキャリーできないわけではなく、左CBで起用された試合では積極的に運び、楔のパスを狙っているが、右CBだと消極的になってしまう。

左CBの時は右足のボールを置くとそのまま内側を向けるため、中央に視野を取れるが、右CBの場合、視野が外側に向いてしまうため、ホワイトに逃げるような消極的なパスが目立つ。

しかし、47:30辺りから見てもらえれば分かるが、ホールディングも内側を向いて運んで楔を狙うこともできないわけではないが、どこか自身がなさそうに映るため、自信がついて右でも左CBの時と同様に運べるようになれば、両CBの控えの一番手としてアーセナルでこれからもキャリアを歩んでいけるのではないかと思っている。

(もちろん、「絶対的な主力になりたいから移籍したい」となれば止められないだろうが、現状そんなことはなさそうだ。)

終わりに

何を言おうとこの勝ち点3が必須だった試合を取りこぼしたのはまごうことなき事実だ。

その事実とはしっかり向き合ってほしい。

しかし、4位とはさほど開いていないこと、スパーズとは勝ち点が並んでいるがノースロンドンダービーで直接叩けば問題無いことを考えると必要以上に悲観することはないのかもしれない。

代表ウィークの間に離脱メンバーも復帰し、2月からの巻き返しに期待したいところだ。

とりわけ、冨安の復帰は必須だろう。

後はザカリアとイサク取れないかな~

スパスィーバ

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