【マッチレビュー】アーセナル対ボーンマス アルテタ初陣 アルテタがアーセナルに持ち込んだもの
この試合の実況の粕谷さんのメイトランドナイルズの発音妙に流暢だったよね、珈琲G党です。アルテタの初陣分析していきましょう!
・試合概要
・得点
35分ゴスリング1-0
63分1-1オーバメヤン
・途中交代
75分ウィロックinエジルout 77分ムスタフィinソクラティスout 82分ペペinネルソンout
ボーンマスout
66分ハリーウィルソンinキングout 70分ビリングinゴスリングout
・ナイルズの偽SB化
まず注目すべきはナイルズの偽SB化です。普段より中に絞った位置でビルドアップに参加していました。ナイルズももとは中盤の選手ですし、キミッヒ、ジンチェンコと中盤出身の選手のSBのコンバートで偽SB化の系譜を継げるでしょう。中に絞ることでパスコースが増え、中盤の選手との距離感が近くなりパス回しが円滑になりました。以前の4-2のままの位置的優位を作り出さないビルドアップではエジルが下りてこないと手詰まり感がありましたがこの試合ではエジルが多くの時間高い位置にとどまることができました。これが攻撃時のナイルズの偽SBのメリットです。
次に守備面でのメリットです。
ネルソンがロストした際に中に絞ったところからプレスをかけられることによりカウンターを阻害できるようになりました。これにより単純に高い位置での回収率が高まったこともありますがこれによりトレイラがより活きることになりました。
どういうことかというと、ナイルズが高い位置までプレスをかける必要がなくなり、フィルター役に専念することが可能になりました。これまではトレイラが飛び出してプレスをかける役割を強いられていました。ボール奪取には長けていますが高い位置でのプレーはトレイラの得意とするところではありませんでした。
後述するジャカの起用と言いこの短期間で戦術を落とし込み、改善するとは、ペップの下で学んでただけあります。あとは劣勢の際の修正力次第ではかなりの名将になれると思います。
ジャカのエムレジャン化
これはジャカのクロースロールと称するかエムレジャン化と称するか悩みましたが、2CBもスライドし3バックになっていたのでエムレジャン化としました。
エムレジャン化(エムレジャンの右CB化)というのはビルドアップ時エムレジャンが右CBの位置に落ちて4-3-3から3-4-3に可変する形です。
アーセナルは4-2-3-1からジャカが左CBの位置に落ち、ナイルズの偽SBと合わせ、3-3-3-1のような形を取りました。そしてサカが大外を上がるメンディ役、オーバメヤンはハーフスペースに侵入するスターリング役をやり、逆に右サイドではWGのネルソンが幅を取りナイルズが中に絞ったとこからビルドアップに参加するザネとジンチェンコのような関係性でした。また、ダビドルイスも3バックの真ん中のような形でのビルドアップでジャカとともに良いパスを供給していました。
そして同点シーンも左CBの位置のジャカからハーフスペースのオーバメヤンへの縦パスが起点となりました。
・流石エジル
次にエジルです。この試合、ボーンマス側の守備も問題でしたね。4-4-2気味に守っていましたが、バイタルエリアでエジルがかなりフリーになっていました。といチームならまずエジルを抑え、攻撃を切断します。できなくともフリーにはしません。そして、アーセナル側の改善として前述の位置的優位を作り出せたことでエジルが高い位置にとどまることができるようになりました。エジルは両チーム最多の4つのチャンスメイク数を記録しています(ジャカも3つ記録)。
また、エジルはサイドの選手をサポートするためにサイドに流れて連携することが多々ありますが、この試合では右サイドで特に見受けられました。また、サイドアタッカーのサポートだけではなくデブライネロールのような動きも見られ、右サイドからのスルーパスやクロスからあわやのシーンも作れていました。サイドからの供給、中からのスルーパス、どれかから2ゴールくらいは生まれてもおかしくない雰囲気でした。ついにあとは決定力という次元にもどってきました。
・闘う姿勢の向上
守備面ではプレスのかけ方、各々の役割が明確になった事によりプレスの強度も上がりハードワークできていたように感じます。前から行くときはラカゼットを中心にプレスをかけ、エジルが中盤へのコースを切りながらWGと連動しサイドに追い詰めて、そこで奪うか、奪えなくてもジャカ、トレイラ、ナイルズで回収できる仕組みになっていました。
ここで大事なのはハードワークの意味合いです。某「戦うよー」の森保さんのハードワークはがむしゃらに走る感じです。エメリもこっちよりでしょう。一人一人のカバー範囲も広く不明瞭でやることも明確ではありません。これでは選手のモチベーションも上がりません。ですが、本来のハードワークとは与えられた明確なタスクに全力を注ぐことだと思います。これを理解して「闘うチーム」を作り上げた最たる例がクロップとシメオネだと思います。ペップもこちら側でしょう。そしてこの試合を観る限りだとアルテタもこちら側と言えます。
・改善点
改善点としては、
・サカ、ネルソンのクロス精度
・CBがつり出された際の脆さ
この2つが大きいでしょう。
・サカ、ネルソンのクロス精度
こちらは上手くサイドをえぐってもクロス精度が低いために決定機にならない問題です。これは練習でどうにかするか補強でどうにかしなくてもクロスを上げる際は深くえぐってからのマイナスのグラウンダーに限定するなどの決めごとを設ければ改善できると思います。
・CBがつり出された際の脆さ
こちらは、、、どんなにいいメカニズムを構築しても多から少なかれこういうシーンは出てしまいます。この回数をいかに減らすかが戦術だと思います。
そして、こればかりは補強で何とかするか今いる選手に頑張ってもらうほかないでしょう。
・最後に
この試合は内容はかなり良いものでした。以前のアーセナルにはない配置の優位を作り出してのビルドアップもですし、アルテタはこの短期間でよくここまでの戦術を落とし込んできたなと感心するばかりです。ただ、それでも先制を許してしまったのはアーセナルなんですよねぇ、、、この試合は内容がよかっただけに勝ち点3を確保できなかったのが悔やまれます。そして、この試合輝いていたジャカに移籍合意の報道が出たのは残念ですしボランチの補強は急務でしょう。
この試合はドローに終わりましたが、この後のチェルシー戦、ユナイテッド戦へ希望が見いだせる内容でした。この後2試合もOB監督が率いてますが、監督としての戦術的な室ではアルテタの方が上だと思います。(ファンの人いたらごめんね)
・あとがき
戦術的要素が多い試合だったからかマッチレビューの中じゃ文字数は最多かな。これからも戦術的な要素をふんだんに書けると思うと楽しみですねー。そして、チェルシーも調子を落としていますし、勝ち点差的にもまだCL出場権をあきらめるにはまだ早いですしこれからも期待して見ていきましょう。
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エジルに見惚れてグーナーになった人。18/19シーズンから戦術ブログを開設してリーグ戦全試合のマッチレビューを投稿している戦術系グーナーです。
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