【マッチレビュー】EL準々決勝1st legスラヴィア・プラハ対アーセナル~ツケを払わされた試合
4月に入り、再びミッドウィークに欧州カップ戦があり、早起きする生活が帰っていましたね。
ヨーロッパリーグ準々決勝1st legスラヴィア・プラハ対アーセナル。
スラヴィア・プラハは前のラウンドでレンジャース戦を戦い、その中でクーデラが人種差別発言がしたとかしてないとかでひと悶着あった後にベイルの肘内なども含めて外野が騒がしくなっています。
しかし、そんな事情に関係なくアーセナルは勝たねばなりません。
リーグ戦の順位でのヨーロッパリーグ出場権確保すら難しい現状ではヨーロッパリーグ優勝でチャンピオンズリーグに帰還するしか今の戦力を維持してここから上を目指すためには方法がありません。
スラヴィア・プラハ1-1アーセナル
もくじ
両チームのスタメン
ジャカ、サカ、スミスロウの復帰。
アーセナルの屋台骨である彼らの復帰はとても大きいです。
ベジェリンは久しぶりのスタメン出場になっていますね。
けが人は、ルイスは4週間ほどの離脱と以前から明らかになっていましたが、リヴァプール戦で膝を負傷したティアニーも4~6週間の離脱でシーズンアウトになってしまう可能性がでてきました。
そして、代表ウィークに右足首を痛めていたようで後1,2試合の離脱になるそうです。
レンジャース戦で負傷交代のGKコラージュがヘッドギアとフェイスマスクを装着して復帰を果たしました。
その他には、スタンチュ、シマというプラハのキープレイヤーがスタメンに戻ってきていますね。
両チームの二次配置
アーセナルのボール保持時
アーセナルのビルドアップに対するスラヴィア・プラハの対応で目立ったのがIHがボランチを抑えるために前に出てきて、WGはSBにマークについて下がり気味だった点です。
ボランチを抑えることでアーセナルの中央からの前進が詰まりがちというのをスカウティングしたうえでの対策だったのでしょう。
ジャカはこの試合ではSB裏に降りるよりも中盤に残るか中央で低い位置まで下りていくシーンが目立ちました。
ジャカのヒートマップの比較です。
左がスパーズ戦で右がスラヴィア・プラハ戦です。
スパーズ戦では左サイドに降りてこの位置でプレーしていたことが目立つ一方で、スラヴィア・プラハ戦では広い箇所に顔を出しているのもそうですが、中央の低い位置が色濃くなっていることがわかります。
こちらはマガリャンイスのヒートマップでジャカ同様に左がスパーズ戦で右がスラヴィア・プラハ戦です。
敵陣に相手を押し込んだ位置でのヒートマップは2戦とも共通していますが、自陣からビルドアップをする時の位置ではスパーズ戦が中央よりなのに対してスラヴィア・プラハ戦では左に開いた位置が色濃くなっているのが目立ちます。
ジャカが抑えられているため、マガリャンイスが開いてパスを出す展開が増えたと考えられます。
そして、この試合では両CBの縦パスの意識は素晴らしかったです。
特に、右CBのホールディングのできは素晴らしく、前半から右ハーフスペースから裏を狙うサカへのパスでいくつかのチャンスを作っていました。
左も下りてくるウィリアンの背後のスペースにスミスロウがランニングをしてパスを引き出したところからいい形を作れていました。
この試合、チャンスをしっかりと作れていました。
しかし、ブライトンかな?と思うくらいにシュートが決まらず、0-0で終盤まで推移してしまっていました…(トホホ
スラヴィア・プラハのボール保持時
スラヴィアプラハのビルドアップは4-3-3から基本的には2CBが開き、GKを交えるかアンカーのフロマダがビルドアップにかっらむ所からスタート。
対するアーセナルの守備は、前から4枚で圧力をかけていきました。
ラカゼットがアンカーのフロマダを抑え、CBに対しては右はサカが、左はスミスロウがプレスをかけるシーンが多かったです。
サカはSBのボジルへのコースを抑えながら、スミスロウはIHのスタンチュを抑えつつ、外から行くという感じでした。
ウィリアンは基本的にはSBのバーを抑えますが、時折スミスロウと役割を入れ替えるシーンもありました。
スミスロウのオフザボールは一級品
この試合での左サイドはSBのセドリック、WGのウィリアン、トップ下のスミスロウの3人が入れ替わるようにハーフスペースと大外を使っていました。
特に光ったのはスミスロウの一度高い位置から低い位置まで下りてきて再び裏を狙い後ろからのパスを引き出す動きは誰がマークに付けばいいのかの迷いを生じさせるため、スラヴィア・プラハの守備陣にとっては厄介な存在だったことでしょう。
そして、スミスロウは15分のシーンのようにパスを引き出したところから自分で仕掛けてチャンスを演出することもできます。
54分のチャンスのシーンもセドリックからのパスを引き出してつないで裏に行く動きも見事でしたが、最後、サカがドリブルでエリア内に侵入した時にDFの背後から裏ではなく、走る方向を変えてDFラインの手前に生まれるスペースに入り込んだのはお見事でした。
あそこに仮にパスが入っていればおそらくゴールを決められたのではと思います。
交代選手がもたらしたもの
途中交代でピッチに入ったマルティネッリ、オーバメヤン、ぺぺはそれぞれゴール前での決定機を迎えています。
オーバメヤンに関してはあの決定機は決めてほしかったところではありますが、3人共、試合には入れていましたし、悪くない交代策だったと思います。
交代が少し遅かったのでは?という意見もありますが、主導権を握っていた状況でしたし、オリンピアコス戦のセバージョスのように試合には入れないままミスを犯す場合もあるので試合を優位に進めている中での交代策というのは難しい判断になります。
その中で、少ないチャンスをものにしたぺぺは評価できますね。
2nd legスラヴィア・プラハ戦にむけて
1-1のドローで折り返してアウェイに乗り込むスラヴィア・プラハ戦は文字通り総力戦になります。
そのため、月曜日のブレイズ戦はGKのレノとフィールドプレイヤーで控えがいない右CBのホールディングと左SBのセドリックともう少し試合勘を戻しておきたいスミスロウ以外の今日の先発メンバーは休ませるくらいの勢いでターンオーバーをしていいと思います。
左WGはウィリアンではなくぺぺの方が良いでしょう。
左はペペが外を使い、セドリックが偽SBのような形で内側を使い、スミスロウは中央や右でプレーできる時間が増やせればチャンスを増やせると思います。
ウーデゴールが間に合うなら2列目がESRウーデゴールサカでもありかもしれません。
まとめ
チャンスで点を取れなかったツケを払わされましたね。
チャンスはアーセナルの方が作れていましたし、主導権もアーセナルが握っていました。
しかし、シュート数11本に対して枠内シュートは2本のみ、ビックチャンスを4つ作っておきながら1点にとどまっており、これでは勝てるものも勝てないということでしょう。
ブレイズ戦は控え主体で勝利して2nd legは総力戦で勝ち切りたいところです。
スパスィーバ
エジルに見惚れてグーナーになった人。18/19シーズンから戦術ブログを開設してリーグ戦全試合のマッチレビューを投稿している戦術系グーナーです。