【アーセナル分析】トーマス・パーティ徹底分析
みなさんこんにちは。パーティ獲得からだいぶ時間たっちゃいましたね…
とはいえ、書きたいので書きます!
もくじ
はじめに
まず、個人的なトーマスに対する印象を簡単に表しますと…
トレイラ+セバージョス+ジャカ÷3
です。よく〇〇と××を足して2で割った感じとか言いますよね。そんな感じで表現してみました。
トレイラ、セバージョス、ジャカそれぞれの良いところを集めてなおかつ3人にはないようなエンジンを積んでいる選手という感じが個人的な評価です。要はかなり評価しています。
トーマスvsセバージョス
スタッツ比較
色付きがトーマスで黒枠がセバージョスのデータで、データ自体は円の端に行けば行くほど高い指標で中央に行くほど低くなります。
まずはセバージョスとの比較からしていきましょう。データはそれぞれ19/20シーズンのラ・リーガとプレミアリーグのデータです。リーグが違うのでこのデータが絶対ではありませんがある程度の指標にはなるでしょう。
Pass into Final 1/3 (セットプレーを除いてファイナルサードへ通ったパスの成功率)は2人共トップクラスの数値を叩き出しています。
もう一つ2人とも高水準を叩き出しているのがYards Progressed(パスとキャリーでボールが相手側ゴールに向かって移動した距離)です。
2人共ボランチを主戦場で、そこでどれだけチームに推進力を与えられたかといった指標で2人共秀でている証拠とも言えますし、昨シーズンのセバージョスを見ているとと後ろからボールを引き出して持ち上がって前線にボールを届けるプレーは多く見られたのでこのデータには納得ですね。
このファイナルサードへのパス成功率とボールを前進させた距離については2人ともほとんど縁の端に到達していることからトップオブトップの数字ですが、セバージョスがわずかに上回っていることがわかります。
併せて紹介したいのがSuccessful Dribble(ドリブル成功数)とDribble Success %(ドリブル成功率)の2つです。
Sofascoreの19/20ラ・リーガでのドリブル成功数を見てみると1.6回で上から23番目でした。
これだけではあまりすごくないようにも見えますが、ボランチを主戦場とする選手では一桁に入ってくるレベルですし、何よりもドリブル成功率は89%でこれはドリブル成功数上位30人の中ではトップでした。
セバージョスもドリブル成功数に関してはトーマスとほぼ同等の数字を記録しましたが、ドリブル成功率に関してはトーマスに軍配が上がりました。
最後に守備面のスタッツに目を向けると驚くのがInterception(インターセプト数)とSuccessful Tackle(タックル成功数)でトーマスとセバージョスがほぼ同じスタッツを記録していたことです。
確かにセバージョスは567での中断開け以降に関してはインターセプト数とタックル成功数でアーセナル内でも飛び抜けた数字を記録していましたがまさかここまでのスタッツを記録していたとは思いませんでした。
さらにはSuccessful Pressure(プレスをかけてから5秒以内に自分あるいは味方がボール奪取に成功した回数)に関してはセバージョスがトーマスを大きく上回る結果になりました。
個人的評価
ここからはスタッツではなく筆者が見た印象等から書いていきます。
たしかにセバージョスもトーマスも推進力に関しては疑いの余地もないですが、トーマスのCLリヴァプール戦は圧巻でした。下記の動画の1:05からのようなスペースのないところから独力で脱出できる推進力と技術、これはずば抜けていて、セバージョスはどうしても時たまするロストがリスキーで、そこの差がドリブル成功率の差にも直結しているように感じました。
また、守備時も1人でカバーできる範囲が広いのもセバージョスにはない強みです。
トーマスvsジャカ
スタッツ比較
Pass into Final 1/3 (セットプレーを除いてファイナルサードへ通ったパスの成功率)とYards Progressed(パスとキャリーでボールが相手側ゴールに向かって移動した距離)はジャカとトーマスはそん色ありません。ドリブル成功率はジャカもトーマスと同等の数値ですが、ドリブル成功数はトーマスの約半分の数字なので、あまり参考にできる数値ではありません。
そもそも相方のセバージョスが動き回ってジャカは固定砲的な感じで動かないで構えることでバランスもとっている印象ですのでこれでジャカの評価が下がるようなことはありません。
最も顕著に差が見られるのはInterception(インターセプト数)とSuccessful Tackle(タックル成功数)、Successful Pressure(プレスをかけてから5秒以内に自分あるいは味方がボール奪取に成功した回数)でジャカはトーマスを大きく下回るスタッツを記録、というかジャカのスタッツがここではかなり低いものになっています。
個人的評価
2人共ロングフィードの質は天下一品だと思います。
ジャカは左足でのフィード、特に外に開いた向きから縦に通すパスは随一です。
対するパーティのフィードで印象が強いのは中央から右足で右サイドの裏を狙う選手へのフィードです。
トーマスはジャカの代役にもジャカの相棒にも慣れる存在だと思います。
ジャカの代役としては後方からの展開を担い、なおかつジャカにはできない中盤としてのフィルター役でジャカの相棒としてはボールを前に進めつつ長短のパスを使い中盤のフィルター役になる、そんな役割を期待しています。
トーマスvsトレイラ
スタッツ比較
トレイラは19/20シーズンではなく18/19シーズンのデータを使用させてもらいます。
やはりPass into Final 1/3 (セットプレーを除いてファイナルサードへ通ったパスの成功率)とYards Progressed(パスとキャリーでボールが相手側ゴールに向かって移動した距離)ではトレイラはトーマスに見劣りしてしまいます。
また、ドリブル成功率、ドリブル成功数についても同様のことが言えます。
その一方でInterception(インターセプト数)とSuccessful Pressure(プレスをかけてから5秒以内に自分あるいは味方がボール奪取に成功した回数)についてはトーマスと同等のスタッツを記録していました。
個人的評価
トレイラとトーマスを比較しての評価を率直に言うと拡張版トレイラといった感じだと思いました。トレイラのボール奪取力そのままにドリブルや長いパスなどの追加要素を盛り込んだ感じです。
トレイラはアトレティコにトーマスと入れ替わる形で加入しましたが、トーマス程攻撃面で違いを生み出せる選手ではありませんので、トーマスと比較され、批判されるかもしれません。ですが、ショートパスでのビルドアップ等はトップレベルでも問題ないレベルの標準レベルでは備えていると思います。
それに、トレイラはボランチの位置から飛び出しての劇的なゴールを決めてくれます。そんなトレイラのゴールに心躍らせたグーナーはたくさんいますし、アトレティコに行っても活躍してほしいと思っています。
まとめ
ダブルボランチでジャカ-トーマスもトーマス-セバージョスもありですし、トーマスのポテンシャルなら4-3-3のアンカーもできると思います。
どうしても4バックでジャカ-セバージョスだと守備時の懸念がありましたが、トーマスはその懸念も解消してくれるでしょう。
ですので、トーマスはアルテタが4バックをやるうえでのマスターピースになり得るとおもいます。
スパスィーバ
エジルに見惚れてグーナーになった人。18/19シーズンから戦術ブログを開設してリーグ戦全試合のマッチレビューを投稿している戦術系グーナーです。