【マッチレビュー】アーセナル対リバプール~着実な成長~

 つい先週CL決勝があったばかりなのでオフシーズン感0のままあっという間に新シーズンを迎えたわけですが…(笑)アーセナルはプレシーズンマッチもMKドンズ戦のみでした。とまぁ、そんなこんなはさておき早速見ていきましょう。

アーセナル1(5)-(4)1リバプール

【アーセナル】12’オーバメヤン

【リバプール】73’南野

・スタメン

 リバプールは負傷で欠場の右SBアーノルド以外はフルメンバーを投入してきました。

 対するアーセナルはセバージョスは一度レンタル元のマドリーに戻っており、再レンタルないしは完全移籍の交渉はまとまってないため(たぶん)自宅で観戦、ラカゼットとペペはフランスからの帰国のため2週間の隔離措置のため出場できないとのことです。トレイラも同じような理由のようです。そこで代役に抜擢されたのが前線はエンケティアとサカで順当でしたが、中盤はエルネニーがチョイスされました(他にいなかった可能性も)。

・前半-1アーセナルの前線からのプレス

 アーセナルの前からのプレスはシャドウの選手がCB-SB間のコースを切りながら寄せていく外切りのプレスでCBから選択肢を奪います。その時、CFの選手はアンカー番をして中央のコースも阻害、降りてくるIHにはボランチがついていくことでアバウトなボールを蹴らせたり、強引にパスを入れたらそこで奪って攻撃のチャンスにします。この形は初期配置こそ違いますが、CL決勝でバイエルンがやっていたのもこの形です。ついでにシティもこの形を採用しています。初期配置はそれぞれ違いますが、このプレスのかけ方はこれからのトレンドになりうるでしょう。このプレスがなぜ有用かというと、これは「先手を取るプレス」だからです。アーセナルの中断前の前プレスは4-4-1-1の形からCFがCB間を切るところからスタートしていましたが、どうしても後追いのような形になり後手に回っていたといわざるを得ません。実際、ラカゼットが2度追い3度追いをすることで疲労がたまり、ゴール前でのクオリティが維持できなくなっていました。

 それから、それだけの労力を費やしていましたがこのプレスで高い位置で奪ってからの攻めというのはほとんど見られませんでした。

 このCFが中盤へのコースを切り、シャドウがCB-SB間を切るプレスの場合は誰かが両サイドまで追い回す必要もなくなり、負担も軽くなりますし、1トップに追われてる状況と違い、CBもプレスをかけてくるシャドウの選手とアンカーを抑えるCF,場面によっては降りてくるIHについてくるボランチに囲まれて、選択肢を奪われた状況になるので圧迫感も違うはずです。

 ただ、このやり方はシャドウの選手がSBへのコースを切りながら寄せられること、中盤の選手も含めてプレスを連動させるための戦術理解力も必要になってくるためどのチーム、どの監督でもできる手法ではないと考えます。

 また、CFが1列上げてプレスに行くときもありますが、その時はボールサイドのボランチはIHに付きますが、逆サイドのボランチがファビーニョのマークを引き継いでいる印象でした。この試合、リバプールはファンダイクやロバートソンのいる左サイドからの組み立ての頻度の方が高かったため、ファビーニョのマークを引き継ぐタスクはエルネニーの方がジャカより頻度が高かったです。

・前半-2アーセナルのリバプール封じ

 アーセナルの守備で光っていたのは前プレスだけではありません。引いて守る際の形も整えられてました。前回2-1で勝利した際は文字通り水際で凌ぐ守備でしたが、今回は計算された撤退守備のように感じました。前回対戦時が「サンドバック」なら今回は「」です。アーセナルは引いて守る際は5-4-1にシフトしてマンマーク気味に守ります。リバプールの押し込んだところから脅威になるのは両SBからのクロス爆撃とフィルミーノの偽9番の動きで降りて行ってボールを引き出してそこから崩されることです。前者に関してはアーノルドの欠場もあって脅威は半減していました。正直、右SBのネコは高い位置を取って連携があまりうまく取れていなかった印象です。フィルミーノ対策はアーセナルの守り方が上手くはまった印象です。降りていくフィルミーノに対してダビドルイスがガンガンついていき自由にはさせませんでした。マネに対しては対面のロブはかなり良く対応していたと思います。このフィルミーノ‐ルイス、マネ‐ロブのマッチアップで後手を踏まなかったのはかなり大きかったです。

 結果、前半のリバプールの攻めはロバートソンからのクロス一辺倒といった感じです。クロス対応もルイス、ロブは問題ありませんし、逆サイドに関してはネコの脅威があまりなかったのもあり、サラーに対しては1対1での対応の場面がまずほとんどありませんでした。

 前半のリバプールはシュート数7本で枠内0、枠外3、ブロックされたシュート4というのはアーセナルが上手く対応できた証拠だと思います。それからリバプールのクロスは前半で14本でした。

・前半-3エルネニーはセバージョスになれないけど

 試合中もこんなつぶやきをしましたがここでいうのはそんな感じです。セバージョスは後方からボールを引き出してターンで前を向き、一気に攻撃のアクセルを入れられます。ウィルシャーとかエジルも似た感じにパスが入ると同時にターンして1枚はがすプレーが上手かった印象です。理想はこんな感じに華麗にかわしてくれることですが誰も彼もにそれを期待するのは豹にチーターのように走れというのと同じです。要は無茶ぶりってことです。

 だからこそ、後ろからマークにつかれた状況で前を向かなくてもシンプルにパスを出す先を用意できる配置にできてなおかつそれを実践させたのはアルテタの仕込みでしょう。

 これがあったからセバージョスの不在を必要以上に感じることはありませんでした。

とはいっても、セバージョスがいれば攻撃の引き出しもかなり増えるので是が非でもアーセナルに戻ってきてほしいものですが。

・前半-4計算された先制点

 先制点はFA杯シティ戦でも見せたようなエリア内でのビルドアップで相手の前プレスを食いつかせてからの長いパスで一気に加速してアタッキングサードに侵入してさらにサイドチェンジで手薄なところを突いた形での先制ゴールです。シティ戦の時もですが、かなりハイリスクに見える(実際ハイリスクですが)エリア内からの組み立て、19/20シーズンの序盤にゴールキックからショートパスでつなごうとしてプレスをはめられたのは1度や2度じゃないの覚えていますか?覚えていますよね?覚えてますね。その時との明確な違いは、どこに次出すかが明確なので迷いがなく、少ないタッチ数でさばけるのが大きいと思います。ここに至るまで明確な策と選手に自信を植え付けたのは間違いなくアルテタの功績です。

 次に、敵陣に侵入してからのサカのサイドチェンジとオーバのドリブルからのミドルもかなりすごかったですが忘れてはいけないのはエンケティア、ナイルズ、ティアニーのオフザボールの動きです。全員ボールホルダーにプレッシャーが集中しないようにうまい走り込みを見せていました。特にティアニーの走り込みはタイミング、場所ともに最高でした。オーバが中に切り込むとその後ろを駆け上がってきました。オーバとマッチアップしたネコはティアニーが出てきた瞬間重心が外に傾いたように見えました。そして、そこで勝負ありといったところです。

・後半-1クロップの修正

 攻撃時は高い位置を取れずサラーが孤立気味で、守備時はオーバ相手に後手の対応(オーバ相手に後れを取らないDFなんてプレミアで片手の指で数えれるくらいしかいなそうだけど)のネコを下げてミナミーノを投入、ジョーゴメスが右SBにスライドしてファビーニョがCBに降りてきて中盤はダブルボランチの4-4-2(4-2-3-1)に変化しました。また、ボール保持時はジョー・ゴメスは上がらず3バック化して3-2-4-1のような形になりました。

 この修正により両サイドで幅を取れるようになったのとアーセナルの5バックに元の3トップ+南野、ロバートソンの数的同数になる上に、アーセナルの前プレスを回避しやすくなったことで後半はリバプールぺースで進みました。

 リバプールは3バックとダブルボランチの5人でビルドアップをするのに対してアーセナルは3枚でプレスをかけざるを得ません。前半のようにボランチもプレスに行きたいところですがそうするとフィルミーノにパスを引き出されるうえにライン間で南野とフィルミーノに好きにやられることになるのでそれは避けたいです。後半はフィルミーノが前を向いてボールを持つ回数が増えたのもリバプールペースで進んだ一因です。

 同点ゴールのシーンはサラーがティアニーを背負ってタメを作りドリブルで中に切り込んでフィルミーノ→南野で南野のフリックはサラーの前のセドリックにあたり、それを回収してのゴール。シンプルに質の勝利です。ですが、それを手助けしたのはサラーを中に一度れるようにしたクロップの修正といえます。

よかったら「南野 ゴール」でTwitterで調べれば出てくると思うのでそちらをばぜひ。

・後半-2アルテタの修正

 82分にアーセナルはウィロック、ネルソン、コラシナツをサカ、エンケティア、ティアニーに変えて投入しました。ティアニーはその直前に足を気にするそぶりを見せていたので大事を取っての交代でしょう。ウィロックとネルソンはそれぞれトップと右のシャドウに入りました。この抗体からまた少しアーセナルの時間になります。シンプルに前プレスの強度が戻ってきました。これによりまたリバプールのビルドアップを阻害して、そこから奪ってのショートカウンターなどができるようになりました。

 あとは、この交代以降オーバが外に張ってその内側をウィロックやナイルズが走りこんでボールを引き出し、マイナスの折り返しを入れるシーンがいくつかありました。

・雑感

 正直、例年と違いオフもプレシーズンも満足にできなかった中での新シーズン1発目の試合ということであまり期待していませんでした。それを見事に裏切ってくれましたね。正直、CL決勝並みに内容詰まってました(言いすぎかな?)。後はここにウィリアン、マガリャンイスと今日はベンチだったサリバとスミスロウが加わるわけですからTop4フィニッシュには余裕で絡めると思ってます。

 あと、PK戦ですがとりあえずナイルズが冷静すぎてビビりましたね(笑)

・あとがき

 我ながら久しぶりに内容の詰まったものを書いたなという満足感でいっぱいです。こういう記事が伸びてくれればさらにうれしいですしそれでご飯何杯かいけます。拡散してくれたり、感想をいただけると幸いです。次回の予定ですが、開幕戦のマッチレビューの前に1本か2本書く予定ですので楽しみにしていてください。

読んでいただきありがとうございました。

スパスィーバ

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